◇評決(1982年 アメリカ 129分)
原題 The Verdict
staff 原作/バリー・リード『評決』 監督/シドニー・ルメット
脚本/デイヴィッド・マメット 撮影/アンジェイ・バートコウィアク
美術/ジョン・キャサーダ エドワード・ピッソーニ
衣裳デザイン/アンナ・ヒル・ジョンストン モンティ・ウェストモア ビル・ロジャー
特殊メイク/ジョー・クランザーノ 音楽/ジョニー・マンデル
cast ポール・ニューマン シャーロット・ランプリング ジェームズ・メイソン
◇負け犬の復活
人間、一度、負け犬であることを自他共に認めてしまっては、
そこから這い上がることは非常に難しい。
気力もなければ体力もなく、なにか切っ掛けがあればと期待もするけど、
切っ掛けを待っていること自体、負け犬であることの証だ。
アル中の弁護士ポール・ニューマンも、そうした負け犬のひとりだ。
新聞で死亡欄をたしかめ、葬式に顔を出しては名刺を置いて、仕事を待つ。
これほど惨めな境遇にまで落ちてしまった弁護士が、
這い上がるための最後の機会に遭遇する。
出産で入院した女性が、麻酔処置のミスで植物人間になってしまったという、
医療過誤訴訟だ。
争点になっているのは、
「手術の1時間前に食事をとっていたかいなかったか」
というただ1点のみで、1を9に改竄したかどうかって話になる。
もしも改竄であれば、過誤ではなく隠蔽ということになるんだろうけど、
ポール・ニューマンが人生の再出発をする切っ掛けというか熱情というものが、
徐々に沸き上がってくるが主題になってる。
なんだか『ハスラー2』をおもいだしちゃうけど、
ニューマンにとてはいちばん脂の乗り切った時期だったんじゃないかしら?