テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夏の日の《探し》旅 ~

2022-06-30 22:03:57 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうはァ~…そそそッ、そうたいせいィりろんッ??」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!相対性理論~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 1905年の6月30日、科学誌に

 アルベルト・アインシュタインさんが相対性理論を発表、

 なので今日6月30日は“相対性理論の日”だとか。

 そこで本日の読書タイムは、

 “理“を大いに意識させられるこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― コープス・ハント ――

 

 

 著者は下村敦史(しもむら・あつし)さん、

 単行本は2020年に、

 加筆修正された文庫版は2022年2月に発行されました。

 『Corpse Hunt』と英語題名が付されています。

 

「こォーぷスゥ? それはァ、もしやァ~…?」

「ぐるる!」(←訳:不吉だ!)

 

 英語のコープス(corpse)とは、

 日本語に訳すなら『死体』や、『遺体』、『亡骸』……

 あ、corpus candle もしくは corpse light には

 『人魂』の意味があるそうですよ。

 なんだかちょっと、不穏な言葉ではありますが。

 

 活字マニアさん&映画マニアさんは、

 corpse hunt=『死体探し』と耳にすれば、

 或る名作映画を思い浮かべるんじゃないかしら?

 

「それはァ、あのッ!」

「がるるるぐるるー!」(←訳:スタンドバイミー!)

 

 S・キングさん原作、ロブ・ライナーさん監督による

 映画『スタンド・バイ・ミー』(1986年)。

 一説ではキングさん自身の少年時代を投影したものだともいう、

 美しく、痛ましく、観る者の心を奪う物語でした。

 

 そして、現代の日本でも。

 少年たちは『死体探しの旅』に

 出発しようとしています。

 

「ええッ?? ほんきィ~でスかッ??」

「ぐるるるる~!」(←訳:止めようよ~!)

 

 少年のひとり、宗太(そうた)くんには、

 旅に出たい理由があります。

 

 宗太くんは、中学生ユーチューバー。

 再生回数を稼ぐためには、

 話題性のある企画が必要です。

 知人のユーチューバーから、

 ひと夏の冒険としちゃスリリングで面白そうだろ、

 と誘われて、宗太くんも『死体探し』に

 乗り出すことになったのでした。

 

 一方、

 宗太くんのあずかり知らぬところでは……?

 

「むむむゥ? こッちでもォ?」

「がるぐるる!」(←訳:探し始めた!)

 

 折笠望美(おりかさ・のぞみ)さんは、

 警察官として

 『死体探し』に臨んでいます。

 

 世間を震撼させた凶悪な事件の犯人が

 法廷で言い放ったのは――

 

   罪に問われているうちの一件は、

   俺の犯行じゃない。

 

「つまりィつまりィ??」

「がるるぐるるがる?」(←訳:犯人は他にもいる?)

 

 『スタンド・バイ・ミー』のように

 どこかのんびり気分で旅に出る宗太くんたち。

 観光や暇つぶしではなく

 あくまでもシリアスな折笠さん。

 

 ふたつの『死体探し』の道は、

 どこで交差し、どう帰着するのか。

 犯人を見出す“理“とは。

 

 ネタバレ厳禁、これ以上はお喋りできませんけれども、

 映画好きな方に、

 警察小説好きな活字マニアさんにも

 おすすめの長編ミステリ作品ですよ。

 夏の読書タイムに、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする