テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 旅するビーズたち ~

2022-06-03 23:17:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はッぴィ~じゅびりィ~!」

「がるる!ぐるるがるーる!」(←訳:虎です!華やかパレード!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 エリザベス2世女王在位70年を祝う《プラチナジュビリー》のため、

 英国はお祭りモードですね♪

 絢爛たる騎馬パレードに見惚れた後は、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

        ―― アイヌのビーズ ――

 

 

 編者は池谷和信(いけたに・かずのぶ)さん、

 2022年4月に発行されました。

 『美と祈りの二万年』と副題が付されています。

 

 アイヌ文化――

 と耳にして、私たちが先ず思い浮かべるのは、

 『金カム』こと『ゴールデンカムイ』でしょうか。

 

 先日完結したばかりの

 野田サトルさん作『ゴールデンカムイ』は、

 6月17日には第30巻が発売予定、

 現在は東京で『ゴールデンカムイ展』も行われていて、

 その後、展覧会は関西に巡回すると聞いております。

 

「だいぼうけんッ、なのでスゥ!」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:北の大地に風雲!)

 

 『ゴールデンカムイ』制作に際し野田サトルさんは、

 “カッコいいアイヌ“を描こうと考えた、といいます。

 

 そして、この御本では、

 よりリアルな、

 “アイヌのが受け継いできた美“、

 “アイヌが練り上げた美“が紹介されていますよ。

 

「たァ~くさんッ、あるんでスよゥ!」

「がーるるぐる!」(←訳:ビーズの種類!)

 

 ビーズにはさまざまな形状のものがあります。

 勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)、丸玉(まるたま)、

 平玉(ひらたま)、棗玉(なつめたま)、みかん玉、

 算盤玉(そろばんたま)、切子玉(きりこたま)、

 臼玉(うすたま)……

 

 何らかの素材に穴を開け、

 紐を通して身につける《ビーズ》は、

 北海道では旧石器時代(約3万年前~1.2万年前)に始まりました。

 

 その素材とは、

 貝、コハク、ヒスイ、石、動物の牙や角などなど。

 

 やがて3~4世紀になると、

 南(本州)・北(大陸)から

 東南アジアや中央アジアなどの

 アジア広域を原産とするガラスビーズがやって来て。

 

 このガラスビーズが

 北海道の地にすっかり根付き、

 アイヌのビーズ文化が熟成されてゆきます。

 

「がらすのォ、くびかざりィ~♪」

「ぐるる!」(←訳:綺麗だ!)

 

 ガラス玉の首飾りは、アイヌ語で

 『タマサイ』。

 

 御本の前半部分では、

 ビーズが出土した遺跡の分布図、

 ビーズの伝来の経緯、

 アイヌの物語の中のタマサイ、

 といったビーズをめぐる歴史が、

 そうして後半部分では

 世界のビーズ文化と

 アイヌのビーズ文化が

 クローズアップされてゆきます。

 

 図版資料も豊富で、

 特に冒頭のカラー写真のページは必見ですよ。

 ブルーの丸玉ビーズの、

 なんともいえない美しさ……!

 

「ひょうしのォ、たまさいィもッ!」

「がるるぐる……!」(←訳:深い青だね……!)

 

 歴史好きな活字マニアさんに、

 服飾アート好きな方々にも、

 おすすめのノンフィクション作品です。

 世界を旅するビーズたち、

 旅のはての地で

 ビーズたちの身に起こる変遷の記録を、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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