テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 江戸の窓から、銀河を眺む ~

2022-06-23 23:32:42 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪ばァ~げェ~んッ♪」

「がるる!ぐるるがるぐっるる!」(←訳:虎です!欲しいものいっぱい!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 6月も下旬になって、夏物バーゲンセール開始!ですね。

 バギージーンズが良いなぁ~♫サンダルも欲しいぞぉ♫

 などと妄想を愉しみつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~!

  

 

 

         ―― 江戸の宇宙論 ――

 

 

 著者は池内了(いけうち・さとる)さん、

 2022年3月に発行されました。

 日本の、特に江戸時代後期に於ける科学の展開をテーマにした

 ノンフィクション作品です。

 

「えどじだいィとォ、かがくゥ~…?」

「ぐるるるがるる?」(←訳:結びつくのかな?)

 

 そうね、江戸時代って、なんとな~く

 停滞していて、古臭くて、時代遅れで、閉鎖的で……と、

 ネガティヴなイメージがなくもありません。

 

 しかし、私ネーさは大河ドラマ『青天を衝け』で学びました。

 江戸の時代は、必ずしも“古臭くて閉鎖的”ではない、と。

 

「かいがいのォ、じょうほうゥ~!」

「がるぐぅっる!」(←訳:常にチェック!)

 

 国が鎖国政策を敷いていても、

 長崎経由で入ってくる僅かな情報を基礎に、

 独自の《宇宙論》を組み立ててゆく――

 

 著者・池内さんが

 この御本で

 “江戸の天才“として挙げているのは、

 3人の“在野“の研究家さんです。

 

 絵師として広く知られる

 司馬江漢(しば・こうかん)さん(1747~1818)。

 

 ニュートン力学を日本に最初に紹介した

 志筑忠雄(しづき・ただお)さん(1748~1821)。

 

 豪商『升屋』の番頭を勤める

 山片蟠桃(やまがた・ばんとう)さん(1798~1802)。

 

「むむッ? ふくぎょうゥ、でスかッ?」

「ぐるるがる?」(←訳:科学者は副業?)

 

 本業か、副業なのか、という意識/認識を、

 そもそも彼らは持っていなかったのかもしれません。

 

 著者・池内さんは、司馬江漢さんを

 万能の天才――ルネッサンスマン的な人物と

 捉えているようです。

 

 蘭学を手掛かりに、

 彼ら江戸時代の科学者さんたちが突き詰めてゆくのは、

 地動説の受容、

 太陽が中心にあって周囲を回転する地球

 というイメージを描くこと、

 恒星・衛星・彗星・動力・遠心力・真空

 といった天文学用語を作ること、

 無限宇宙論

(宇宙は有限ではなく無限の広がりを持つという考え方)

 を提示すること……

 

 これはもう、時代遅れやら古臭いやらじゃないわね。

 光速度の測定、

 惑星の順行と逆行、

 太陽系の形成過程モデル、

 などの図形を目にすると、

 《19世紀初頭、日本の天文学は驚くべき水準だった》

 と御本の帯に書かれているのも、

 

「うむッ! そのォとうりィ~!」

「がるるっるるる!」(←訳:スゴかったんだ!)

 

 と、大いに納得出来ちゃいますね。

 

 著者・池内さんは

 3人の天文学者さんの功績と生涯を

 第一章『蘭学の時代』

 第二章『長崎通詞の宇宙』

 第三章『金貸し番頭の宇宙』

 終章『歴史の妙』

 と4つの章で語ってゆきます。

 

 19世紀の日本で、

 史料は少なく、ろくな機材もない中、

 3人の“天才“が想い描いた宇宙とは。

 

 理系ノンフィクション好きな方々に、

 歴史好きな方々に、

 おすすめの新書です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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