テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 春を招く、平安夢語り ~

2024-02-04 22:05:16 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 りッしゅゥ~んッ!」

「がるる!ぐるがる~」(←訳:虎です!立春大吉~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2024年の立春は、今日2月4日。

 おやつはピンク色の桜餅にしようかなぁ~などと思い巡らしつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 陰陽師 烏天狗ノ巻 ――

 

 

 著者は夢枕獏(ゆめまくら・ばく)さん、

 2023年10月に発行されました。

 《陰陽師》シリーズ第18作となるこの御本の幕開けは――

 

「かッ、かゆいィィィ~ッ」

「ぐるるる~!」(←訳:痒いよう~!)

 

 題名を、

 『兼家奇々搔痒(かねいえききかいかい)』。

 

 ええ、そうです。

 藤原兼家(かねいえ)さんは、

 宮中でも最大最強の権力者であり、

 後世では藤原道長さんのパパとしても知られる

 政治家さんですけれど……

 

 お肌が、身体が痒い。

 頭皮、いや、頭の内側も、痒い。

 どこもかしこも痒くて痒くて。

 

   助けてくだされ、清明くん!

 

「ううゥ、どうじょうゥしちゃうゥ~でス!」

「がるっるぐるるるる~!」(←訳:痒いってツライよね~)

 

 痛いとか、ヒリヒリするとか、熱いとか、

 数々ある“つらい症状“の中でも

 際立って病人本人を苦悩させる“、痒み“。

 

 兼家さん、思わず言ってしまうのです。

 

   清明よ。

   ぬしが駄目なら、もう、このわしは、

   痒み死にするしかないということではないか。

 

「おだいじんさまァ、おちついてッ!」

「ぐるるるるがるるぐるるる!」(←訳:清明さんが治してくれるよ!)

 

 さっそく清明さんが命じたのは、

 竈(かまど)から、手桶に灰を持ってくること。

 

 その灰を、中央に座す兼家さんの周囲に、ハラリ。

 もう一回、ハラリ。

 と、二重の円を描き、

 呪(しゅ)を唱えてゆくと。

 

「ぎゃッ! はいィがッ!」

「がるる……!」(←訳:動いた……!)

 

 はてしない痒みと、灰の謎。

 

 大政治家・兼家さんも形なし?な一篇から、

 シリーズのファン諸氏を驚かせた『梅道人(むめどうじん)』、

 蘆屋道満さんが登場する『殺生石(せっしょうせき)』など、

 短編8作品が収録されています。

 

 また、巻末の『あとがき 釣り小屋にて』も、

 ファンの方々はしっかりチェックしてくださいね。

 山崎賢人さん&染谷将太さん出演の

 映画『陰陽師0』公開も待たれますが、

 まずは本家の、小説《陰陽師》シリーズ最新作を

 ぜひ、一読してくださいね~!

 

 

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