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嗚呼!とテディちゃは嘆息するのであった……!
「なんてェ、すごいィんだろうッ!」
発端は、例によってネーさが見つけ出してきた、とある御本なのだった。
―― ブラウン・ダイアリー ――
brown diary
著者は奥川純一さん、’02年5月に発行されていたのだと、
じっくり眺めては感動に打ち震えるテディちゃである。
「すごいィなァ……! かッこいィなァ……!」
何がテディちゃを斯くも陶然とさせているのか?
何故にテディちゃは溜め息を連発しているのか?
他でもない、それは、この御本に掲載された素晴らしい写真が原因なのだった。
テディベア、『ブラウン』くんの、お写真である!!
「どォしてェ、こんなにィ、かッこいィんだろうッ?」
写真集に、説明の文章は一行たりとて、無い。
ただそこに、クマのブラウンくんがいるだけ、である。
なのに!
この、写真一葉ごとに息づく《物語》は、何なのだ?
そしてまた!
ブラウンくんの豊かな表情は、どうしたことだ!
一言も喋っておらぬのに、
愛らしい呟きが今にも耳に聞こえてきそうではないか!
同じテディ族でありながら、この違いは、いったいなぜ……?!
「き、きッとォ、ネーさのォ、うでがァ、わるいのでス……!」
……ネーさの写真技術の未熟さに怒りをぶつけるテディちゃである。
「で、でもォ、それだけじゃァ、ないかもッ?」
よくよく見遣れば、ブラウンくん、絶妙なバランスではなかろうか。
頭部の大きさ、胴の形、足の長さ。
理想的な骨格、否、テディ格であるようだ。
だからこそ、
パジャマを着て佇んでいる後ろ姿に、
ケロリンの黄色い洗い桶に張った湯にとっぷり浸かるその姿に、
言葉を超えた《何か》を訴える力がある、のだろうか。
「いいなァ、ぶらうんくんン……」
羨望するテディちゃ、なのだった。
「テディちゃもォ、なりたいィ、ぶらうんくん、みたいィにィ……!」
ぐぐっと拳を握り締めて天を仰ぐテディちゃ、である。
「テディちゃもォ、なろうッ、ぶらうんくん、みたいィにッ!
そうだよッ、
テディちゃもォ、めざそうッ、ぶらうんくんをッ……!!」
目指そう! テディベア写真界の輝ける星、ブラウンくんを!
師と慕おう! おしゃまでおしゃれなブラウンくんを!
いつかテディちゃも、スターベアの仲間入りをするのだ!
「そうだッ!
いいことォ、おもいついィちゃッたッ!
ぶらうんくんをォ、たずねてェ、さいん、もらおうッ♪」
テディちゃ、雄々しく立ち上が――
(ぽてっ)
「あァいたッ!
こけちゃッたァ……!
ひざがァ、すりむけちゃッたよゥ~! うえェェ~んッ!」
…………偉大なるテディへの道は、遠い。
「なんてェ、すごいィんだろうッ!」
発端は、例によってネーさが見つけ出してきた、とある御本なのだった。
―― ブラウン・ダイアリー ――
brown diary
著者は奥川純一さん、’02年5月に発行されていたのだと、
じっくり眺めては感動に打ち震えるテディちゃである。
「すごいィなァ……! かッこいィなァ……!」
何がテディちゃを斯くも陶然とさせているのか?
何故にテディちゃは溜め息を連発しているのか?
他でもない、それは、この御本に掲載された素晴らしい写真が原因なのだった。
テディベア、『ブラウン』くんの、お写真である!!
「どォしてェ、こんなにィ、かッこいィんだろうッ?」
写真集に、説明の文章は一行たりとて、無い。
ただそこに、クマのブラウンくんがいるだけ、である。
なのに!
この、写真一葉ごとに息づく《物語》は、何なのだ?
そしてまた!
ブラウンくんの豊かな表情は、どうしたことだ!
一言も喋っておらぬのに、
愛らしい呟きが今にも耳に聞こえてきそうではないか!
同じテディ族でありながら、この違いは、いったいなぜ……?!
「き、きッとォ、ネーさのォ、うでがァ、わるいのでス……!」
……ネーさの写真技術の未熟さに怒りをぶつけるテディちゃである。
「で、でもォ、それだけじゃァ、ないかもッ?」
よくよく見遣れば、ブラウンくん、絶妙なバランスではなかろうか。
頭部の大きさ、胴の形、足の長さ。
理想的な骨格、否、テディ格であるようだ。
だからこそ、
パジャマを着て佇んでいる後ろ姿に、
ケロリンの黄色い洗い桶に張った湯にとっぷり浸かるその姿に、
言葉を超えた《何か》を訴える力がある、のだろうか。
「いいなァ、ぶらうんくんン……」
羨望するテディちゃ、なのだった。
「テディちゃもォ、なりたいィ、ぶらうんくん、みたいィにィ……!」
ぐぐっと拳を握り締めて天を仰ぐテディちゃ、である。
「テディちゃもォ、なろうッ、ぶらうんくん、みたいィにッ!
そうだよッ、
テディちゃもォ、めざそうッ、ぶらうんくんをッ……!!」
目指そう! テディベア写真界の輝ける星、ブラウンくんを!
師と慕おう! おしゃまでおしゃれなブラウンくんを!
いつかテディちゃも、スターベアの仲間入りをするのだ!
「そうだッ!
いいことォ、おもいついィちゃッたッ!
ぶらうんくんをォ、たずねてェ、さいん、もらおうッ♪」
テディちゃ、雄々しく立ち上が――
(ぽてっ)
「あァいたッ!
こけちゃッたァ……!
ひざがァ、すりむけちゃッたよゥ~! うえェェ~んッ!」
…………偉大なるテディへの道は、遠い。
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