『周防大島の青い海』(瀬戸みゆう著・編集工房ノア刊・2000円+税)を読了しました。
少し感想を。
きめ細かな書きぶりのいい小説集でした。
多くの作品には適度なスリルがあり、重要なポイントを秘して(微かに想像はつきますが)話は進みます。
ほぼ私小説風だと思うのですが、創作としての面白さも味わえました。
「くまモンのぬいぐるみ」はユーモラス。中では異色でしょうか。
「祖母の家」は好篇、力作でした。
身のまわりの起伏を描きながら、描写が細密で心地良かったです。
中で「アカテガニ」が出てきて、わたしの子ども時代の体験と重なって興味深かったです。
そのアカテガニが印象的に小説を閉めて、胸にじ~んと来ました。
余韻が良かったです。質のいい小説でした。作品の中で最も好きです。
「墓じまいの夜」はちょっと重厚感のある話。
人生の重みが何枚も何枚も濃密に折り重なり積み重なりしているような語り口に感動。
作者は粘り強い性格なのでしょうね。
最後の「二人誌『半月』—…」は、長年同人仲間だった人への鎮魂歌。
わたしは個人的に次の文に興味を持ちました。
《ほんとうに苦労して聞きだしたのよ。目の前でメモなんか取られへんでしょ。(略)聞いた話を頭で覚え、あとでこっそりメモしたの。》
『コーヒーカップの耳』を書いていたころのことを思い浮かべたことでした。
「周防大島」、先日この本のことをちょっとFBに載せたら、わたしのFB友達のasamotoさんが、次のようなコメントを下さいました。
《周防大島は35年前徳山支店勤務時代の営業エリアでした😁懐かし😀鳩子の海の舞台だったところでしょうか🤔とにかく海が美しかったです🥰》
「とにかく海が美しかったです」とのこと。
瀬戸みゆうさん、いい小説集をありがとうございました。楽しませていただきました。
少し感想を。
きめ細かな書きぶりのいい小説集でした。
多くの作品には適度なスリルがあり、重要なポイントを秘して(微かに想像はつきますが)話は進みます。
ほぼ私小説風だと思うのですが、創作としての面白さも味わえました。
「くまモンのぬいぐるみ」はユーモラス。中では異色でしょうか。
「祖母の家」は好篇、力作でした。
身のまわりの起伏を描きながら、描写が細密で心地良かったです。
中で「アカテガニ」が出てきて、わたしの子ども時代の体験と重なって興味深かったです。
そのアカテガニが印象的に小説を閉めて、胸にじ~んと来ました。
余韻が良かったです。質のいい小説でした。作品の中で最も好きです。
「墓じまいの夜」はちょっと重厚感のある話。
人生の重みが何枚も何枚も濃密に折り重なり積み重なりしているような語り口に感動。
作者は粘り強い性格なのでしょうね。
最後の「二人誌『半月』—…」は、長年同人仲間だった人への鎮魂歌。
わたしは個人的に次の文に興味を持ちました。
《ほんとうに苦労して聞きだしたのよ。目の前でメモなんか取られへんでしょ。(略)聞いた話を頭で覚え、あとでこっそりメモしたの。》
『コーヒーカップの耳』を書いていたころのことを思い浮かべたことでした。
「周防大島」、先日この本のことをちょっとFBに載せたら、わたしのFB友達のasamotoさんが、次のようなコメントを下さいました。
《周防大島は35年前徳山支店勤務時代の営業エリアでした😁懐かし😀鳩子の海の舞台だったところでしょうか🤔とにかく海が美しかったです🥰》
「とにかく海が美しかったです」とのこと。
瀬戸みゆうさん、いい小説集をありがとうございました。楽しませていただきました。