世の中の見える世界から見えない世界まで思いっきり。特に、子供、教育、不登校、自閉症等 情緒に関心あり
天まで届け
月よりの使者③
それから地球上のどこかに着陸することにした。
月よりの使者②
乗り込んだのは2人だが、2人の一挙手一動はかぐやのベースが感知し、操縦は全自動になっている。飛び立ってから二人は時々窓の向こうの地球を見ながら、お酒を酌み交わした,おしゃべりや昼寝を繰り返していた。暫くたってから窓の外を見ると満地球はグーンと大きくなっていた。やっぱり地球の様子が数年前とった写真と違っている。
まず、地球全体がぼやけて陽炎のせいか細かく揺れている。調べると、地球の表面を覆う空気の炭酸ガスが増え、温度が上がりレンズが分厚く斑が出来ているとのことだった。
念のため炭酸ガスの排出量を見ると今も増加しているから、この地球のぶれはさらに多くなるだろうと目を
凝らして見た。
初めて目に付いたのは、地球の上と下の両極と大陸の中にも見られた真っ白に輝くところがちいさくなっており、中になくなったものもある。あれは氷山らしい。
次に地球の殆の海は群じょういろだがこれが一段と濃くなり、海岸線をよく見ると海が僅かだが大きくなっている。何しろベースの方には超高級なコンピューターが備えてあるから、こちらの用件をすぐさま解析し、物によっては一挙に10の何百乗にも拡大して目の前のディスプレーに映し出してくれる。全く便利な代物をもっている。さらに拡大すると太平洋の中の小さな島は沈みかけ、海岸線の色は暗く濁り、所によっては赤茶けている。特殊な光線を当てて海水を見ると、生み底のきれいだった珊瑚は白骨化してきている。白骨化したところも以前の資料と比べるとずいぶん広がったものだ。
陸地の変化はさらに顕著だ。何しろ、以前緑地だったところのあちこちに穴があき赤茶けた所が広がっている。そして土煙の帯が西風に乗って海を渡って遠くに流れているのがあちこちに見られる。他にも突然ぴかっと光り黒鉛を上げている所も目に付く。西アジアの~3箇所はここ何年も引き続いている。
どんな遊びをしているのだろうと、マサミと昔やった火遊びのことを思い出して話していた。あの時は親父にエラク叱られた。
火遊びと言うより焚き火のように炎と白い煙を上げているのもあちこちで見える。山火事のようだ。これじゃあ、炭酸ガスが増え、温度が上がるのも仕方ない。それよりヒトは息苦しくならないかなーと心配になった。そんなことをしているうちにまたもや、うつら寝をしてしまった。
月よりの使者①
あの地球には知能が最も高い生物と言われてるホモサピエンスの【ヒト】が支配しているらしい。その数60数億、見ていると次第にその数は増えている。
あの汚れは何だろう?どうして汚れが酷くなっていくのかと疑問に思った。
恐らく言われてるあの【ヒト】仕業ではないかと調べて見ることにした。
地球探査のため幼馴染のマサミとロケットに乗り込み、家族や友人達の見送りを受けて満月ならぬ満地球の日を選んで飛び立った。(続く)