私のバスは30分発の某学校行き“直行便”で、次のバスは35分発の某学校行き“通常便”だった。その駅には運転士休憩室がないので、私は35分発のバスに乗り込み、その運転士と談笑していた。そこへ、一人のスーツ男がやってきて「○○社へ行きたいのですが…」と言った。すぐに35分発の運転士が、私のバスを指差しながら「その“直行便”は駄目ですが、他のバスはすべて行きますよ」と答えた。それから数分後、“直行便”の発車時刻が近づいてきたので、私はバスに戻って準備をした。まずは「お待たせいたしました。某学校行き直行便、間もなく発車いたします」と、車内案内をした。すると、一人の男性が席を立って近づいてきて「このバスは○○社へは行かないのですか?」と言った… そう、先程のスーツ男である。「そのバスは駄目です」と説明を受けたはずなのに… 私は“初めて会ったような顔”をして「はい。このバスは直行便ですので、次のバスに乗ってください」と言った。