喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『川端康成の運命のひと』

2022-03-30 19:23:54 | 本・雑誌
凄い本が届きました。



『川端康成の運命のひと 伊藤初代』(森本穫著・ミネルヴァ書房)8000円+税。
A5版の大型書籍です。
姫路在住の文芸評論家、森本穫氏から。
これは川端文学愛好家にとっては大いに貴重な本になるでしょう。
森本氏渾身の一冊。
ゆっくりじっくりと読ませていただきます。
今、最初の数ページを読んでみましたが、先を読むのが興味津々です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「別嬢」115号

2022-03-30 17:00:44 | 文芸
加古川の詩人・評伝作家の高橋夏男さんからお贈りいただきました。



詩を主にする文芸誌「別嬢」115号です。
今号はいつもより分厚いので、何かの特集号かな?と思ったのですが、そうではありませんでした。
単に作品量が多いだけ。90ページもあります。

いつも通りみなさん、誠実な作風で好感が持てます。
わたしが興味を持った詩の中から一篇だけ紹介しましょう。
←クリック。
吉田瑞代さんの「畠のおたから」です。
キチキチっと一つずつ丁寧に、しかも愉快に描写されていてうれしい作品でした。

あ、もう一篇紹介しましょう。

    「 こころ 」
  不自由な
  からだになった
 
  けれども
  老いさせたくない
  心
  生きてきた
  今日の嬉しさを
  明日の暮らしの力に
  喜びかなしみの
  思い出は
  九十八年の
  わたしの宝物

           田代光枝

作者の田代さんは98歳ですか!
ならわたしもあと20年ぐらいは書けるか。

高橋夏男さんの連載、坂本遼の評伝文学、「おかんのいる風景」(20)は力作。というより労作と言った方がいいでしょうか。
地味な仕事を長年続けておられて、尊敬します。
今号では、芸術評論家、麻生義の坂本遼批評を中心に書かれていて、その視線が勉強になりました。
《麻生の坂本への評価の適切さには傾聴すべきものがあり、プロレタリア文学・農民文学にこういう考え方が一般化していたら、もっと豊かな実りがあったであろうと思わせられるものである。すなわち麻生は、坂本の詩がすぐれて感動的であることを当時の農民詩と比較し、方法的な観点を入れて指摘した。》
これの内容を例を上げながら叙しておられます。

今号で、ほかに気になったのは、やはり高橋さんの随想、「卒寿の嘆 西川保市さんの手紙に寄せて」でした。
前号と今号、わたしが大好きな西川保市さんの作品がないのです。
その理由の状況が書かれています。
淋しいことです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする