テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 正論? それとも? ~

2024-09-18 22:03:47 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひゃあッ! かみなりィ~ッ?」

「がるる!ぐるるがるぅ!」(←訳:虎です!大雨も来たぁ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日9月18日は満月……《ハーヴェストムーン》ですね。

 雨雲のはるか上の、空の彼方で輝くお月さまを想像しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― シャーロック・ホームズの誤謬 ――

 

 

 著者はピエール・バイヤールさん、

 原著は2008年に、

 画像の日本語文庫版は2023年2月に発行されました。

 仏語原題は『L'AFFAIRE DU CHIEN DES BASKERVILLE』、

 『バスカヴィル家の犬 再考』と日本語副題が付されています。

 

「むむむむゥ! でたなァ、ようかいィ!」

「ぐるるるるぅ!」(←訳:負けないぞぉ!)

 

 はいはい、テディちゃも虎くんも、落ち着いて。

 とはいっても、

 全世界の《名探偵ホームズ》氏ファンの方々は

 落ち着いてはいられないかもしれませんね。

 

 著者・バイヤールさんは、

 『アクロイドを殺したのは誰か』という作品で

 ミステリ好きな方々によく知られている御方です。

 

 A・クリスティーさんの名著『アクロイド殺人事件』に於ける、

 エルキュール・ポアロ氏の推理に異議あり!

 と主張し、独自の推論を展開したことで

 読書界に名を馳せたバイヤールさんの

 新たなターゲットは……

 我らがホームズさん!

 

「ふふゥ~んだッ!」

「がるるるぐる!」(←訳:来るなら来い!)

 

 長編作品『バスカヴィル家の犬』(1902)。

 

 バスカヴィル家を祟る魔犬の伝説と、

 当主の急逝。

 そして、新大陸からやって来た新当の身辺に、

 怪しい出来事が……?

 

 事件の捜査&解決にあたるのは、

 もちろん、ホームズ氏と盟友ワトソン医師!

 

 ¨シャーロッキアン¨と呼ばれる

 ホームズさんのファン諸氏が高く評価するこの物語に、

 バイヤールさん、

 遠慮会釈なくダメ出ししまくります。

 

「んもうゥ、しつれいィなッ!」

「ぐるがるるる~!」(←訳:礼儀知らずめ~!)

 

 バイヤールさんいわく。

 

 ホームズさんの推理は間違っている。

 はっきり、誤謬(ごびゅう)がある。

 バスカヴィル家で何が起きたのか、

 根本的な認識が間違っている。

 

 では、どこがどう間違っているのか、の詳細は、

 ネタバレを回避するため、

 残念ながら、ここで書くことは出来ません。

 

 ただ、私ネーさ個人の感想を

 ちょつとだけ記しておきますと……

 

 ¨まず間違いありき¨

 

 なバイヤールさんの姿勢が気にかかります。

 

 ホームズさんは間違っている、

 と前提して

 論理をぐいぐい進めてゆくものですから、

 読み進むごと増してゆくのは、不安と不審。

 

 なるほど、ホームズさんもミスをするかもしれない。

 でも、だからといって、

 バイヤールさんの考察が正しいとは、限らないはず。

 

 どちらが正しいとか

 間違っているとかよりも、 

 事件の真相は、もしかしたら、

 まったく別のところに……?

 

「しんじつはァ、やぶのォなかでスゥ!」

「がるぐるるるがる!」(←訳:いや大沼の底だよ!)

 

 フェアか、アンフェアか。

 正論か、言い掛かりか。

 

 近代文学史上きっての名著をめぐる

 愉しい推理合戦は、

 シャレが解るミステリ好きさんにおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

コメント
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