テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

キライ!なままでは終わらせない!

2019-08-11 22:31:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 なつのォどらまはァ~これけいィ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!面白いよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今期のTVドラマでイチ推ししたいのは
 『これは経費で落ちません!』(NHK・金曜夜10時~)。
 経理のお仕事がこれほどエンタだったとは!
 と驚かされる快作ですよ。
 そして、本日の読書タポジティブに大転換するエンタな絵本を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
        ―― ころべばいいのに ――



 著者はヨシタケシンスケさん、2019年6月に発行されました。
 『りんごかもしれない』『みえるとかみえないとか』
 『おしっこちょっぴりもれたろう』といった絵本作品や、
 書籍の装画や挿絵作品などで
 活字マニアさんにはすっかりお馴染みのクリエイター
 ヨシタケさんの最新作です。

「だッ、だいめいィがァ~!」
「ぐるるがるっ!」(←訳:なんか怖いっ!)

 そうですねぇ~…
 『ころべないいのに』って、
 まるで“呪いを放ってやる!”みたいな感じで、
 ギョッとさせられます。

 本文の文章もね、

  《わたしには きらいなひとがいる。》

 から始まっているものですから、
 絵本なのにずいぶんとネガティブだわ……と、
 ドン引きしそうになりますが、
 主人公の女の子は
 同時にこう思うのです。

  《ああ、だれかを にくんでいるじかんが もったいない!》

「ふァいッ! そのォとおりィ~!」
「がるぐる!」(←訳:賛成です!)

 そうね、そうよね、
 時間は貴重だわ。
 誰かを呪って一日中重苦しく過ごすよりは、
 本を読んだりTVを見たりゲームをしたり、
 楽しく明るく過ごす方がいいじゃない?
 散歩をしたり、
 きれいな景色に感動するのもステキじゃない?
 
 ……でもね……
 ネガティブな感情って、
 なかなか消えてくれなくて。

「うむゥ~…しつこいィのでッス!」
「ぐるるるがるるるるる!」(←訳:ヤツらはしぶといんだ!)

 じゃあ、そんな時はどうしようかなぁ?
 と、女の子は考えを巡らせます。

  《いしにつまずいて ころべないいのに。》

 と、イヤなことをするイヤなヤツを、
 お腹の中で呪うよりも、
 
  《なんでもないことや
   だれかのひとことで
   きゅうに きもちが もとにもどる、
   ってことも、あるわよね。》

 と楽観してみたり。

  《まあ、でも、
   ダメなときは、
   なにをやっても ダメよね――。》

 と悲観もしてみたり。

 そう、ネガティブな感情って、
 人間の手には負えない
 “突然の土砂降り”のようなもの、だけれど。

「どんなァおてんきィもォ~」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:備えあれば憂いなし!)

 へこんだ心を元に戻すために、
 イヤな気分を吹き飛ばすために、
 どう振る舞い、
 どう考えるか。

 自分のパワーを、
 憎悪ではない方向へ持って行く方法、とは。

「おしえてェもらおうッ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:ヨシタケさんに!)

 知恵と勇気、
 ユーモアと柔軟性。
 
 著者・ヨシタケさんが考案する
 ネガティブ思考からの脱出方法は、
 うんうん!だよね!と
 にこにこしながら頷けるものばかり。

「うッふッふッ♪」
「がるる♫」

 この御本は、
 書店さんではおそらく
 児童書のコーナーに配架されているのでしょうけれど、
 大人さんにも子どもさんたちにも
 おすすめしたい一冊です。

 慌ただしいお盆休みの最中、
 もしも本屋さんに寄る時間が確保できるなら、
 どうか皆さま、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪




 
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夏は、《こびとづかん》を川崎市で。

2019-08-10 22:03:56 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうゥはァ、はちがつゥとおかァなのでェ~」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ハトの日です!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、今日8月10日は《鳩の日》!
 お菓子の『鳩サブレー』で有名な鎌倉の豊島屋さんは
 限定品お目当てのお客さんで大賑わいだったそうですよ。
 ならば、本日の読書……をサボっての展覧会情報も、
 賑やかさでは負けないぞ!ということで、
 こちらを、どうぞ~♪

  


 
    ―― なばたとしたか こびとづかんの世界 ――



 神奈川県川崎市の川崎市市民ミュージアム企画展示室1にて、
 会期は2019年7月6日~9月8日
 (月曜休館、ただし7/15と8/12は開館し7/16と8/13は休館)、
 えー、図鑑といえば、
 前回記事では『どんまいな犬と猫図鑑』を御紹介いたしましたが、
 こちらの図鑑は……

「こびとォさんッ!」
「ぐるぅ!」(←訳:出たぁ!)
 
  

 《こびとづかん》。

 書籍で、絵画で、映像で、
 おそらく皆さまも目にしたことがおありでしょう。
 なばたさんがこの世界にこっそりと連れて来た
 コビトたちの姿を。

「ふりかえればァ~」
「がるるぐる?」(←訳:そこにいる?)

 『コビト大百科』
 『コビト観察入門』
 『コビト大図鑑』
 『こびと桃がたり』――

 展覧会場は、
 《こびとづかん》シリーズの原画やスケッチ、
 フィギュア作品、映像上映などで
 あっちもこっちもコビトだらけ?

「すたんぷゥ、あつめましょゥ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:館内を探索~!)

 はい、館内では
 《こびと探し》スタンプラリーが開催されています。
 隠れているコビトたちを探し当てたら、
 スタンプをポン!と。
 
   

 イベントは他にも予定されていますよ。

 9月8日には、
 なばたとしたかさんのサイン会(13:00~/15:00~)
 (ミュージアムショップにて
  対象商品を購入した各回先着30名さま)、
 8月17日にはギャラリーツアー(17:00~)、
 8月25日には
 造形ワークショップ(要事前申込、参加費1000円)
 などが催されます。
 詳細は美術館HPをご参照くださいね。

「おぼんやすみィはァ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:こびととともに!)

 しっかり熱中症対策をして、
 皆さま、ぜひ、お出掛けを♪





    では、ここで猛暑日の美味しいオマケ画像も。
   
   『シャトレーゼ』さんのアイスクリーム、
   《シャトレーゼ プレミアム ゴールド 白桃ミルク》は
   「おいしいィ~!」
   「ぐるがる~!」(←訳:桃が濃い~!)
    桃好きな御方におすすめですよ。
   
    お盆で帰省している方々、
    自宅で読書派の方々、
    お盆だって仕事さ!という方々も、
    美味しいおやつで英気を養いつつ、
    どうか穏やかな休日を過ごしてくださいな♫
    
   
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ずっと、彼らとともに。

2019-08-09 22:45:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 わわゥ! じゅうたいィ~はじまッちゃってるゥ?」
「がるる!ぐるがっるぅ?」(←訳:虎です!帰省ラッシュ?)

 こんにちは、ネーさです。
 中央自動車道や国道がいつになく混雑しています。
 これは帰省渋滞なのでしょうか?
 運転中&車内の方々は熱中症と疲労に気を付けてくださいね。
 日本全国の交通安全を祈りつつ、
 さあ、ここからは読書タイムです♫
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  


 
  ―― それでもがんばる! どんまいな犬と猫図鑑 ――



 監修は今泉忠明(いまいずみ・ただあき)さん、
 2019年6月に発行されました。
 前回記事では人気の《警視庁いきもの係》シリーズから
 『アロワナを愛した容疑者』を御紹介いたしましたが、
 こちらの《それでもがんばる!》シリーズは
 フィクションではありません。
 専門家さんお墨付きのノンフィクション!

 つまり、現実に起こっている
 わんことニャンコたちの
 《どんまい》な事象あれやこれやが
 イラストつきで解説されているんですよ。

「たくさんッありまス!」
「ぐるるがっるぐる!」(←訳:初めて知った事実!)

 犬、そして、猫。

 どちらも人間の最良のパートナーであり、
 しかしながら、
 ルックスや性質はまったく別の生きもの……
 と思ったら、
 御本の冒頭で驚きの研究結果が!

  《元を辿れば、祖先は同じ。
   今から約5500万年前に登場した
   ミアキスという哺乳類が
   犬と猫を含む食肉類の祖先であった。》

「ええッ? じゃあァ、わんにゃんッはァ~…」
「がる~???」(←訳:親戚~???)

 哺乳網(ほにゅうこう)食肉目(しょくにくもく)
 ミアキス科の、ミアキス。

 体長はおよそ30㎝、
 生息地はヨーロッパ、北アメリカ。
 地球上に出現したのは5500万年~4800万年前。
 テンやイタアチに近い外観であったようです。

 平原に出たミアキスは、
 進化の過程を経てオオカミに、
 さらには現在のイエイヌへ。

 一方、
 森で暮らしたミアキスは
 イエネコの先祖へ。

 平原か、森か、の違いが、
 ワンコとニャンコの現状につながったんですね。

「えらんだァみちィはァ~…」
「ぐるるがるるる!」(←訳:かくも離れたり!)

 犬と猫、
 グルメなのはどっち?

 犬と猫、
 食べ方が汚いのは……犬、かな?

 犬の多くは高所恐怖症で、
 猫は高い所に登るのはともかく
 降りるのはあまり上手じゃない?

 北条高時さんは闘犬にハマって幕府を潰し、
 科学者・ニュートンさんは
 愛するニャンコのために
 自分のごはんを差し出した――

 え? ニュートンさんって
 熱烈愛猫家だったの?
 などなど、
 次々繰り出されるワンニャンネタ中、
 私ネーさにとって
 あらまあ!だったのは。

 《犬から見ると
  人間の肌はミドリ色》

 ……そぉなの?

「みどろいろォ、でスかッ♫」
「ぐぅーる!」(←訳:シュール!)

 犬は、赤い色を認識できない?
 猫も、赤い色がわからない?
 なので、
 ワンニャンの見る世界はドンヨリ色……。

 英語には
 《緑色の小人(リトルグリーンマン)が見える》
 《ピンクの象が見える》、といった
 泥酔を意味する言葉がありますけど、
 ワンコにとって
 人間こそ他ならぬグリーンマンだったとは……。

「ぷふふッ♫」
「がるる♪」

 いまや、ヒトの家族ともいえる
 ワンコたちニャンコたち。

 戦争のない
 平和な世界で
 長く長く一緒に過ごしてゆきたいワンニャンたちの
 知識と雑学を楽しみつつ学べる一冊、
 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね♪
 
 
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~ 《いきもの係》に幸あれ ~

2019-08-08 22:24:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 そろそろォ、おぼんやすみィでスかッ?」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!のんびりしたいね!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムは、
 帰省の準備に大忙しの御方に、
 お休みは自宅で読書三昧という活字マニアさんにも
 おすすめの一冊をご紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
      ―― アロワナを愛した容疑者 ――



 著者は大倉崇裕(おおくら・たかひろ)さん、
 2019年6月に発行されました。
 《警視庁いきもの係》シリーズの第5作目です。

「ことりにィ、ぺんぎんッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:蜂も孔雀も!)

 いまのところ、クラゲやトナカイ、
 ゴジラ、モスラは出てきていませんが、
 それも時間の問題なのかも?と思ってしまうくらい、
 ありとあらゆる《いきもの》が登場する人気のシリーズ、
 《警視庁いきもの係》。

 この御本には、

 『タカを愛した容疑者』
 『アロワナを愛した容疑者』
 『ランを愛した容疑者』

 の3編が収録されています。

「あろわなッてェ、たしかァ~…」
「がるる~!」(←訳:巨大魚~!)

 えへん、巨大魚じゃなくて、
 古代魚、と呼んであげましょうね。

 アロワナ目アロワナ科アロワナ亜種に属す大型古代魚を、
 総じてアロワナと呼称します。
 淡水に棲む魚の中では最も大型に成長すると言われ、
 種類にもよりますが、
 成長すると100㎝を超える、んですって。

 中国では幸運を招く『龍魚』とされており、
 愛好家さんも多数いる、んですけども。

「ぜつめつゥきぐしゅッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:取引禁止~!)

 通常、絶滅危惧種に指定されると、
 その《いきもの》を商取引することは禁止されます。

 ただ、一定の条件を満たせば、
 適用外として商取引が可能になることもある……。

「くんくんッ! におうゥのでスよッ!」
「がるるぐるるがる!」(←訳:策略と陰謀の匂い!)

 10年前の、シンガポール。
 アロワナのコンテストで優勝した
 真っ赤なアロワナが強盗犯に連れ去られました。

 その事件は世界の愛好家たちに衝撃を与え、
 盗まれたアロワナはどうなってしまったのか、
 無事であろうか、と
 案じられていた中で。

 ネットにそのアロワナらしき動画が??

「やッとォ、みィつけたッ!」
「ぐるがるるるぅ!」(←訳:保護しなくちゃ!)

 《いきもの》関連の事件となれば、
 はい、出番ですね。

 警視庁総務部総務課動植物管理係の
 須藤友三(すどう・ともぞう)警部補と、
 薄圭子(うすき・けいこ)巡査。

 このふたりがタッグを組めば、
 国際的な難事件も
 あっ!という間に解決……するはず?

「まッててねッ、あろわなァちゃんッ!」
「がるぐるる!」(←訳:すぐ行くぞ!)

 紅き龍魚の謎を追う表題作品
 『アロワナを愛した容疑者』、
 猛禽類の描写にうっとりの
 『タカを愛した容疑者』、
 そして『ランを愛した容疑者』では
 ついに植物が事件の核心に?

 ユーモアと《いきもの》ウンチクを織り込んだ
 エンタな連作ミステリは、
 夏バテに効くこと間違いなし!です。
 皆さま、ぜひ一読してみてくださいね~♫




 
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― 旅する絵画たち ―

2019-08-07 23:09:56 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうゥすぐゥ~あきィ~♪」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!明日は立秋~!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日8月8日は二十四節気の一つ、
 《立秋》……暦の上ではもう秋、ということになりますね。
 涼やかな風が吹いてくれる日を待ちながら、
 週の半ばの今日は、読書をサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  


 
        ―― 印象派への旅 ――



 静岡県静岡市の静岡市美術館にて、
 会期は2019年8月7日~10月20日
 (月曜休館、ただし祝日の場合は開館して翌火曜日休館、8/13は臨時開館)、
 『The Burrell Collection』と英語題名が、
 『海運王の夢――バレル・コレクション』と日本語副題が付されています。

 4月末から6月の間は
 渋谷Bunkamuraで開催された特別展が、
 この夏季は静岡の美術館へ巡回しているんですよ。

「すこッとらんどォからァ~」
「ぐるるがる!」(←訳:奇跡の来日!)

  

 英国、スコットランドグラスゴー市の実業家、
 《海運王》と呼ばれたウィリアム・バレルさん(1861~1958)は
 生涯をかけて美術品の大コレクションを築き上げました。
 その数、なんと
 古今東西の美術工芸品など9000点!

「ひゃわわわッ!」
「がるるぐる!」(←訳:膨大で莫大!)

  

 バレルさんが収集した美術品は
 1944年、グラスゴー市に寄贈され、
 美術館《バレル・コレクション》は、
 1983年、一般公開が始まりました。

 寄贈に際して、
 大気汚染の少ない郊外に作品を展示すること、
 国外に持ち出さないこと、
 を条件にしていたため、
 現地以外では鑑賞できぬ“門外不出”のコレクションとして
 知られてたものの。

 美術館の改装工事がスタート!

「ふむむゥ、それでェ~」
「ぐるるがる!」(←訳:来日が実現!)

  

 この展覧会では、
 ドガさんの代表作『リハーサル』をはじめ、
 19世紀フランス絵画、
 オランダのハーグ派、
 スコットランドの画家たちの作品など73点と、
 グラスゴー市のケルヴィングローヴ美術博物館所蔵の
 ゴッホさんやルノワールさんの作品など7点、
 総数80点が展示されます。

「かいじょうゥはァ、しずおかえきィのォ、すぐちかくゥ!」
「がるぐるがる!」(←訳:徒歩5分です!)

 東京展を見逃した御方は、
 静岡市美術館での展覧会へ、
 ぜひ、お出掛けくださいな♫




    ではここで、いつもとひと味違うオマケ画像も!
   
    「あはァ!きゃわゆいィ~!」
   
    「ぐっるるがるるぅ!」(←訳:こっちもいいなぁ!)
    八王子駅南口のTSUTAYA書店さんの
    文具&グッズ売場でいただいたのは、
    ミニチュアハウスと
    3Dウッドパズルのパンフレットです。
    どちらもハンドメイド意欲を掻き立てる内容で、
    眺めているだけで楽しくなれますよ。
    手先の器用さに自信あり!な方々は
    張り切って挑戦を!
    


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~ 桜に、捧ぐ ~

2019-08-06 23:23:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はッぴィ~たなばたァまつりィ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!今年も開幕!)

 こんにちは、ネーさです。
 国内きっての規模を誇る仙台の《七夕まつり》が
 賑やかに始まっていますよ♪
 この暑い季節に行われるのが本来の七夕なのかな?
 などと想像しながら、
 本日の読書タイムは、
 こちらの美しい御本を、さあ、どうぞ~!

  


 
          ―― 桜狂の譜 ――



 著者は今橋理子(いまはし・りこ)さん、2019年3月に発行されました。
 『江戸の桜画世界』と副題が付されています。

 ↑縦が約25㎝×横が約17㎝、と
 美術展の図録としても立派に通用しそうなこの御本は、
 アート評論であり、
 意欲的な歴史ノンフィクション!でもあるんですよ。

「おおォ♪ さくらァ、さいてまスゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:繊細な画風!)

 私たち日本人がこよなく愛する花――
 サクラ。

 そのサクラの花を描く、
 いえ、サクラの花だけを描く、という、
 ちょっと変わりダネな画家さんがいたことは
 あまり知られていない、と
 著者・今橋さんは御本の『はじめに』で述べています。

「えッ? さくらァ、だけッ??」
「がるるぐるるるる?」(←訳:桜しか描かないの?)

 三熊思考(みくま・しこう)さん(1730~1794)。

 江戸時代中期、
 京の都に生まれた思考さんは、
 自ら《桜顚(かてん)》と号しました。

 《花顚》とは、《花狂い》を意味すると
 今橋さんは解きますが、
 思考さん、本当にもう、桜が大好きだったようで。

 キレイに描く、のが思考さんの目的ではありません。

 桜の名木があると聞けば、
 遠地であろうと訪ねてゆく。

 訪ねて、描いて、花の種類や、
 地域と気温によって生育に差があるかを観察し、
 桜についてとことん考えてみる。

「ふァ~…まにあァでスねッ!」
「ぐるるるるぅ~!」(←訳:桜マニアかぁ~!)

 思考さんの情熱は、
 妹さんやお弟子さんたちを巻き込み、
 “サクラだけを描く”流派は、
 60年の間、隆盛を見たのでした。

 一方、同じ頃、東国では。

「あれッ? ここにもォ?」
「がるるるる!」(←訳:桜マニアが!)

 未曽有の大飢饉を前に、
 被害を最小限に抑えて殆ど死者を出さなかったため
 《名君》と謳われ、
 その数年後には幕府老中に就任、
 さらには将軍補佐となって、
 実質上、幕府の全権を握った人物――

 松平定信さん(1758~1829)。

 定信さんが目指したのは、
 桜の絵、ではなくて、
 “桜がある庭造り”。

「おにわァづくりィ、ッてェ~」
「ぐるがるる……?」(←訳:それ大丈夫……?)

 老中・松平定信さんといえば、
 はい、歴史好きな方々には
 《寛政の改革》でお馴染みですよね。

 財政の緊縮、大奥への倹約命令、
 風紀の取締りに関連して
 山東京伝さんや蔦谷重三郎さんを処罰するなどして、
 ケチと罵られることもあった定信さん、
 《浴恩園(よくおんえん)》と呼ばれる
 江戸随一の名園の
 オーナーさんでありました。

 いえ、正確を期すなら、
 江戸と、所領地の白河に
 合わせて五つもの庭園を造り上げた造園狂だったのです。

「むじゅんッしてるでスゥ!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:財政緊縮と庭園造り!)

 江戸の湾岸地域に広がるサクラ咲く大庭園と、
 植物学にも踏み込まんとする京の画家さん。

 第Ⅰ部『花惜しむ人――三熊派の桜画』と
 第Ⅱ部『花を訪なう人――松平定信の庭園』で
 対比される《桜狂》たちの生涯は、
 フィクションさながらの熱さ&面白さ!

 図版資料も豊富に収録されていて、
 ノンフィクション好きな御方、
 歴史ものが好きな活字マニアさんに
 激おすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 

 
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ミナミを、泳げば。

2019-08-05 22:02:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ! わかッていてもォ~」
「がるる!ぐるるるるるるぅ!」(←訳:虎です!避けられないよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、避けられませんでした……
 熱中症(軽度)ってヤツです。
 水分も塩分も充分に摂っていたはずのに、
 あまりにも気温が高過ぎました……
 今日はもう涼しい部屋で療養に努めることにして、
 ゆるやか~な読書タイムは、さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  


 
      ―― SAVVY 2019年 9月号 ――



 京阪神エルマガジン社さんから刊行されている月刊誌『SAVVY』、
 ↑こちらの9月号は現在発売中の最新号です。
 表紙にも大きく記されていますように、
 9月号の特集は、
 『あたらしい・おいしい・やっぱりおもしろい 大阪・ミナミ』。

「てんかのォ~だいどころッ、でスねッ!」
「ぐるる!」(←訳:食の都!)

 大阪という、
 いまや西日本きっての観光都市に関しては、
 書店さんの旅本コーナーを
 数え切れぬガイドブックが彩り、
 予約が必要な高級店から
 街角のタコ焼き屋さんまで、
 《なにわグルメ》を紹介しています。

 そういった“大手のガイド本に載っている”お店は、
 ええ、この『SAVVY』9月号には
 載っていなくもないんですけど、
 誌面をキラキラと輝かせてくれるのは。

「わかわかしィ~おみせッ!」
「がるるぐる!」(←訳:小さなお店!)

 なんて可愛いんだ!と、
 お写真に感激してしまったのは、
 大阪阿倍野区、地下鉄西田辺駅から徒歩5分の、
 いろんなおやつと珈琲のお店『カリン』さん。

 暖簾に染めぬかれた
 『お や つ』の3文字が、
 レトロでありながらモダンです♪

「やきがしィにィ、かきごおりィ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:本屋さんにフレンチ!)
「あッ! にゃんこォ?」
「ぐるるるるがるるぐる!」(←訳:器屋さんの看板猫だよ!)
 
 えへん、
 読み手さんから“知る楽しみ”を奪ってしまうことになりますので、
 これ以上のお喋りは
 控えねばなりません。

 でも、
 これから大阪へ行きます!
 今年の夏休みの目的地は大阪がメイン!という方々に、
 この『SAVVY』大阪特集号は
 必見必読ですよ。

「おなかァ、いッぱいィにィ、なるゥまでッ!」
「がるぐるる!」(←訳:食べ歩くぞ!)

 東京を中心とする関東圏の雑誌の多くが
 なんだか似たり寄ったりの誌面……なのに比べて、
 関西の雑誌はユニークで面白い!
 と思わせてくれる月刊誌『SAVVY』、
 ネット書店さんで扱われていますし、
 最近はジュンク堂さんや
 蔦屋書店さんの系列店でも入手可能になっているようです。

 京都が好きだ!
 でも大阪も好きなんだー!な旅好き活字マニアさんは、
 ぜひ一度、本屋さんで探してみてくださいね。

  
 
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巨匠さんに、敬愛をこめて。

2019-08-04 22:29:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 おてんきィいじょうにィ、あついィのはァ~!」
「がるる!ぐるるーるがるるる!」(←訳:虎です!ラグビーが熱いです!)

 こんにちは、ネーさです。
 ラグビーW杯がもうすぐ開幕!
 日本チームは親善試合で大奮戦!
 頼もしいニュースに期待を高めつつ、
 さあ、読書タイムとまいりましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 或るエジプト十字架の謎 ――



 著者は柄刀一(つかとう・はじめ)さん、2019年5月に発行されました。
 『MYSTERY OF AN EGYPTIAN CROSS』と英語題名が付されています。

「むゥ! そのォだいめいィはァ~…!」
「ぐるーるるるる!」(←訳:クイーンさんだ!)

 はい、そうですね。
 ミステリの巨匠エラリー・クイーンさんの著作
 『エジプト十字架の謎』――
 出版社さんによって『エジプト十字架事件』『エジプト十字架の秘密』
 など、書名に違いはありますが、
 《国名》シリーズのひとつとして
 有名な作品です。

「じゃァ、これはァ、ぱろでぃでスかァ?」
「がるるるぐるるぅーるぅ?」(←訳:それともパスティーシュ?)

 パロディでもパスティーシュでもなく、
 オマージュ作品、と言うべきでしょうか。

 この御本には、
 『或るローマ帽子の謎』
 『或るフランス白粉の謎』
 『或るオランダ靴の謎』
 『或るエジプト十字架の謎』
 と、短編4作品が収録されています。

 いずれの作品も、舞台は現代の日本。

 そして、 探偵役には、
 エリザベス・キッドリッジさん、
 南美希風(みなみ・みきかぜ)さんという、
 現代の人物を当てています。

「きせつはァ、ちょうどォいまごろッ?」
「ぐるる!」(←訳:夏だよ!)

 エリザベス・キャドリッジさんは、
 米国のニュージャージー州在住の
 法医学者さんです。

 東京で行われる
 世界法医学交流シンポジウムに出席するため、
 エリザベスさんは夏の日本にやって来ました。

 エリザベスさんに招待されて、
 シンポジウム初日のレセプションへと
 足を運んだ南さんは、しかし、
 ゆっくり飲食を愉しむ暇もありません。

「じけんッ!なのでスよゥ!」
「がるぐる!」(←訳:急行せよ!)

 今回の法医学シンポジウムでは
 新しいプロジェクトが試行されています。

 シンポジウム期間中、
 東京都内で検視事案が発生した場合、
 他国の検視官さんや法医学者さんも
 事件現場に赴き、
 日本での検屍活動を実地で体験してみよう、
 というものです。

 事件発生の報を受け、
 エリザベスさんは南さんを伴い、
 日本の捜査官たちと現場へ向かいます。

 そこは、花火大会が終わったばかりの、
 湾岸エリアの一角でした……。

「めざすゥはァ、もちろんッ!」
「ぐるーるがる!」(←訳:スピード解決!)

 名探偵登場!といわんばかりの
 『或るローマ帽子の謎』に始まり、
 表題作『或るエジプト十字架の謎』まで。

 クイーンさんへの敬愛を底流に、
 本格ミステリの“仕掛け”が
 次々を作動してゆくのを、
 はたして、探偵さんたちは
 見破ることが出来るのか。

 ミステリ好きな活字マニアさんは、
 夏のお盆休みの読書タイムに、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
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~ 月は語る・坂本繁二郎展(練馬区立美術館) ~

2019-08-03 23:19:49 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぴィ~ひゃららァ♪」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!どんどこどん!)

 こんにちは、ネーさです。
 《八王子まつり》の熱気と、
 猛暑の熱風でメマイがしそうな週末は、
 はい、読書をサボって、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  


 
        ―― 坂本繁二郎 展 ――



 東京・練馬区の練馬区立美術館にて、
 会期は2019年7月14日~9月16日
 (月曜休館、ただし7/15,8/12,9/16は開館し、7/16と8/13は休館)、
 『Sakamoto Hanjiro Commemorating the 50th Anniversary of His Death』
 と英語題名が付されています。

「ふわわァ~…あおいろがァ、うつくしィ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:お馬さんがいるね!)

  

 坂本繁二郎(さかもと・はんいろう)さん(1882~1969)は、
 福岡県久留米市生まれの画家さんです。

 同級生の青木繁さん(1882~1911)と
 競い合うようにして暮らした故郷から、
 東京へと向かったのは20歳のとき。
 でも、東京が終着点だとは、
 坂本さんは思っていなかったんです。

「めざすはァ、りゅうがくゥ!」
「がるるるるる!」(←訳:おフランスへ!)

 フランスに渡ったのは、
 39歳を過ぎてから、といいますから、
 やや遅めの旅立ち、とも言えましょうか。

 3年間の留学生活ののち、
 坂本さんは意外な行動を取りました。

 帰国後の活動拠点を、
 郷里へ移しちゃったんです。
 東京を完全にスルーして。

「だいたんッ!」
「ぐるがる!」(←訳:強い決意!)

 故郷にちかい八女にアトリエを構え、
 東京の画壇からは距離をおいて
 坂本さんは制作に集中します。

「やがてェ、じわじわッ!」
「がるる!」(←訳:注目が!)

 文化勲章を受賞したのは、
 坂本さんが74歳のときのことでした。

  

 この展覧会では、
 ヨーロッパ留学以前は牛を、
 帰国後は馬を、
 戦後は身の周りの静物を、
 最晩年は月を、
 主なテーマとしていた坂本さんの油彩作品、
 水彩作品や水墨画など、
 約140点が展示されます。

 併せて、青木繁さんの作品も出展されますし、
 講演会やギャラリートーク等
 イベントも予定されていますので、
 アート好きさんは
 ぜひ♪

 ――と言いたいところなのですが。

「あちゅいィ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:危険な暑さだよ!)

 ええ、もう毎日のように高温注意情報が出ています、
 無理は禁物、
 無茶な外出はしちゃいけません。

 展覧会って、けっこう体力を消耗するものです。
 目的地の美術館まで、歩く歩く。
 会場内でも、歩く歩く。
 帰り道も、歩く歩く。
 知らず知らずに頑張ってしまうアート散歩は、
 どうか皆さま、体調と相談して、
 できれば涼しい日に、
 ゆったりのんびり、お出掛けくださいな。







    では、ここで……わっしょ~い!なオマケ画像を。
   
    アヂヂ~!な中でも、
   《八王子まつり》の山車のお写真を
    ちょこっとだけ撮ってみました。
   「おはやしィ、にぎやかッ!」
   「がるぐる!」(←訳:笛に太鼓!)
   
    これで気温があと5℃低ければ
    最高のお祭り日和なのに、
    などと、ボヤきつつ。
   
    ああやっぱりお祭りっていいなぁ♫
    とニヤついてしまう夏の夕暮れなのでした。

    皆さま、どうか御自愛しつつ、
    穏やかな休日を。


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― 小さな光に ―

2019-08-02 22:24:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みずまくらッ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!冷えピタ!)

 こんにちは、ネーさです。
 アイスクリームを1ガロン!と、
 “涼しくなれるものクイズ”合戦をしながら、
 さあ、猛暑を忘れさせる読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♪

  


 
         ―― 運命の恋 ――



 編者は瀧井朝世(たきい・あさよ)さん、2019年6月に発行されました。
 著者は収録順に(せーの!)、
 村上春樹さん、角田光代さん、山白朝子さん、
 中島京子さん、池上永一さん、唯川惠さん、
 『恋愛小説傑作アンソロジー』と副題が付されています。

「わほッ! むらかみィさんッ!」
「ぐるっるるぅ!」(←訳:目立ってるぅ!)

 そうなのよね、
 御本のいちばん初めに収録されている、ということだけでも
 目立ってしまっている村上さんの作品は、
 
 『四月のある晴れた朝に
  100%の女の子に
  出会うことについて』。

「だいめいィはァ、ながいィ~けどォ」
「がるぐる!(←訳:短編です!)

 村上さんのファンの方々にはよく知られているこの作品は、
 題名の長さに反して、
 たった8ページ――
 文庫本にしてたった8ページ分という、
 短編小説です。

 しかし、研ぎ磨かれたその文章、その世界は、
 或る映画作品に大きな影響を与えました。

「えいがッ??」
「ぐるがる??」(←訳:何の映画??)

 この御本の巻末の、
 編者・瀧井さんによる『解説』では、
 村上さんのこの作品と
 新海誠さん監督作品『君の名は。』(2016年)の
 類似性が挙げられています。

 新海さん御自身も、
 村上さんの作品から影響を受けている、と
 話しているんですって。

「ふむゥ~、そうゥいわれればァ~…」
「がるるるぐる!」(←訳:共通項がある!)

   すれちがい。

   100%の女の子が/男の子が、
   すぐ横を歩いてゆくというのに、
   完全無欠の恋人がそこに、
   手を伸べれば届く距離に彼女/彼はいるというのに、
   届かない。
   止まれない。
   どんどん遠ざかってゆく。

   このまま、見失ってしまうのか――

 そんな不安と幻滅、
 抗いようのない諦めと、
 それでも消えることはない小さな光を灯す物語は、
 恋愛小説……というよりも、
 確かに壮大なSFに近い、
 とも思えますね。
 
「ごほんのォ、ひょうしィ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:映画の場面だよ!)

 はい、御本のガバー画には、
 新海さんの『君の名は。』のシーンが使われています。

 はたして、現在公開中の新海さんの新作『天気の子』も
 村上さんの作品から影響を受けているのでしょうか?

「そうゥなのかなッ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:訊いてみたいね!)

 村上さんの作品に続いては、
 角田光代さんの『誕生日休暇』、
 山白朝子さんの『布団の中の宇宙』、
 中島京子さんの『おさななじみ』、
 池上永一さんの『宗教問題』、
 唯川恵さんの『僕の愛しい人』と、
 いずれも“一筋縄ではゆかない”ドラマが揃っています。

 短くとも、
 長く余韻の尾を引く6つの恋物語を、
 皆さま、ぜひ♪
 

 
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