午後、「フレンテホール」へ木津川計さんの一人語り劇場「無法松の一生」を観に行きました。 良かった。感動しました。
「無法松の一生」は元々、小説「冨島松五郎伝」(岩下俊作)を映画化した時についた名前。
小説は昭和14年に発表されているが、映画化は昭和18年。要するに戦時中である。そこで検閲の問題が出てくる。主人公、無法松は俥屋。俥屋風情が帝国軍人の未亡人に想いを寄せるとは何事か、と肝心な場面がズタズタにされたという話を木津川さんがなさった。どこがどうなったかを話芸で伝えて下さった。時に笑いを呼びながら感動的に語って下さった。
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場内は撮影禁止、録音禁止でした。
で、講演が終わって、木津川さんが退場されたところをちょっと撮影しました。この舞台で2時間近くの公演でした。
単に小説の語りではありません。朗読でもなく、一人芝居でもない、木津川さん独自の芸でした。
時代背景を解説しながら、登場人物の独自の解釈や、映画と対比させての語りなど見事なものでした。
話の中に「チャタレイ夫人の恋人」が出てきて驚きました。
丁度いま、わたしが「KOBECCO」3月号の原稿に、この「チャタレイ夫人の恋人」を翻訳出版してワイセツ文書販売罪で有罪になった伊藤整さんのことを書いているところでした。
なるほど、そんなところで「無法松の一生」と繋がってくるのか!と目を開かれました。
講演が終わって、ロビーで木津川さんの著書の署名販売がありました、
一冊お願いしました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%B4%A5%E5%B7%9D%E8%A8%88