「こんにちわッ、テディちゃでス!
♪るるゥ~♪ばァ~げェ~んッ♪」
「がるる!ぐるるがるぐっるる!」(←訳:虎です!欲しいものいっぱい!)
こんにちは、ネーさです。
6月も下旬になって、夏物バーゲンセール開始!ですね。
バギージーンズが良いなぁ~♫サンダルも欲しいぞぉ♫
などと妄想を愉しみつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~!
―― 江戸の宇宙論 ――
著者は池内了(いけうち・さとる)さん、
2022年3月に発行されました。
日本の、特に江戸時代後期に於ける科学の展開をテーマにした
ノンフィクション作品です。
「えどじだいィとォ、かがくゥ~…?」
「ぐるるるがるる?」(←訳:結びつくのかな?)
そうね、江戸時代って、なんとな~く
停滞していて、古臭くて、時代遅れで、閉鎖的で……と、
ネガティヴなイメージがなくもありません。
しかし、私ネーさは大河ドラマ『青天を衝け』で学びました。
江戸の時代は、必ずしも“古臭くて閉鎖的”ではない、と。
「かいがいのォ、じょうほうゥ~!」
「がるぐぅっる!」(←訳:常にチェック!)
国が鎖国政策を敷いていても、
長崎経由で入ってくる僅かな情報を基礎に、
独自の《宇宙論》を組み立ててゆく――
著者・池内さんが
この御本で
“江戸の天才“として挙げているのは、
3人の“在野“の研究家さんです。
絵師として広く知られる
司馬江漢(しば・こうかん)さん(1747~1818)。
ニュートン力学を日本に最初に紹介した
志筑忠雄(しづき・ただお)さん(1748~1821)。
豪商『升屋』の番頭を勤める
山片蟠桃(やまがた・ばんとう)さん(1798~1802)。
「むむッ? ふくぎょうゥ、でスかッ?」
「ぐるるがる?」(←訳:科学者は副業?)
本業か、副業なのか、という意識/認識を、
そもそも彼らは持っていなかったのかもしれません。
著者・池内さんは、司馬江漢さんを
万能の天才――ルネッサンスマン的な人物と
捉えているようです。
蘭学を手掛かりに、
彼ら江戸時代の科学者さんたちが突き詰めてゆくのは、
地動説の受容、
太陽が中心にあって周囲を回転する地球
というイメージを描くこと、
恒星・衛星・彗星・動力・遠心力・真空
といった天文学用語を作ること、
無限宇宙論
(宇宙は有限ではなく無限の広がりを持つという考え方)
を提示すること……
これはもう、時代遅れやら古臭いやらじゃないわね。
光速度の測定、
惑星の順行と逆行、
太陽系の形成過程モデル、
などの図形を目にすると、
《19世紀初頭、日本の天文学は驚くべき水準だった》
と御本の帯に書かれているのも、
「うむッ! そのォとうりィ~!」
「がるるっるるる!」(←訳:スゴかったんだ!)
と、大いに納得出来ちゃいますね。
著者・池内さんは
3人の天文学者さんの功績と生涯を
第一章『蘭学の時代』
第二章『長崎通詞の宇宙』
第三章『金貸し番頭の宇宙』
終章『歴史の妙』
と4つの章で語ってゆきます。
19世紀の日本で、
史料は少なく、ろくな機材もない中、
3人の“天才“が想い描いた宇宙とは。
理系ノンフィクション好きな方々に、
歴史好きな方々に、
おすすめの新書です。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪