テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あやしい《特報!》の裏側には…?

2019-08-18 22:15:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うゥ~むゥ? あのォおとはッ?」
「がるる!ぐるがる?」(←訳:虎です!花火かな?)

 こんにちは、ネーさです。
 今日18日は地元の町内会のお祭りで、
 小型の花火らしき音や、
 盆踊りの音楽なども聴こえてきますよ。
 お盆休みが過ぎてゆくのを惜しみながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


 
     ―― 天災は忘れる前にやってくる ――



 著者は鳥飼否宇(とりかい・ひう)さん、2019年7月に発行されました。
 この御本は、短編7作品から成る連作ミステリであり、
 また同時に……

 けっこうなブラックっぷり?

「びッくりィするかもォ!」
「ぐるるぅるるる!」(←訳:引いちゃうかも!)

 ええ、私ネーさも驚かされました。
 ほとんど予備知識なしに読み始めましたら、
 うわっ、いきなり大地震が?
 火山の噴火も?
 豪雨も?

 それもこれも――

「あいつゥのォ、せいィ??」
「がるるる!」(←訳:疫病神だ!)

 彼らのゆくところ、
 災害と事件あり。

 すなわち、
 ジャーナリストの郷田俊男(ごうだ・としお)さんと、
 郷田さんの助手であり、
 この物語の語り手である
 ボクこと三田村(みたむら)トモミさん、
 という二人組です。

「じゃーなりすとォ、といッてもォ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:怪しい系です!)

 郷田さんは、自称ネットジャーナリスト。

 新聞や雑誌の記者さん、TV局の取材班などが
 相手にしないような細かなネタを拾い上げて取材し、
 面白おかしく盛って、
 《特ダネ ゴーダニュース》
 として配信しているのです。

 えー、そのニュースの見出しを
 幾つか挙げてみますと。

 《不忍池に半魚人出現!》
 《タジキスタン共和国で目撃!義経はまだ生きていた!?》
 
「……あやしいィ!」
「がっるるぐるる!」(←訳:すっごく怪しい!)

 どこをどうしたって怪しさ120%の《ゴーダニュース》には、
 しかし、熱心な固定客がついている?
 なんと、全国で3万人を超える
 有料読者さんたちが
 《ゴーダニュース》新報を待っている!
 といいますから、
 世も末、いえ、ヒトの趣味って分からないものです。

 今日も今日とて郷田さん、
 会員数アップを狙い、
 大規模自然災害の現場へと、
 トモミさんを伴って突進します。

 東北の某県某市が
 かつてないような大雪に見舞われた!
 山間部で町や村が孤立!
 停電!
 除雪車同士が衝突する事故も発生して、
 山間に取り残された人々に危機が迫る……!

「だいぴんちィでスゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:早く救助を!)

 役場は上を下への大騒ぎ。

 けれど、こんなときに、
 いえ、こんなときならばこそ、
 郷田さんの眼がキラリと光ります。

 これは、何かが起こるぞ……!

「おこらないでェほしいィでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:平和がいちばん!!)

 豪雪が引き金となった“或る事件”の
 真相にくらいつく
 『我が物と思えば軽し笠の雪』をはじめ、
 7つの作品にはそれぞれ
 有名な故事ことわざが
 題名に据えられています。

 ことわざの意味合いと、
 事件がどう関わるのか、
 深読みしてみるのも楽しい連作ミステリは
 シニカルかつブラックではありますが、
 ミステリ好きな方々にはおすすめ!ですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♫
 
 
 
 
コメント
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