◇聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(The Killing of a Sacred Deer)
邦題のカタカナの部分、要らんな。
のっけから手術されてる心臓のドアップが延々と映されてようやくタイトルっていう、これでもかってくらいのエグさなんだけど、まあ、これがすべてを物語ってるんだからわからないでもない。
ただ、なんていうか、コリン・ファレルの執刀ミスで殺された父親の復讐劇なんだろなってことは、遺児の青年に内緒であって面倒を見てるってあたりからすぐに知れる。まあ、そのあたりは伏線というほどのものでもなく、まっこうから出してるんだけどね。
でも要するに祟りなわけで、う~ん、斬新さがあるとすればその祟りをつくがえそうとはせずに、自分のせいで妻と娘と息子が祟られて、もしもなにもしなければ三人とも死んじゃうけど、ひとりだけ殺せば祟りは終わるよってのをそのまま鵜呑みにしてロシアンルーレットに入っちゃうってのはどうよ。
それと、コリン・ファレルがちょっと性倒錯なやつっていう設定で、ニコール・キッドマンが下着姿で横たわり、全身麻酔ごっこをするってのは要るんか?祟りが深くなると今度は全裸になるんだけど、ますますこれって要るんか?さらにいうと、コリン・ファレルと組んでる麻酔医ビル・キャンプから「コリン・ファレルは執刀前にウヰスキーを2杯くらってんだよね」っていう証言をひきだすためにキッドマンが高架下のがらんとした駐車場の車内で手淫をしてやるんだけど、いや手淫だけでいいんかね?ずいぶん楽な取引じゃないかね?アリシア・シルバーストーンがコリン・ファレルの手を執拗に愛撫して止まらなくなるのは、やっぱり夫を殺されたことへの怨みなのかしらね?
ちなみに、ラフィー・キャシディはやはり実にかわゆいな。