「こんにちわッ、テディちゃでス!
ひゃあッ! かみなりィ~ッ?」
「がるる!ぐるるがるぅ!」(←訳:虎です!大雨も来たぁ!)
こんにちは、ネーさです。
今日9月18日は満月……《ハーヴェストムーン》ですね。
雨雲のはるか上の、空の彼方で輝くお月さまを想像しながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― シャーロック・ホームズの誤謬 ――
著者はピエール・バイヤールさん、
原著は2008年に、
画像の日本語文庫版は2023年2月に発行されました。
仏語原題は『L'AFFAIRE DU CHIEN DES BASKERVILLE』、
『バスカヴィル家の犬 再考』と日本語副題が付されています。
「むむむむゥ! でたなァ、ようかいィ!」
「ぐるるるるぅ!」(←訳:負けないぞぉ!)
はいはい、テディちゃも虎くんも、落ち着いて。
とはいっても、
全世界の《名探偵ホームズ》氏ファンの方々は
落ち着いてはいられないかもしれませんね。
著者・バイヤールさんは、
『アクロイドを殺したのは誰か』という作品で
ミステリ好きな方々によく知られている御方です。
A・クリスティーさんの名著『アクロイド殺人事件』に於ける、
エルキュール・ポアロ氏の推理に異議あり!
と主張し、独自の推論を展開したことで
読書界に名を馳せたバイヤールさんの
新たなターゲットは……
我らがホームズさん!
「ふふゥ~んだッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:来るなら来い!)
長編作品『バスカヴィル家の犬』(1902)。
バスカヴィル家を祟る魔犬の伝説と、
当主の急逝。
そして、新大陸からやって来た新当の身辺に、
怪しい出来事が……?
事件の捜査&解決にあたるのは、
もちろん、ホームズ氏と盟友ワトソン医師!
¨シャーロッキアン¨と呼ばれる
ホームズさんのファン諸氏が高く評価するこの物語に、
バイヤールさん、
遠慮会釈なくダメ出ししまくります。
「んもうゥ、しつれいィなッ!」
「ぐるがるるる~!」(←訳:礼儀知らずめ~!)
バイヤールさんいわく。
ホームズさんの推理は間違っている。
はっきり、誤謬(ごびゅう)がある。
バスカヴィル家で何が起きたのか、
根本的な認識が間違っている。
では、どこがどう間違っているのか、の詳細は、
ネタバレを回避するため、
残念ながら、ここで書くことは出来ません。
ただ、私ネーさ個人の感想を
ちょつとだけ記しておきますと……
¨まず間違いありき¨
なバイヤールさんの姿勢が気にかかります。
ホームズさんは間違っている、
と前提して
論理をぐいぐい進めてゆくものですから、
読み進むごと増してゆくのは、不安と不審。
なるほど、ホームズさんもミスをするかもしれない。
でも、だからといって、
バイヤールさんの考察が正しいとは、限らないはず。
どちらが正しいとか
間違っているとかよりも、
事件の真相は、もしかしたら、
まったく別のところに……?
「しんじつはァ、やぶのォなかでスゥ!」
「がるぐるるるがる!」(←訳:いや大沼の底だよ!)
フェアか、アンフェアか。
正論か、言い掛かりか。
近代文学史上きっての名著をめぐる
愉しい推理合戦は、
シャレが解るミステリ好きさんにおすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪