先日、杉山邸からお借りして来た一冊。
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『低く翔べ』(リクルート出版・昭和62年)という随筆集。
これには神戸新聞などに発表された随筆がたくさん載っている。
読み始めると面白くて仕方ない。自分一人で楽しむのが惜しくて、いくつかは台所にいる家内に読んで聞かせてやったりした。
「あとがき」の一部を紹介します。
≪読み返して見ると、なぜか、女性の悪口を書いたものが多く、私はやはり女性好きなのかと反省したり、大本営発表を擁護したりする保守反動のそしりをまねきかねない言説まで、まことに矛盾に充ちた言説が並んでいる。≫
どうでしょう、読んでみたくなりませんか?
しかしこの本にたくさんの付箋が付いていました。
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なんなのか?と思っていたのですが、その頁には誤植があったのでした。数えてみると16,7カ所もありました。
中には同じページに二カ所も。いや同じ人名に二文字の誤植があったり。奥付けにも。
先生の頭を抱える様子が目に見えます。多分、著者本人の校正がなかったのでしょうね。みんな任せておられたのでしょう。
それにしても担当者の教養レベルが疑われます。
「ショ
ペンハウエル」が「ショ
ベンハウエル」になっていたり、「
太宰治」が「
大宰治」になっていたり、「播
磨」が「播
麿」になっているなど考えられないミスがあります。
お借りしたこの本は初版ですが、後に再版は出たのでしょうか?