喫茶 輪

コーヒーカップの耳

歯医者さんと助ちゃんたち。

2022-03-01 12:09:29 | 完本 コーヒーカップの耳
昨日、歯医者さんの治療終了。
抜かずにやってくださった。
その歯医者さんに、この前『完本コーヒーカップの耳』を呈上しておいた。

というのも、「喫茶・輪」の盛業中、常連さんの何人かをこの歯医者さんに紹介したのを思い出したからである。
助代さん、原さん、村中さん。
この三人は『完本コーヒーカップの耳』の主要登場人物。すべて仮名だ。
で、この人たちが登場するページに付箋をつけて、「ここにきていた患者さんです」と言って呈上した。
昨日行くと、「面白かった」と。
そこで、「この人たちの本名です」と用意していたメモをお見せした。
すると、三人ともをよく覚えておられた。
「一人はいま種子島、一人は定年退職して京都、もう一人は仕事先で急死」とお教えした。
すると、「それで急に来られなくなったのでしたか」と。
「もう一度読んでみます」とおっしゃった。

『コーヒーカップの耳』 助代さんたちが躍動する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『行蔵は我にあり』

2022-03-01 10:52:29 | 出久根達郎さん
今読んでいる本。



『行蔵は我にあり』(出久根達郎著・文春新書・平成16年刊)です。
いつに変わらぬ出久根さんの歯切れのよい文体を楽しんでいます。
その中の「花森安治」。
花森はわたしが敬愛する杉山平一先生が兄事した人。こんな風に書き出されます。
《花森といえば、スカート姿だが、これは伝説らしい。女装したのは事実だが、スカートははいていない。》
あれ?そうだったのか。
こんな箇所があります。
《母が39歳で亡くなった。。枕元に制服をつけた花森を立たせ、しみじみと眺め、「立派だねえ」と言った。花森は、あほくさ、とつぶやいた。》

そしてさっき読んだところ。
禅の大家、鈴木大拙の章。
《座敷に這うゲジゲジや虫を見つけると、「君たちはこんな所にいるよりは、外にいた方がいいよ」と言い聞かせながら、窓を開けて戸外に放してやった。ところが、ゴキブリだけは別で、スリッパを持って血相変えて追いまわした。すべてのものに仏性があるのでは?と人が皮肉ると、「いや、あいつだけは困る。本の糊をなめる悪い癖があっていかん。しかし何て足の早いやつだろう」と嘆息した。大拙にとって、書物はかけがえのない宝物であった。書物は読まなくてもよい。所持するだけでよろしい。書物の放出する気を取り込むのだ、と言った。大拙を慕って、さまざまな人たちが身の上相談に訪れる。大拙は耳に手を当てながら、何時間でも、な、な、と相槌を打ちながら聞いている。なるほど、と言う意味の、な、である。話を終えて、どうしたらよいでしょう?と答えを求めると、いつも、「わしゃあ、わからん」と首を振る。》

楽しい本です。

『触媒のうた』出久根さんお奨めの本です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

稲畑汀子さんが

2022-03-01 09:07:09 | 文芸
俳句の稲畑汀子さんがお亡くなりになったと。


汀子さんの祖父は高浜虚子。そのお師匠さんが正岡子規。
これはうちにある虚子の直筆ハガキ。
なんと小さな字でしょうか。
実はこれ、ある文学ファン、というより文人ファンが往復はがきでサインを求めたものへの返信ハガキです。
虚子の人柄がしのばれます。
その表書き。
やはり同じように求めに応じて返信した三島由紀夫のサイン。
人間性が出てると思いませんか?

『触媒のうた』いろんな文人の秘話が満載。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする