今読んでいる本。
『オランダ宿の娘』(葉室麟著・文春文庫)。
今日読んでいて「おっ」と思ったところ。
《今年は方角が悪いため<方違え(かたたがえ)>で住居を変えなければならないと卦が出たので日本橋に出てきた、という。》
へえ?そういうことがあるのか、と。
ず~っと昔、わたしが中学生の時だから、もう60年以上も昔、父がまだ存命中の事だった。
わたしの寝室兼勉強部屋を屋根裏に作ってもらっていたのだが、あるとき、Kさんのおじさんがその部屋に一定期間泊りに来られたことがあった。
ただ寝るためにだけ。夜遅く来られて、朝早く帰って行かれる。
そのKさん、卦を見る人だったのだ。
自分の家族のためか仕事のためか、そうしなければならないとのことで。
そのためにはわたしの家の方角が良かったのだと。
ということで、Kさんはわたしの父に頼み込んで、わたしの屋根裏部屋にお泊りになることになったのだった。
これはここでいう<方違え>なのだろう。
その時、人生訓のようなお話しも聞いたと思うが忘れてしまった。
因みに、そのKさんのお孫さんが今、テレビの全国ネットのリポーターとして毎日のように活躍しておられる。
昨日は東京と思えば今日は九州というように、事件の現場を飛び回っておられる。
隣の小学校に通っていた時は放送部の部員として「将来はそんな仕事をしたい」と言っていたのだった。