今朝の神戸新聞「読者文芸」欄、詩の部に、姫路市の平手礼子さんの「窓ガラス」という詩が特選に。
「窓ガラス」
朝から降りだした雨は
午後になると一段と激しくなってきた
バスの窓ガラスは雨のしずくと
車内の熱気で曇り
外の景色は見えない
今の私の心の中みたいだなぁと
灰色の窓ガラスを見ていた
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前の席に座っている女性が
手で窓ガラスをシュルシュル擦り始めた
おぼろげだけど視界が広がっていく
若い男性が窓ガラスに指で
文字を書いている
一緒にいる女性が
「子供みたいなんだから」とニコニコ
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私も窓ガラスに触れたくなってきた
このバスに乗っている人が
みんな同じことを考えていたら…
あちら こちら
指で擦った所から
冬の景色がつながっていく
これ、発想が面白いですねえ。まるで子どもだ。