◇シアター・プノンペン(The Last Reel)
これは、邦題の方がいいな。
それはともかく、懐かしい雰囲気の映画だね。カンボジアの内戦が終わったあたり。壊れそうで閉館した映画館は大学に通う女の子マー・リネットのバイク置き場になっててそこで毎夜1974年に自分の撮った映画を観てる映画監督と知り合うんだが、その映画のヒロイン(二役ね)が今はでぶって軍人の旦那の召し使いみたいになってる母親ディ・サヴェットの40年前の姿だと気づくんだね。でも、最後のリールがクメールルージュに焼かれたのか失くなってるもんだから、そのラストシーンを自分が代わりに演じるから撮ればいいと映画館の館主こと実は偽監督ソク・ソトゥンに迫るっていう、なんだかとってもそそられる話だ。
ところが、なんとも古色蒼然とした素人くさい脚本と演技と撮影で、まあこれはこれで微笑ましくていいんじゃないかっておもうけど、演出のソト・クォーリーカーっていったいいくつなんだろって気にもしたりして、ともかく安心して観てられるのは前半だけで、撮影が始まると過去の因縁が絡んできて、なんだか母親ディ・サヴェットと母親をおもう偽監督ソク・ソトゥンの過去が現在に甦るようなちょっと輪廻をおもわせるものになってくる。
つまり難しくなってくるんだけど、映画館の売却やら母親ディ・サヴェットの病気やら過去の収容所のことやら、なにより監督とその弟の入れ替わってた事実を母親が暴露するとか、誇りの中から見つかった最終巻でも物語の中で選ばれるのは弟だったとか、おもしろくなってくるはずがそうなりきらないっていうのはなんなんだろね?