テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~  炎城 一閃 ~

2022-06-28 22:05:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぶんしんのォ~じゅつゥ、どろろんッ!」

「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!雲隠れの術~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 暑さにぐったり……な夏の読書タイムは、

 はい、フィクショナルでエンタな作品で、

 時間の彼方へひとっ飛びしてみましょう。

 さあ、本日はこちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

          ―― 焔ノ地 ――

 

 

 著者は結城充考(ゆうき・みつたか)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『天正伊賀之乱』と副題が付されています。

 『焔ノ地』は『ほむらのち』とお読みくださいね。

 

「てんしょうゥじだいィ~…!」

「ぐるがるるる!」(←訳:戦国ど真ん中!)

 

 天正年間は、西暦の1573年から1592年まで。

 いわゆる“戦国時代”の、

 真ん中、よりは、ほぼ終章、でしょうか。

 

 武田信玄さんも上杉謙信さんも、

 実力はあっても上洛はままならず、

 結局は織田信長さんの覇権が

 ほぼ見えてきた天正年間の、後半――

 天正六年(1578年)秋。

 

 伊賀の国に火の手が上がります。

 

「おしろがァ、もえてるゥ??」

「がるぐるるっ?」(←訳:敵襲ですかっ?)

 

 伊勢国から伊賀国へと向かう峠の道で、

 アラタこと

 新弥兵衛(あらた・やへえ)さんは

 目を瞠ります。

 

 まるで落ち武者みたいな侍連中と

 夜道で出会い、見逃してやった、と思ったら、

 おお、なんと、城に火の手が……!

 

 燃えているのは、

 伊賀国の中央を占める

 丸山(まるやま)に築かれた丸山城。

 

「たたたッ、たいへんッでスゥ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:消火しないと!)

 

 いえ、それが実は。

 火は、アラタさんの同郷人である

 伊賀国の衆によって放たれたもの、でした。

 

 伊賀国は、

 峻険な山々に囲まれ、

 領土広大とは言えませんけれども、

 重税を課す領主はいないためか、

 国人たちの暮らし向きは割合と豊かです。

 

 そして、そういう土地は――

 

「ねらわれェちゃうゥ!」

「がるるぐるるぅ!」(←訳:標的にされるぅ!)

 

 信長公の次男(のちの織田信雄)を

 養子に迎え入れたことによって、

 事実上、織田に乗っ取られた北畠家。

 

 北畠/織田家とは反対陣営の者たち。

 

 アラタさんたち伊賀の者。

 

 さらには、伊賀とはあんまり……いえ、

 とても仲がよろしくない甲賀の国人。

 

 さまざまな勢力、思惑や欲を巻き込んで、

 伊賀国に次々と火の手が、

 騒乱が起こってゆきます。

 丸山城の焔は、その騒乱の中の

 小さな火花に過ぎなかったのでした。

 

「どうやッてェ、たたかおうゥ?」

「ぐるるがる!」(←訳:相手は強大!)

 

 伊賀の里に育ったアラタさんは、

 忍者、忍術使い、

 それとも、現代風に謂うなら、

 傭兵、でしょうか。

 そんな“特殊なスキル“を有する彼ら伊賀者の、

 闘いの行き先は……?

 

 NHK BSプレミアムのドラマ班さんで映像化してほしいなぁ♪

 と思わされる長編作品は、

 時代&歴史小説好きな方々に

 激おすすめですよ。

 夏の夜の読書タイムに、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

コメント
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