円高で破壊された日本が今度は円安で苦しむようです。円高で企業が海外に逃げた為に、円安になっても輸出出来る企業が残ってないのだそうです。
これは、確かにありそうですね。何とも衝撃的です。
宮崎さんがそんな恐れを取り上げてくれています。それにしても、日本の企業がここまで劣化していたとは驚きです。
もう一度鎖国して日本の内需で独自の経済を取り戻した方が良いのじゃないでしょうか。
マネーゲームを止め、日本人の為の経済を復活させましょう。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)11月3日(水曜日) 弐 通巻第7106号
嘗ては「良い円高」と言われた時代があった
「悪い円安」と「弱い人民元」が世界の投資家の合い言葉
すっかり変調をきたした世界経済。
対米輸出が大問題になった日本は、1980年代に「円高」を仕掛けられ、輸出王国の座から転がり落ちた。
鉄鋼、造船、機械から雑貨まで、円安で支えられてきたが、円高に転ずれば、輸出競争力をなくす。産業構造が変質する。
プラザ合意、宮沢・ベーカー会談、そしてクリントンとオバマ政権のときに1ドルが70円台に突入したこともあった。
日本企業はどっと海外へ進出した。自動車産業は軒並みだった。
米国への工場移転は、くわえてのローカルコンテンツ法、スーパー301条などが圧力となった。あまつさえ日米半導体協定で、 日本のIC産業は置いてきぼりを食らった。
結果、日本の何処を捜しても弱電、雑貨産業で輸出依存の企業はゼロである。
昨今の円安は、本来なら輸出競争力を回復できるチャンスだが、すでに海外へ工場移転をなしてしまった日本には当該産業が不 在に近く、そのうえ働き手がいない。
むしろ円安は工業原材料、石油、ガスの輸入価格を押し上げるので、日本が誇った貿易統計の黒字が停まった。カーボンゼロで、 石炭火力発電も維持が難しくなる方向にあり、ますます円安は、日本経済にとって不利になる。
このまま円安が続くと貿易統計は赤字転落がながく続くことになり、まさに「悪い円安時代」の始まり。コロナが恢復しても、 円安では海外旅行に出かける意欲も失せるだろう。
他方、ウォール街の専門家のあいだでは2022年から人民元が弱くなるという。これを日本の過去の例に当てはめて考える と、中国経済も強い基盤を失うことに繋がるだろう。
「悪い円高」時代の到来は憂鬱である。
最後の円高は円安の間違いでしょう。それにしても、日本の企業の没落がここまで来ているとは、何時も批判していながらもその危機感までは持っていなかったのが恥ずかしい。
政・官・財・マスメディアの劣化がとうとう日本をここまで堕落させてしまったようです。
日本の再生は本当にあるのでしょうか。やはり、鎖国しかないのかも。