バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

「方」の有無

2008年10月20日 21時58分56秒 | バス運転士

某駅で、発車時刻まで1分を切ったところで、一人の男性がやってきて「○○高校へ行きますか?」と尋ねた。私は「今、高校生は… 乗っていないか…」と独り言を言ってから、「はい、近くまで行きますよ」と答えた。同じ乗り場から2分後に発車するバスがすぐ後ろで待っていたし、既に発車時刻になってしまったこともあり、ちょっと迷ったが… 結局、いつも通り地図を出して「ここが○○高校です。このバスはこの道を通って、ここに△△というバス停があります」と説明した。すると、彼はすぐに理解してくれたようだった。そして△△停に到着したところ、他の乗客に負けまいと真っ先に降車口(前扉)へやってきて、私には見向きもせずにサッサと無言で降りて行った。私は、その一連の動作を見ていて「以前にも来たことがあるのかな? ただ、バスで来たのは初めてだったのか…」と思った。そして十名程度の降車扱いを終えて、発車するために右ミラーで後方確認… すると、なぜか彼は後方の横断歩道を渡っていたのである。○○高校へ行くならば、道路を渡る必要はないのだが… ひょっとして「○○高校の“方”へ行きますか?」と言ったのかもしれない。それは、よくあることだから…