テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 唯春の夜の夢のごとし ~

2022-06-21 23:25:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおッ? あれはッ!」

「がるる!ぐるがるぐるぅ~」(←訳:虎です!七夕飾りだよぅ~)

 

 こんにちは、ネーさです。

 あちこちで七夕祭の飾りが目につく時季になりましたね。

 2022年は各地で花火大会やお祭りが復活できるかな?

 と心待ちにしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

 ―― わたしたちが描いたアニメーション『平家物語』 ――

 

 

 著者は高野文子(たかの・ふみこ)さん、

 山田尚子(やまだ・なおこ)さん、

 2022年3月に発行されました。

 

 深夜放送ながら大きな反響があったアニメーション作品

 『平家物語』制作のエピソードや、

 監督を務めた山田尚子さんのエッセイ、

 高野文子さんと山田さんの対談他が収録されています。

 

「てれびィでェ、げんぺいィ~がッせんッ!」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:ドラマとアニメで!)

 

 NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は

 いうなれば“源氏の一族”の物語で、

 アニメーション『平家物語』は、

 “平家一門“の物語。

 

 源家と平家それぞれのファミリーのドラマが、

 同時期に放送されるなんて奇遇だ、とも

 話題になりました。

 

 ……しかし!

 アート好きな方々は、別の面で、

 おお!と感激したことでしょう。

 

 なぜって、

 キャラクター原案が、あの!

 高野文子さん!!

 

 『絶対安全剃刀』の、『おともだち』の、

 『るきさん』の、『ドミトリーともきんす』の、

 あの高野文子さんが、アニメのキャラ原案を……!

 

「んもうッ、わくわくゥ!」

「がるぐる!」(←訳:胸熱です!)

 

 放送された『平家物語』をご覧になった方々は、

 うん!確かに高野文子さんっぽい絵だ!

 と思われたでしょうが、

 この御本に載っている

 高野さんによる『初期のスケッチ』は

 本当に素晴らしくて、

 この線をこのまま動かしたい!と

 こころがゾワゾワしてきます。

 

 完成したアニメ作品は、

 どうしてもアニメの線というか、

 “セル画のような線と塗り“、になっていて、

 高野さんの画調とは異なる部分もあったのですが、

 スケッチは高野さんの画風そのもの!

 

 22~23ページの『びわ』。

 29~31ページの『平徳子』。

 49ページの『平清経(きよつね)』。

 そして、65ページの『安徳天皇』。

 

 特に、安徳天皇の1才の図、6才の図は、

 これこそが『平家物語』の真髄ではなかろうかと、

 時間を忘れて見入ってしまいます。

 

「ぎおんしょうじゃのォ、かねのこえェ~…」

「ぐるるるるがるる……」(←訳:諸行無常の響あり……)

 

 いかに栄華を極めても、

 すべては春の夜の夢。

 

 この御本には、

 巻頭に『平家物語』成立の経緯、

 また、アニメーション『平家物語』のあらすじ、

 『山田尚子監督日記』や、

 最終的なデザインを決定してゆく過程など、

 完成された作品をみただけでは分からない

 制作の裏側が記されています。

 

 アニメ好きな方々はもちろん、

 高野文子さんのファンの方々は必読ですよ。

 書店さんのアート本のコーナー、

 もしくは映画・TV・映像関連本のコーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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