テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

黄金時代の、もうひとり。

2012-06-03 23:19:14 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 わお!勝っちゃいましたねオマーンに!
 日本チームの選手さん&スタッフさんたちに拍手~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱちぱちぱちィ! おめでとうゥのォ、はくしゅゥ~!」
「がるる!ぐるるぐるがるるる~!」(←訳:虎です!お疲れさまの拍手~!)

 ワールドカップ本選までの長い闘いはまだまだこれから!
 どうか選手さんの誰ひとり、怪我なく、無事に!と祈りつつ、
 今日もしぶとく読書タ~イム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  


  
           ―― ケイト・グリーナウェイ ――


 
 編著者は川端有子(かわばた・ありこ)さん、2012年3月に発行されました。
 『ヴィクトリア朝を描いた絵本作家』と副題が付されています。
 前回記事では英国発のお菓子マクビティを取り上げましたが、
 この御本の主役である
 ケイト・グリーナウェイ(Kate Greenaway)さんも
 英国の絵本作家・挿絵画家として知られるアーティストさん!

「ひょうしィはァ、かわゆいィ、おこちゃまッ!」
「がるぐるるがる!」(←訳:クラシカルだね!)

 拙ブログで度々ご紹介しております《絵本の黄金時代》の画家さんたち――
 妖精画で有名なアーサー・ラッカムさん、
 アラビアンナイトを描かせたら世界一!のエドマンド・デュラックさんと同様、
 グリーナウェイさんも、
 19世紀後半の出版界を彩った画家さんのひとりです。

 特に、上の画像の表紙画のような、
 ボンネットに長い丈のドレスを着る子どもたちの画は
 グリーナウェイさんの専売特許、と言えるのじゃないかしら。

「しょうじょまんがァ、みたいィッ♪」
「がるぐるぐるっ♪」(←訳:花もきらきらっ♪)

 グリーナウェイさんは、
 日本の画壇、
 さらには漫画にも影響を与えた英国のラファエロ前派に縁深いアーティストさんです。
 日本の少女漫画に詳しい方々には、
 違和感なく馴染める画風の作家さんですね。

 ひらひらフリルのドレスの美少女たち、
 絹のリボンに、
 金色の巻き毛、
 背景には花――

 この御本では、
 グリーナウェイさん(1846~1901)の生涯、
 彼女が生きたヴィクトリア朝の出版文化、
 画風の変遷、
 絵本作家から画家へ転身しようとした背景などが
 多数のカラー図版を添えて
 丁寧に著されています。

「このォおようふくゥ、すてきィでス!」
「がるるぐるぐる~!」(←訳:ホント絵になる~!)

 グリーナウェイさんの絵本で
 少年少女たちが着ているドレスは
 グリーナウェイさん御自身がデザインし、縫い上げ、
 モデルの子どもたちに着せて着心地や効果を試したもの、だそうです。
 そして、絵本の中のドレスは
 読者となった大人たち子どもたちをも変えてゆきました。
 
「あめりかでッ! よーろッぱでッ!」
「がるる~!」(←訳:大流行~!)

 絵本好きさん、
 アート本好きさん、
 ファッション史好きな御方にも
 ぜひ読んでいただきたい一冊です。
 珍しい図版も掲載されていますので、
 グリーナウェイさんのファンの方々は、もう必読!

 なお、もし機会がありましたら、
 どうか活字マニアの皆さま、
 グリーナウェイさんの絵本を
 復刻版ではなく、
 オリジナルプリント(いわゆる初版)で御覧下さい!
 天才彫版師エドマンド・エヴァンズさんの技の冴え、 
 ぜひとも肉眼で!

「てんごくのォ、しきさいッ!」
「がるぐるるっ!」(←訳:見てみてねッ!)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする