Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ZEISSの空気109 小説:小樽の翆136. 核家族

2020年07月20日 | Sensual novel

 

 翆「マサヒロがお爺ちゃん寿司を持ってくるから受けとっておいてね」

そういって翆は病院へ通勤していった。といっても徒歩10分もかからないのだが目下突然の高齢者クラスター発生で、てんやわんやだろう。

昼前にマサヒロ君がお寿司をもってやってきた。だから散歩に誘い出した。

ナンタルの坂道を東の方へ降りてゆきながら、ここも感染地になっちまったな。

マサヒロ「狭い街ですから、そりゃすぐに感染地ですね」

どうして、こんな時期に、あの高齢者達が昼カラオケなんかにつどったのだろうか。

マサヒロ「多分みんな核家族のなれの果ての一人暮らしで寂しいんですよ。だからつられると、ついつい便乗しちゃうんでしょう」

核家族のなれの果てか。寂しいライフスタイルを現代人は選択しちまったな。

そういえば、マサヒロ君とこのジュニアは元気かい?

マサヒロ「もちろん元気でパパ達のクロッキーのモデルになっています」

パパ?、正確にはお爺ちゃんだよね。

マサヒロ「生活上パパですよ。だってオジサンのこと義理のお父さんって呼ばれたいですか?」

それも変だな(笑)。

マサヒロ「呼び方なんかどうでもいいんです。それよか家族が沢山いることの方が大切ですよ。それでパパ、つまりお爺ちゃんが指5本だして、後これぐらい欲しいとサインをくれるんですよ。もうつくれといわれているようで(笑)」

ツカモッチャン先生の所の7人ファミリーが頭にあるからな。

マサヒロ「あれが正解だ。はよ作れだって。だから上さんが高校を卒業したらバスバスと・・・・(笑)」

たしかにお爺ちゃんは翆一人しかつくらなかったけど、翆の子供、つまりマサヒロ君が生まれて気がついたわけだ。

核家族なんかくだらん。やはり多産系が面白いということを。

絵描きの感性だね。

あるいは人間の本来の感性というべきかな。

 

小樽市南小樽

SONYα6600、E18-135mm/F3.5-5.6OSS

ISO100,焦点距離48mm,露出補正-0.7,f/5.6,1/1000

コメント
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