「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむッ? しょうげきのォ、さいしゅうゥかいィ~?」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!衝撃で笑撃~!)
こんにちは、ネーさです。
朝ドラ『虎に翼』が最終回を迎えましたね。
役者さんスタッフさん主題歌の米津さんに、
感謝とお疲れさまの拍手を送り、
轟太一くんにはもう会えないのかしらと涙しながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ギリシア悲劇余話 ――
著者は丹下和彦(たんげ・かずひこ)さん、
2024年6月に発行されました。
前回記事で御紹介しました『映画とポスターのお話』では、
宮崎駿さんの《風の谷のナウシカ》に触れましたね。
ならば、《ナウシカ》つながりで!
という次第で、
古代ギリシア文学の世界へ
飛翔してみましょう。
「ひめさまッ、とうじょうゥ~!」
「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:不審人物も登場だよ!)
古代ギリシアを舞台にしたさまざまな物語に於いて、
最も劇的な出来事は何だったか、というと、
それはやはり、
《トロイア戦争》
であったと申せましょうか。
ゼウスさんやヘラさん他、
神さまそれぞれの思惑。
人間たちの、野心と欲。
黄金のリンゴをきっかけに、
古代世界を揺るがす大戦争の火蓋が切られ、
どうにか勝敗はついたものの。
ここに、
取り残された男が、ひとり。
「わううゥ、おぼれちゃうゥでスよゥ!」
「がるるるぐるる~!」(←訳:ただいま難破中~!)
ギリシア軍は、みごとトロイア軍に勝利しました。
ですが、
勝者の”戦後”は、予想していなかったことばかり?
帰国の途に就いたギリシア軍の諸将たちは、
気分良く凱旋どころか、
災厄と困難に見舞われます。
知将オデュッセウスさんも、
我が家に帰り着く前に
観光旅行をちょっとだけ……のつもりだったのに。
「じゅうねんッ? いやッ、にじゅううねんッ!」
「がるるるがるる!」(←訳:ふらふら放浪旅!)
戦争に10年を費やし、
放浪に10年。
計20年。
トロイアに味方する神さまから呪われたとはいえ、
どれほどオデュッセウスびいきの人でも、
いい加減もう帰れよ~!と叱咤したくなる頃、
オデュッセウスさん、
スケリエという島に漂着しました。
知将の面影もないボロボロの姿で
浜辺に倒れ伏すオデュッセウスさんを救ったのは……
はい、せーの!
「ひめさまァ~!」
「ぐるるるる~!」(←訳:ナウシカ姫~!)
アルキノオス王の娘、ナウシカア姫。
彼女との出会いが、
オデュッセウスさんの旅を好転させます。
我が家へ。
妻ペネロペイアが待ってくれている、
なつかしの家へ。
「だめだめッ、まだァあんしんできないィでスよゥ!」
「がるるぐるるがるる!」(←訳:そこに最大の試練が!)
オデュッセウスさんの長~い旅、
その最後を締めくくる試練が
意味するものとは。
著者・丹下さんは、
ナウシカア(ナウシカ)姫に共鳴しつつ、
放浪者オデュッセウスさんの心理を
解析してゆきます。
そして、
アガメムノン一家、
オイディプス一族など、
古代ギリシア世界に名を馳せた者たちの、
波打つこころ模様も。
「ふゥ! ふくざつゥ~でス!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:複雑にして普遍的!)
もしもオデュッセウスさんが、
命の恩人・ナウシカ姫のもとに
留まっていたら……?
いやもしも、
トロイア戦争の結果が違っていたら、
オデュッセウスさんの旅は……?
古代ギリシアのエピソードが大好き!
という活字マニアさんに、
おすすめのエッセイ集ですよ。
歴史好き、特に古代史好きな方々も、
ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪