テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 古代の旅は、長く、はてなく ~

2024-09-27 22:03:50 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ? しょうげきのォ、さいしゅうゥかいィ~?」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!衝撃で笑撃~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 朝ドラ『虎に翼』が最終回を迎えましたね。

 役者さんスタッフさん主題歌の米津さんに、

 感謝とお疲れさまの拍手を送り、

 轟太一くんにはもう会えないのかしらと涙しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― ギリシア悲劇余話 ――

 

 

 著者は丹下和彦(たんげ・かずひこ)さん、

 2024年6月に発行されました。

 

 前回記事で御紹介しました『映画とポスターのお話』では、

 宮崎駿さんの《風の谷のナウシカ》に触れましたね。

 ならば、《ナウシカ》つながりで!

 という次第で、

 古代ギリシア文学の世界へ

 飛翔してみましょう。

 

「ひめさまッ、とうじょうゥ~!」

「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:不審人物も登場だよ!)

 

 古代ギリシアを舞台にしたさまざまな物語に於いて、

 最も劇的な出来事は何だったか、というと、

 それはやはり、

 《トロイア戦争》

 であったと申せましょうか。

 

 ゼウスさんやヘラさん他、

 神さまそれぞれの思惑。

 人間たちの、野心と欲。

 

 黄金のリンゴをきっかけに、

 古代世界を揺るがす大戦争の火蓋が切られ、

 どうにか勝敗はついたものの。

 

 ここに、

 取り残された男が、ひとり。

 

「わううゥ、おぼれちゃうゥでスよゥ!」

「がるるるぐるる~!」(←訳:ただいま難破中~!)

 

 ギリシア軍は、みごとトロイア軍に勝利しました。

 ですが、

 勝者の”戦後”は、予想していなかったことばかり?

 

 帰国の途に就いたギリシア軍の諸将たちは、

 気分良く凱旋どころか、

 災厄と困難に見舞われます。

 

 知将オデュッセウスさんも、

 我が家に帰り着く前に

 観光旅行をちょっとだけ……のつもりだったのに。

 

「じゅうねんッ? いやッ、にじゅううねんッ!」

「がるるるがるる!」(←訳:ふらふら放浪旅!)

 

 戦争に10年を費やし、

 放浪に10年。

 計20年。

 

 トロイアに味方する神さまから呪われたとはいえ、

 どれほどオデュッセウスびいきの人でも、

 いい加減もう帰れよ~!と叱咤したくなる頃、

 オデュッセウスさん、

 スケリエという島に漂着しました。

 

 知将の面影もないボロボロの姿で

 浜辺に倒れ伏すオデュッセウスさんを救ったのは……

 はい、せーの!

 

「ひめさまァ~!」

「ぐるるるる~!」(←訳:ナウシカ姫~!)

 

 アルキノオス王の娘、ナウシカア姫。

 彼女との出会いが、

 オデュッセウスさんの旅を好転させます。

 

 我が家へ。

 妻ペネロペイアが待ってくれている、

 なつかしの家へ。

 

「だめだめッ、まだァあんしんできないィでスよゥ!」

「がるるぐるるがるる!」(←訳:そこに最大の試練が!)

 

 オデュッセウスさんの長~い旅、

 その最後を締めくくる試練が

 意味するものとは。

 

 著者・丹下さんは、

 ナウシカア(ナウシカ)姫に共鳴しつつ、

 放浪者オデュッセウスさんの心理を

 解析してゆきます。

 

 そして、

 アガメムノン一家、

 オイディプス一族など、

 古代ギリシア世界に名を馳せた者たちの、

 波打つこころ模様も。

 

「ふゥ! ふくざつゥ~でス!」

「ぐるるるるがるる!」(←訳:複雑にして普遍的!)

 

 もしもオデュッセウスさんが、

 命の恩人・ナウシカ姫のもとに

 留まっていたら……?

 いやもしも、

 トロイア戦争の結果が違っていたら、

 オデュッセウスさんの旅は……?

 

 古代ギリシアのエピソードが大好き!

 という活字マニアさんに、

 おすすめのエッセイ集ですよ。

 歴史好き、特に古代史好きな方々も、

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

 

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