☆リリィ、はちみつ色の秘密(2008年 アメリカ 110分)
原題 The Secret Life of Bees
staff 原作/スー・モンク・キッド『リリィ、はちみつ色の夏』
監督・脚本/ジーナ・プリンス=バイスウッド 撮影/ロジェ・ストファーズ
美術/ウォーレン・アラン・ヤング 衣裳デザイン/サンドラ・ヘルナンデス
音楽/マーク・アイシャム 音楽監修/リンダ・コーエン
cast ダコタ・ファニング クイーン・ラティファ ジェニファー・ハドソン アリシア・キーズ
☆1964年、サウスカロライナ州シルヴァン
その桃農園から始まる少女ロードムービーなんだけど、
ダコタ・ファニングを観てると、
なぜか、安達裕美をおもいだしてしまうのは、ぼくだけなんだろか?
子役から始まり、ずっとちっちゃいままな印象があって、
声もなんとなく似てる。
ハリウッドはどうも女の子の子役を可愛がる癖があるのか、
彼女のほかにもスカーレット・ヨハンソンとかジョディ・フォスターとか、
なんだかんだいっても大人になるのを見守ってくれてる感じがするんだよね。
この映画はまさしくそうで、
ダコタ・ファニングをみんなが見守ってくれてる。
ただ、やや前の時代で、カントリー調ながら黒人の姉妹をあつかうことで、
ちょっとだけだけど、社会性も取り入れられてたりする。
ジェニファー・ハドソンの扱いがまさしくそうで、
『ドリームガールズ』と微妙にリンクしてたりするのはお遊びなんだろか?
まあ、彼女についてはともかく、
姉妹の長女クイーン・ラティファと次女アリシア・キーズが好い。
長女は誇り高く、なにものにも理解あり、慈悲ぶかく、
次女はその美貌さゆえか高慢で冷静で鼻持ちならないけれど、純粋という役割を、
ふたりは上手に演じてた。
ところで、ダコタ・ファニング演じるリリィなんだけど、
どうしてこうも死の影がまとわりついてるんだろう?
自分がいなければ、
4歳のときに、過失とはいえ母親を撃ち殺すことはなかったし、
家政婦のジェニファー・ハドソンも暴力をふるわれ、あとでもない旅に出ることもなかったし、
さらにいえば、三姉妹の末っ子もリリィとの三角関係が引き金で自殺することもなかった、
とおもっていたかもしれないし、そうしたおもいが膨らんで、破裂もする。
運命にもてあそばれてるわけではないけれど、
自分の母親が頼りにした家政婦にして子守の黒人と巡り合え、
しかも、そこで過ごしてゆくことになるのは、
運命について、なんらかの強いものがなければこうはならない。
なんとなく予定調和というか、箱庭的な展開ではあるけれど、
まあ、こんな感じは嫌いじゃないし、
ダコタ・ファニングも良い作品に巡り合えたな~って気がするよ。