ネットで広がり、小坪さんも、第5829回の「国民が知らない太陽光発電の実態」で取り上げた太陽光発電の弱点を太陽光発電協会が初期対処法を発表したようです。
こんな危険性があるのは電気ですからある程度分っていたはずですから、最初から書いておけば良かったと思うのですが、やはり、負の情報は遠慮したのか、気が付かなかったのか。いずれにしても、この逆風が太陽光発電にどう響くのか心配でもあります。
小坪さんが翌日に取り上げていました。
小坪しんやのHP~行橋市議会議員より 9月15日
【拡散】国民が知らない太陽光発電の実態②~水害時の危険性
何時も、太陽光発電の情報でお世話になっているこちらも詳しく取り上げていました。
スマートジャパンより 2015年09月14日
水没した太陽光設備は専門家以外さわってはいけない
太陽光発電協会は2015年9月11日、豪雨被害で水没した太陽光発電設備が多く生まれたことに対し、初期対処法について発表を行った。感電の危険があるため基本的には電気工事士および電気主任技術者などの専門家に任せるべきとした内容だ。[三島一孝]
栃木県、茨城県、宮城県などを襲った豪雨被害の影響から、太陽光発電設備も大きな被害を受けた状況だが「安易に近づくべきではない」と太陽光発電協会が警鐘を鳴らしている。
被害からの復旧作業が徐々に進みつつある状況だが、太陽光発電設備のパワーコンディショナーや太陽電池パネルと電線の接続部などは、接触すると感電の恐 れがある。また太陽電池パネルおよびパワーコンディショナーが破損している場合も、近づくと感電する恐れがあるため、基本的には専門家に任せるべきだとい う(図1)。
図1 水没した太陽光発電設備に対する危険性 出典:太陽光発電協会
太陽光発電設備が被害を受けた場合、50kW(キロワット)未満の場合は販売施工事業者に連絡して対処を行ってもらい、50kW以上の場合は選任されている電気主任技術者に対策を依頼することを推奨している。
破損した太陽電池パネルについては、絶縁不良となり接触すると感電する恐れがある他、接続が活線状態であった場合、日射を受けると発電し高い電圧や電流 が生じる恐れがあり、危険。そのため周辺にロープを張るなどの対策が必要だとしている。パワーコンディショナーについては、浸水した場合直流回路が短絡状 態になる可能性があるため、太陽電池からの電流が流れ込んだ場合は発熱する恐れがある。いずれもゴム手袋やゴム長靴などの感電対策を必須であり、パワーコ ンディショナーについては遮断器で解列することを推奨するとしている。
太陽光発電設備の設置拡大が進んでいるが、災害被害や、廃棄物の問題などが増えてきている。政府でも処分方法のガイドラインやリサイクルシステムを整備 して2018年度から適用する方針を示している(関連記事)。今後は災害対策についても、ガイドラインを用意する必要があるかもしれない。
リサイクルシステムの詳細も取り上げてくれています。
スマートジャパンより 2015年09月18日
「太陽電池リサイクル」の採算性、低コスト化するプロジェクトが始動
NEDOは、太陽光発電の大量導入社会を実現するために、太陽電池のリサイクルや発電コスト低減を目指すプロジェクトを新たに開始する。 [三島一孝]
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、太陽光発電の持続的発展に向けて、「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」で5件、「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」で2件の技術開発テーマを新たに採択した。
「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」では、太陽光発電モジュールの低コストリサイクル処理技術や、有価物の回収率向上や回収物の高純度化技術 の開発と実証を行う。一方「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」では、工事を含む周辺機器や維持管理の低コスト化技術の開発と実 証を行い、太陽光発電の大量導入を支える技術開発を促進する。
太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト
太陽光発電の普及が広がるにつれて、課題となってきているのが、太陽電池の廃棄物の問題だ。既に政府は2018年に太陽電池モジュールの廃棄物に関する ガイドラインを適用する方針を示している(関連記事)が、まずは生じる廃棄物の量を最小化し、処理コストを低減することが必要となる。
そこでNEDOでは、太陽電池モジュールの分解処理コストとして5円/W(ワット)を目標に掲げ、収益性を意識しつつ、太陽光発電モジュールのリサイクル処理、有価物の回収率向上、回収物高純度化などを実現する技術開発に取り組む。またその効果を実証実験する。
採択テーマとなったのが、以下の5つだ。
東邦化成「ウェット法による結晶系太陽電池モジュールの高度リサイクル実用化技術開発」
ソーラーフロンティア「合わせガラス型太陽電池の低コスト分解処理技術実証」
新菱「PVシステム低コスト汎用リサイクル処理手法に関する研究開発」
三菱マテリアル「結晶シリコン太陽電池モジュールのリサイクル技術実証」
浜田、エヌ・ピー・シー「ホットナイフ分離法によるガラスと金属の完全リサイクル技術開発」
例えば、浜田とエヌ・ピー・シーが取り組む「ホットナイフ分離法によるガラスと金属の完全リサイクル技術開発」は、結晶シリコン系太陽電池モジュールの 分解処理を目的としたものだ。ガラスとシリコンセルの間の封止剤(EVA)層を加熱した刃で切断し、ガラスやシリコンセルを破砕せずに分離回収できる 「ホットナイフ」技術を開発するとともに、回収したガラスや金属などを全て再資源化するための設備およびプロセスの設計・開発を実施する(図1)。
図1 ホットナイフによるガラスとセル等の分離プロセス(クリックで拡大)出典:NEDO
太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト
太陽光発電のコストは、普及当初に比べれば減ってはきているものの、他の電源に比べると割高であることには変わらない。さまざまな技術革新により、太陽 電池モジュールの発電効率向上や生産技術の向上などにより、モジュールだけを見た採算性は高まってきたといえるが、さらなる発電コスト低減のためには周辺 機器や維持管理も含めた発電システム全体として低コスト化が必要となる。NEDOが今回実施するのは、この周辺部分の低コスト化を目指したものだ。
具体的な目標として「工事を含む周辺機器コスト全体を10%以上削減する低コスト化技術の開発(発電コスト換算で2円/kWh以上の削減効果)」と「維 持管理コストを30%以上削減する低コスト化技術の開発(発電コスト換算で1円/kWh以上の削減効果)」の2つを目指すという。これらにより、2020 年の太陽光発電の発電コスト目標14円/kWh達成に貢献していくという。
このプロジェクトで採択されたテーマは以下の2つだ。
奥地建産「高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究」
地域エネルギー、太陽光発電所ネットワーク「分散型PCSメガソーラーへの遠隔診断制御クラウドと対処手順の開発」
奥地建産が取り組む「高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究」は、設置する地盤の状況や環境に応じて基礎と架台の最適な組合せを設計し、低コスト化を図るというものだ。
具体的にはまず、耐久性と軽量性を兼ね備えたトラス構造(三角形を基本単位に、その集合体で形成された構造)などを用いた架台の低コスト設計・施工技術 の開発を行う。この架台が太陽光発電システム特有の腐食影響をどう受けるか検証するとともに土質状況により影響を受けやすい地際の腐食対策技術の開発を実 施する。これにより、太陽光発電システムの初期コストと維持管理コストの双方でコスト低減を実現することを目指す(図2)。
図2 高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究の内容 出典:NEDO
孫・菅コンビの悪巧みにより、一気に拡大した産業用太陽光発電ですが、余りにも有利な投資物件であることが分かるにしたがって、ブームになってしまった弊害が遂に現われたと言うことなのかもしれません。
今更ですが、やはり、太陽電池のコストダウンによるきちんとした発展を地道にやることが、この無茶苦茶な価格買い取り条件の設定によって捻じ曲げられたことの必然的な結果かもしれません。
これで、太陽光発電自体が終わってしまわないことを願うしかなさそうです。
どうなる事やら!
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