「ジーチ、野球しよ」と言う。
「ムリ!心臓手術して間がないから」
しかもメッチャ暑いし。
気がつくと文実が居なくなっていた。
咲友に「文実は?」と訊くと、
「ガレージにいると思う」
しかしなかなか戻って来なかった。
30分以上してから、
「ジーチ、ガレージに来て」と言う。
行ってみて驚いた。
わたしの車の絵が描かれていた。
素晴らしいチョーク絵が。
そのチョークだが、もう何年か前にうちから持って帰らせたものだった。
箱にいっぱい入っていた。
その箱があった。
開けてみると、ほとんど無くなっていた。
小指の先ほどのかけらが10個ばかり捨てられずにあった。
よくぞ大切に使ってくれたものだ。
ちなみに文実は男の子です。