テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ちょっと奇抜な、四つのしあわせ。

2012-06-29 23:17:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みゃほゥ! みつけたでスゥ!」
「がるる!がるっるぐるがるっるー!」(←訳:虎です!そっちに行ったよー!)

 こんにちは、ネーさです。
 右だ!左だ!あっちだそっちだ!と大忙しなのは、
 東京・井の頭自然文化園の職員さんたち。
 先日の風雨で、倒木がリスの飼育施設を直撃!
 開いた穴からリスちゃんたち30匹が大脱走!!

「つかまえたッ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:よいしょ!)

 捕えてみれば、こはいかに。
 38匹?
 逃げ出した数よりも多い???
 しかも、まだまだ脱走リス目撃情報が……?

「なんびきィ、いたのでスかッ!」
「がるぐるる~っ!」(←訳:わかんない~っ!)

 微笑ましいような《栗鼠パニック》ニュースに続いては、
 さあ、読書タ~イムですよ!
 本日ご紹介いたしますのは、
 こちらもやっぱり微笑ましい?ミステリアンソロジーです。  

 


 
               ―― しあわせなミステリー ――


 
 著者は収録順に、伊坂幸太郎さん、中山七里(なかやま・しちり)さん、
 柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)さん、吉川英梨(よしかわ・えり)さん、
 2012年4月に発行されました。
 
「みすてりィとォ、しあわせッ??」
「がるるぐるがるるる~?」(←訳:なんか結び付かないよ~?)

 ええ、そうよね。
 犯人逮捕だー!緊急配備だー!なんていう緊迫した空気と、
 しあわせ、という単語は、
 あんまり似合わないような……?
 
 けれど、そこは書き手さんの度量と技術で
 おっ!と驚くマジックが展開します。
 御本の冒頭を飾りますのは、
 伊坂幸太郎さん!
 熱烈なファンさんたちが大喜びしちゃう伊坂さんのしあわせなミステリー作品とは……

 『BEE』。

 主人公は、殺し屋さんです。

「ひええェッ! ここここッ??」
「がるるぐるるるっ?」(←訳:幸せとコロシヤっ??)

 『腕はいいけれど妻に頭が上がらない殺し屋』シリーズの主人公――
 その名も、兜(かぶと)さん。
 
 或る夏の日、兜さんは闘いに向かいます。
 
 スウェットと、その上にジーンズと、
 さらにスキーウェアを穿いて。
 トレーナーを着込んで、タートルネックのセーター、
 ジージャンと、ダウンジャケットで上半身を固めて。
 靴下は二枚重ね。
 手にはスキーのグローブ。

「なッ、なつゥなのにィ?!?」
「がるぐるがるっるっるる~!」(←訳:熱中症になっちゃうよ~!)

 暑さで倒れそう、と自分でも思いつつ、
 兜さんが闘わねばならぬ相手とは……?

「すいぶんほきゅうゥしてッ、かぶとさんッ!」
「がるぐるるがるるっがる~!」(←訳:熱中症をナメちゃダメだ~!)

 そう来たか!とニヤリとさせて、
 なるほどね!と締めくくる、
 技巧の効いた短編4作品は
 ミステリ好きさんにおすすめです。
 『兜さん』が気になった御方は、ぜひシリーズ読破を!

「……かぶとさんのォ~」
「がるるるぐるぐる!」(←訳:その後が心配です!)
 
コメント
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