「こんにちわッ、テディちゃでス!
あれれッ? きゃくせきィ、がらがらァ~なのでスよゥ?」
「がるる!ぐる~??」(←訳:虎です!なぜ~??)
こんにちは、ネーさです。
大谷翔平さんがめでたくも46‐46を達成した
現地時間9月8日のドジャースタジアムは、
華氏103度(およそ39.4℃)……!
米国西海岸も猛暑なのね~と嘆息しながら、
さあ、¨重陽の節句¨の日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 作家とけもの ――
編者は野村麻里(のむら・まり)さん、
2024年2月に発行されました。
《動物》をテーマにしたアンソロジー作品です。
「わおォ! はばひろォ~いィ!」
「ぐるーるがるるる!」(←訳:ユニークなのです!)
ええ、この御本に収録されているのは29作品、
その著者さんたちの顔触れに唸らされます。
正岡子規さん、
吉家信子さん、
田中小実昌さん、
團伊玖磨さん、
南方熊楠さん、
金子みすゞさん、
須賀敦子さん、
朝永振一郎さん……
と、いかにも動物について
熱心に筆を揮いそうな御方もいれば、
ノーベル賞を受賞した物理学者・朝永さんも。
しかし、正直に言ってしまいますと、
練り上げられたプロの著述家さんの作品を
霞ませてしまうほど、
鳥肌が立ったのは、
澤田喜子さん著『動物園をおそう悲劇』。
「むかしばなしィ、じゃないィのでス!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:他人事でもないんだ!)
著者・澤田さん(1918~2004)は、
1940年から1982年まで
上野動物園に勤務した動物園職員さんです。
澤田さんがまだ新人職員だった昭和18年(1943年)8月、
東京都長官から動物園に命令が出されました。
猛獣の処分をするように、と。
或る朝、出勤した澤田さんに、
先輩職員さんは、
もうみんなに会えなくなるかもしれないから、
ゾウたちと記念写真を撮ろう、と誘います。
澤田さんは問いました。
ゾウたちを疎開させるんですか?
返ってきた答えは……。
「にどとォ、だめェでス!」
「ぐるるるるぅがるるる!」(←訳:繰り返しちゃいけない!)
戦争が動物たちに何をしたか。
よく知られた話ではありますが、
現在の世界情勢を見るにつけ、
過去のことだと言い切れなくなってきます。
そして、もう一編、
読み手を打ちのめすほどに
切々と哀しいのは、
立原道造さん著『もし鳥だつたなら』。
「しじんさんッ、でスねッ!」
「がるるるるぐるがっるる!」(←訳:建築家さんでもあったよ!)
結核のため、24歳で旅立った立原さんの、
夢のような、
慟哭のような
一期の歌。
動物好きな活字マニアさんに、
詩歌好きな方々にも
おすすめのアンソロジー作品です。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね。