中林さん 「今日は残念!みな美味(うま)いわ。
焼き豆腐の炊いたのも美味いし、
けなすとこないなあ。なんか、ケチつけようと思たけどな」
この人は、うちの店のチェックマンです。
今日のカツは堅い、とか、これは水くさいとか、よくクレームをつけて下さる。
ありがたいお客様です。この人が、何を出されても文句を言わずにいたら、そのうち、スッと
来られなくなるのでしょう。クレームをつけて下さってるうちは、来て下さる人だ。
前にも紹介した本、『漢字検定のアホらしさ』です。
他に読む本がたくさんあったので入手が遅れていたが、今日入った。
パラパラと読んだが、実に面白い。しかも勉強になる。
高島さんの博識には、又も舌を巻く。
「漢字検定のアホらしさ」に納得。
「問題を作った人の程度の低さがよくわかる」にも納得。
続けて、「ついでに、こんな愚問ぞろいの検定試験を受けてできたのできなかったのと一喜
一憂している人の程度の低さもわかる。…どういうばかばかしい問題が出るのか、一つ例を
ごらんに入れよう。」
いやあ、痛快な文章ですねえ。高島さんの面目躍如です。
元々、わたしも、この「漢字検定」は疑問視していた。こんなものを信用したら反って文章が
ダメになってしまうこと必定。
また「両雄倶には立たず」の項の、白川氏と藤堂氏の論争について、あとがきの中に、「白
川氏の書いたものは二つともいたって程度の低いものであった」とある。
漢字の白川と言えばすでに権威であろう。しかし、本文を読んで納得させられた。
わたしは、白川氏の漢字についての「神戸新聞」の連載を興味深く読んでいるので参考に
なった。何でも、権威(とされているもの)を頭から信用してはいけないのだ。
高島さん、昨年「輪」に来店して下さった時には、「もう書くことがない」とおっしゃってたが、
こうして有意義な本をまた出されて、わたしはうれしい。どうかお元気で。
月刊『kobecco』8月号の原稿、「四十一年」をほぼ仕上げる。
あと、推敲をもう少し。
明日23日(水)の「輪」の日替わり定食は、
「若ドリからあげ」(820円)の予定です。
よろしくお願いいたします。