「こんにちわッ、テディちゃでス!
おおッ? あれはッ!」
「がるる!ぐるがるぐるぅ~」(←訳:虎です!七夕飾りだよぅ~)
こんにちは、ネーさです。
あちこちで七夕祭の飾りが目につく時季になりましたね。
2022年は各地で花火大会やお祭りが復活できるかな?
と心待ちにしながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫
―― わたしたちが描いたアニメーション『平家物語』 ――
著者は高野文子(たかの・ふみこ)さん、
山田尚子(やまだ・なおこ)さん、
2022年3月に発行されました。
深夜放送ながら大きな反響があったアニメーション作品
『平家物語』制作のエピソードや、
監督を務めた山田尚子さんのエッセイ、
高野文子さんと山田さんの対談他が収録されています。
「てれびィでェ、げんぺいィ~がッせんッ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:ドラマとアニメで!)
NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は
いうなれば“源氏の一族”の物語で、
アニメーション『平家物語』は、
“平家一門“の物語。
源家と平家それぞれのファミリーのドラマが、
同時期に放送されるなんて奇遇だ、とも
話題になりました。
……しかし!
アート好きな方々は、別の面で、
おお!と感激したことでしょう。
なぜって、
キャラクター原案が、あの!
高野文子さん!!
『絶対安全剃刀』の、『おともだち』の、
『るきさん』の、『ドミトリーともきんす』の、
あの高野文子さんが、アニメのキャラ原案を……!
「んもうッ、わくわくゥ!」
「がるぐる!」(←訳:胸熱です!)
放送された『平家物語』をご覧になった方々は、
うん!確かに高野文子さんっぽい絵だ!
と思われたでしょうが、
この御本に載っている
高野さんによる『初期のスケッチ』は
本当に素晴らしくて、
この線をこのまま動かしたい!と
こころがゾワゾワしてきます。
完成したアニメ作品は、
どうしてもアニメの線というか、
“セル画のような線と塗り“、になっていて、
高野さんの画調とは異なる部分もあったのですが、
スケッチは高野さんの画風そのもの!
22~23ページの『びわ』。
29~31ページの『平徳子』。
49ページの『平清経(きよつね)』。
そして、65ページの『安徳天皇』。
特に、安徳天皇の1才の図、6才の図は、
これこそが『平家物語』の真髄ではなかろうかと、
時間を忘れて見入ってしまいます。
「ぎおんしょうじゃのォ、かねのこえェ~…」
「ぐるるるるがるる……」(←訳:諸行無常の響あり……)
いかに栄華を極めても、
すべては春の夜の夢。
この御本には、
巻頭に『平家物語』成立の経緯、
また、アニメーション『平家物語』のあらすじ、
『山田尚子監督日記』や、
最終的なデザインを決定してゆく過程など、
完成された作品をみただけでは分からない
制作の裏側が記されています。
アニメ好きな方々はもちろん、
高野文子さんのファンの方々は必読ですよ。
書店さんのアート本のコーナー、
もしくは映画・TV・映像関連本のコーナーで、
ぜひ、探してみてくださいね~♪