本気?

世の中のあれこれを見て、責任ある大人たちが、本気?そんなことあるまい?と、疑問に思うことが多い。

 スポーツでも勉強でも、体裁か?本気か?で結果は大違い。
 いや、結果だけでなくやり方まで変わってくるものだ。
 体裁か本気かは、今日の日本の(日本だけではないが)行き詰まった状況の見方一つが大きく違ってくる。
 福田首相は就任時、もう後がない状態のなかでの着任を【背水の陣内閣】と名づけた。
政府だけでなく日本の内外の困難さの中で行き詰まってる状態をこの言葉は言いえてると思う。
 国民は心を一つにしてこの国難とも言える状態から抜け出さなければならないと言うことだろう。
 なのに、その後の政府始め各界の動きを見ていていると、全くその危機感が感じられない。口では「あーだこーだ。」と言いながら、実際は従来の化粧直しと言うか、相変わらずのことをバタバタやっている。
 「背水の陣」で化粧をしているようなもどかしさを感じる。
 ここでは経済を取り上げたい。昨日、経済計画担当の女性大臣が【日本の経済は堅調に成長している。働く人の賃金を上げ内需拡大を図り、経済成長を図る。世界経済のリスク要因もあり今後注意深く見ていきたい。】との談話を報道していた。日本の経済活動の最高責任者の言葉である。「大臣は今の経済は良いが先には心配がある。好景気の恩恵を家庭にまで及ぼし、外需で落ち込む分を内需で景気の更なる浮揚を」とのメッセージだろうか。
 3ヶ月前に首相が「背水の陣」と仕切ったのに3ヵ月後の今【経済は堅調】と公言する経済のリーダーの見識が的を得ているとは思えない。なぜなら、この3ヶ月間のどの経済指標を見て、どこから「堅調」と言う言葉が出るのだろうか。
 「背水の陣」と「堅調」のズレと同様の矛盾が各界・各分野で進行しているようだ。大臣は日本の実際の産業経済の体力をどう見ているのか。これまでは経済浮揚策として、財政出動や、金融緩和の手も打てたし、国有財産を売って当座を凌ぐこともやってきた。今、何が残っているか?
 資本、企業、テクノロジーの投資や売りと全くないではないが、手持ちの血液のようなもので長くは持たない。
 大臣の言う「内需拡大」は挙句の果ての苦し紛れの一言ではないか。貿易立国日本が内需で消費すれば当座は凌いでも結局最後の体力を使うことになる。(新春の経済団体の会合で風向きが変わってきたことは当然) 政府内には国の海外投資も経済対策として考ているようだが、国がマネーゲームに手を染めるようなもので、もともと経済・産業対策の名に値するかどうかが問われる。
 これは、打つ手を失っていることを意味してる。(お手本は目の前にある)
 にもかかわらず【経済は堅調】と公言する。背水の陣の感覚も、経済の現状を真正面から見ているとも思えない。
 俗っぽい言い方だが、日本は実態を見ることなく内外に【いい振りこき】の政策を展開している感じがする。
 今、大事なことは、目先の成長ではなく【経済の体力回復
】ではないだろうか。
 
これは即【小さな政府】を意味すものではない。何故なら現状は【小さな政府】の政策で経済のリスクを余計、増大させている。経済力に見合った落ち着いた政策を採るべきだ。
 例えば安全保障も、国土や国民の生命の安全対策として考えるな、外国との実力の武力衝突だけでなく、異常気象や温暖化、資源、食糧 、水、犯罪 などなど多様な現実に、向き合わなければならない。対策の規模や優先順位は経済力の範囲内でそれに見合ったものでなければそれ自身、安全保障でなくなる。
 果たして日本はそうなっているだろうか。?
国が700兆を超える借金を抱えながら、マッチポンプみたいな浪費をしたり、し不急不要なもにお金をかけたり、経済大国日本のプライドなのか、国の内外への大盤振る舞いは素人目にも気になる。
 教育なんかで言えば、教員やカウンセラーを増やしたり学力テストの予算は【お金をかけて子どもを壊してる】が実感で、無駄遣いどころでない。(経験的にも論理的な科学性も反する。)
 今ある政治力学をどう変更しようと、今あるシステムを見直し、状況にあった新しい政策を生み出さない限り、「背水の陣」をしいたことにはならないだろう。
 言い換えればどんなにお金がなくても、どんな場合も、状況にあったシステムや、新しい政策の樹立は本気なら生み出せる。そういうもの。(我々が生きているのと同じ。)
 要は本当に分っているか?本気でやろうとしているかどうか?が問われている。

勿論政府や政治家だけの問題ではない。

こういう場合、本来なら純粋に学問に立脚した学者や現場の人間の出番だろうが、名目だけそのシステムを利用している。

 

こんな事を正すだけでも、大変な道のりになりそう。

(純粋でない学者の見分け方=純粋の学者は学問の世界の中にいるから、張ったりは似合わない。しかも自分の言ってることにも他人の言葉にも謙虚。テレビに出てくる学者や評論家の多くは逆で、一方的に喋る。これは頼まれた仕事?が目的だからだろう。)

本当に「背水の陣」をひくには、世界や一国のリーダーから私達一人ひとりの市民まで、「本気」になるために、いくつものハードルを越えなければならないようだ。
 子供達にも関係することだから、笑ってばかりではいられない。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )