「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぶんしんのォ~じゅつゥ、どろろんッ!」
「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!雲隠れの術~!)
こんにちは、ネーさです。
暑さにぐったり……な夏の読書タイムは、
はい、フィクショナルでエンタな作品で、
時間の彼方へひとっ飛びしてみましょう。
さあ、本日はこちらの御本を、どうぞ~♫
―― 焔ノ地 ――
著者は結城充考(ゆうき・みつたか)さん、
2022年3月に発行されました。
『天正伊賀之乱』と副題が付されています。
『焔ノ地』は『ほむらのち』とお読みくださいね。
「てんしょうゥじだいィ~…!」
「ぐるがるるる!」(←訳:戦国ど真ん中!)
天正年間は、西暦の1573年から1592年まで。
いわゆる“戦国時代”の、
真ん中、よりは、ほぼ終章、でしょうか。
武田信玄さんも上杉謙信さんも、
実力はあっても上洛はままならず、
結局は織田信長さんの覇権が
ほぼ見えてきた天正年間の、後半――
天正六年(1578年)秋。
伊賀の国に火の手が上がります。
「おしろがァ、もえてるゥ??」
「がるぐるるっ?」(←訳:敵襲ですかっ?)
伊勢国から伊賀国へと向かう峠の道で、
アラタこと
新弥兵衛(あらた・やへえ)さんは
目を瞠ります。
まるで落ち武者みたいな侍連中と
夜道で出会い、見逃してやった、と思ったら、
おお、なんと、城に火の手が……!
燃えているのは、
伊賀国の中央を占める
丸山(まるやま)に築かれた丸山城。
「たたたッ、たいへんッでスゥ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:消火しないと!)
いえ、それが実は。
火は、アラタさんの同郷人である
伊賀国の衆によって放たれたもの、でした。
伊賀国は、
峻険な山々に囲まれ、
領土広大とは言えませんけれども、
重税を課す領主はいないためか、
国人たちの暮らし向きは割合と豊かです。
そして、そういう土地は――
「ねらわれェちゃうゥ!」
「がるるぐるるぅ!」(←訳:標的にされるぅ!)
信長公の次男(のちの織田信雄)を
養子に迎え入れたことによって、
事実上、織田に乗っ取られた北畠家。
北畠/織田家とは反対陣営の者たち。
アラタさんたち伊賀の者。
さらには、伊賀とはあんまり……いえ、
とても仲がよろしくない甲賀の国人。
さまざまな勢力、思惑や欲を巻き込んで、
伊賀国に次々と火の手が、
騒乱が起こってゆきます。
丸山城の焔は、その騒乱の中の
小さな火花に過ぎなかったのでした。
「どうやッてェ、たたかおうゥ?」
「ぐるるがる!」(←訳:相手は強大!)
伊賀の里に育ったアラタさんは、
忍者、忍術使い、
それとも、現代風に謂うなら、
傭兵、でしょうか。
そんな“特殊なスキル“を有する彼ら伊賀者の、
闘いの行き先は……?
NHK BSプレミアムのドラマ班さんで映像化してほしいなぁ♪
と思わされる長編作品は、
時代&歴史小説好きな方々に
激おすすめですよ。
夏の夜の読書タイムに、
ぜひ、一読してみてくださいね~♫