バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

これぞ某地域巡回バス!? 2

2008年10月23日 16時23分30秒 | バス運転士

「某地域巡回バス2号には、小学生が20名くらい乗るよ」と聞いていたのだが、私がこの仕事をやり始めたのがちょうど夏休みだったので、そういう機会のないまま10月を迎えていたのである。そして先日、ようやく某バス停から15名の小学生を乗せることになった。噂通り、ほとんどの子供たちは無言で乗ってきた。こちらが「おはよう」と声をかけても無視されてしまった。逆に、数人の子供たちが「もう一人来るから待ってて」「××くんがまだ来てない」と、私の方を見ることもなく“独り言”のように言いながら乗ってきた。そんなことを言われても、これはスクールバスではないし… どうしようかと思っていたところ、すぐに“もう一人”が走ってきたので助かった。その後、2ヵ所から数名の小学生が乗ってきて合計21名となった。そして、予定時刻から約5分遅れで○○小学校に到着して、みんなが一斉に降りて行った… と思ったら、低学年の女の子3人が運転席の横までやってきて、何やら言っていた。最初は、私の聞き取り能力の低さと“聞きなれない言葉”のせいで理解できなかったのだが… 「何日か前に“無限プチプチ”を忘れたけど、バスの中にありませんでしたか?」ということだった。一瞬、「どっひゃあ~!」と思ったけれど、子供たちには関係ないことである。私は相手が子供だからこそ丁寧に応対しなければならないと思い、腹をくくって駐車ブレーキを引いた。その日は某地域巡回専用の花柄バスではなく、弊社路線バスと同じカラーのバスだったので、私は「このバスじゃなかったよね?」と聞いたところ、彼女たちは「ううん、これと同じバスだった」と言った。私が「それ…」と言いかけたところで、彼女たちは「同じだけど、ナンバーが違ってた」と言った。私は「そこまでシッカリと見ているんだ」と驚きながら、メモ用紙を取り出した。そして「お母さんにココへ電話してもらってください。忘れ物があれば、全部ココへ持って帰ることになっているから…」と、営業所名と電話番号を書いて手渡した。当然のことながら、バスは更に遅れて出発した。対向車がなかなか切れずに、バスを追い越せなかった後続車をズラッと従えて…