「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふひゃァ! うえをォしたへェのォ、おおさわぎィ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ドタバタです!)
こんにちは、ネーさです。
えー、我が家には現在、
知人さんの愛犬ちゃんがショートステイ中で、
そのお世話に明け暮れております。
抱っこしたり撫でたり、と
腕は筋肉痛気味ですが(ふぅ~)、
ワンコちゃんのお昼寝中は、
ちょこっとリラックスしての平和な読書タイムを、
こちらの御本で、さあ、どうぞ~♪
―― 夢見る帝国図書館 ――
著者は中島京子(なかじま・きょうこ)さん、
2019年5月に発行されました。
御本の表紙は……皆さま、お気付きでしょうか、
パッと見では少々分かりにくいかもしれませんけれど、
イラストや写真ではなくて、
ミニチュアなんです!
mondeさんというクリエイターさんが制作している
《路地裏bookshelf》シリーズの中のこの作品は、
本と本に挟まれて、
細い路地と小さなお家が照明に浮かび上がっている……
これは、ドールハウスの一種というべきでしょうか。
「このォいめーじィ、たいせつゥなのでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:憶えておいてね!)
書物と、小さなお家。
しかし、物語は、非常に広々とした、
大きな空間から始まります。
上野公園のベンチ、
それも5月の終わり頃の
噴水の見えるベンチといえば、
子どもたちの歓声と、
ハトたちの羽音が聞こえてくる気がしますでしょ?
「おてんきィ、じょうじょうゥ~♫」
「がるるぐるがる!」(←訳:青空が良い感じ!)
うららかな、とてもいい日。
語り手の《わたし》も、そう思います。
ライターのお仕事をしている《わたし》は、
上野公園の奥まった場所にある
国際子ども図書館の取材を終え、
公園のベンチに腰掛けました。
すると、そこへ。
「だれかァ、きましたでス!」
「ぐるがっる?!?」(←訳:隣に座った?!?)
短い白い髪、
端切れを縫い合わせて作ったコートは、
動物園の孔雀もかくや?
喜和子(きわこ)、と名乗ったその女性は、
初対面の《わたし》をタバコの煙で咳き込ませ、
金太郎飴をくれて、と
《わたし》のふところにぐいぐいと入り込んできます。
「だからァ、ついィ~」
「がっるぅっる!」(←訳:喋っちゃった!)
《わたし》は物書きです。
小説、書いているんです。
喜和子さんに、あんた学生さん?と訊ねられ、
いつのまにか答えている《わたし》。
喜和子さんはそんな《わたし》に返します。
じゃあ、書けたら見せてよ。
うんと楽しみにしてるから。
「はいッ!」
「ぐる!」(←訳:はい!)
ほんの短い間の、
偶然の出会い。
それきり会うこともないだろう、と
《わたし》は考えました。
ところが、8月、
またも子ども図書館の取材で上野に来た《わたし》の前に。
「あッ?」
「がるるぐる!」(←訳:喜和子さん!)
再びの出会いに、
親交は一気に進みます。
東京藝大の先の細い道を抜けた先の、
そこだけ江戸時代?な狭い家に《わたし》を招き、
喜和子さんは言ったのでした。
あんたに折り入って、頼みがある。
上野の図書館のことを書いてみないか。
「としょかんッ?」
「ぐる?」(←訳:書く?)
図書館――
《わたし》と喜和子さんを
はからずも結びつけたもの。
そして、
図書館を作ったひと、
育てたひと、
通ったひと、
そこで泣き、笑い、励まされたすべてのひと。
上野の図書館の、
いえ、あらゆる図書館の、
さらには喜和子さんと《わたし》の物語が、
ぐぅんと根を張り、
枝葉を伸ばしてゆきます。
書物の中に、
書庫の中に、
《わたし》の中に。
「いまもォ、つづいてまス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:図書館が見る夢!)
喜和子さんの夢は、
《わたし》の夢は、
何処へ漂い流れてゆくのか。
それを、図書館は知っているのか――
博物館、美術館、図書館、動物園が集う、
上野の山を愛する方々に、
そしてもちろん活字マニアさんに
心よりおすすめしたい《夢ものがたり》、
著者・中島さんに拍手を送りつつ、
どうか皆さま、ぜひ一読を♫
ふひゃァ! うえをォしたへェのォ、おおさわぎィ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ドタバタです!)
こんにちは、ネーさです。
えー、我が家には現在、
知人さんの愛犬ちゃんがショートステイ中で、
そのお世話に明け暮れております。
抱っこしたり撫でたり、と
腕は筋肉痛気味ですが(ふぅ~)、
ワンコちゃんのお昼寝中は、
ちょこっとリラックスしての平和な読書タイムを、
こちらの御本で、さあ、どうぞ~♪
―― 夢見る帝国図書館 ――
著者は中島京子(なかじま・きょうこ)さん、
2019年5月に発行されました。
御本の表紙は……皆さま、お気付きでしょうか、
パッと見では少々分かりにくいかもしれませんけれど、
イラストや写真ではなくて、
ミニチュアなんです!
mondeさんというクリエイターさんが制作している
《路地裏bookshelf》シリーズの中のこの作品は、
本と本に挟まれて、
細い路地と小さなお家が照明に浮かび上がっている……
これは、ドールハウスの一種というべきでしょうか。
「このォいめーじィ、たいせつゥなのでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:憶えておいてね!)
書物と、小さなお家。
しかし、物語は、非常に広々とした、
大きな空間から始まります。
上野公園のベンチ、
それも5月の終わり頃の
噴水の見えるベンチといえば、
子どもたちの歓声と、
ハトたちの羽音が聞こえてくる気がしますでしょ?
「おてんきィ、じょうじょうゥ~♫」
「がるるぐるがる!」(←訳:青空が良い感じ!)
うららかな、とてもいい日。
語り手の《わたし》も、そう思います。
ライターのお仕事をしている《わたし》は、
上野公園の奥まった場所にある
国際子ども図書館の取材を終え、
公園のベンチに腰掛けました。
すると、そこへ。
「だれかァ、きましたでス!」
「ぐるがっる?!?」(←訳:隣に座った?!?)
短い白い髪、
端切れを縫い合わせて作ったコートは、
動物園の孔雀もかくや?
喜和子(きわこ)、と名乗ったその女性は、
初対面の《わたし》をタバコの煙で咳き込ませ、
金太郎飴をくれて、と
《わたし》のふところにぐいぐいと入り込んできます。
「だからァ、ついィ~」
「がっるぅっる!」(←訳:喋っちゃった!)
《わたし》は物書きです。
小説、書いているんです。
喜和子さんに、あんた学生さん?と訊ねられ、
いつのまにか答えている《わたし》。
喜和子さんはそんな《わたし》に返します。
じゃあ、書けたら見せてよ。
うんと楽しみにしてるから。
「はいッ!」
「ぐる!」(←訳:はい!)
ほんの短い間の、
偶然の出会い。
それきり会うこともないだろう、と
《わたし》は考えました。
ところが、8月、
またも子ども図書館の取材で上野に来た《わたし》の前に。
「あッ?」
「がるるぐる!」(←訳:喜和子さん!)
再びの出会いに、
親交は一気に進みます。
東京藝大の先の細い道を抜けた先の、
そこだけ江戸時代?な狭い家に《わたし》を招き、
喜和子さんは言ったのでした。
あんたに折り入って、頼みがある。
上野の図書館のことを書いてみないか。
「としょかんッ?」
「ぐる?」(←訳:書く?)
図書館――
《わたし》と喜和子さんを
はからずも結びつけたもの。
そして、
図書館を作ったひと、
育てたひと、
通ったひと、
そこで泣き、笑い、励まされたすべてのひと。
上野の図書館の、
いえ、あらゆる図書館の、
さらには喜和子さんと《わたし》の物語が、
ぐぅんと根を張り、
枝葉を伸ばしてゆきます。
書物の中に、
書庫の中に、
《わたし》の中に。
「いまもォ、つづいてまス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:図書館が見る夢!)
喜和子さんの夢は、
《わたし》の夢は、
何処へ漂い流れてゆくのか。
それを、図書館は知っているのか――
博物館、美術館、図書館、動物園が集う、
上野の山を愛する方々に、
そしてもちろん活字マニアさんに
心よりおすすめしたい《夢ものがたり》、
著者・中島さんに拍手を送りつつ、
どうか皆さま、ぜひ一読を♫