バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

発車時刻に現れた人たち

2010年02月23日 21時04分54秒 | バス運転士

某駅の発車20秒前になって、目の前の信号が青に変わった。私は「これなら時間通りに発車できそうだ」と思った… その時、一人のおばさんが走ってきて「もう一人、走ってきているから…」と言ったので、早々に発車の遅れを覚悟した私は「あぁ、いいですよ」と答えた。

しかし、私が周囲を見回した限りでは、そのような人影は見当たらなかった。おばさんは「あれぇ… 転んじゃったかな?」と言いながらバスの後方へ走っていき「○○さぁ~ん! このバスに乗らないのぉ~?」と大声で叫んだ。私には相手の返事が聞こえなかったが、おばさんはすぐに戻ってきて「すいません、バスを間違えてました」と言って去っていった。ありゃりゃ… バスは2分遅れで発車することに…

それからちょうど1時間後、再び某駅の発車時刻になって、目の前の信号も青だった。が、一人のおじさんが「そのバスに乗る!」という視線をこちらに向けながら、のんびりと歩いてきた。バスに乗ってからも、のんびりと“車内観覧席(最後部)”まで歩いていった。その間に信号が赤に変わってしまったので、私はエンジンも掛けずにそのままバス停で待機することにした。

そこへ、一人の若い男性がやってきて、携帯の画面を私に見せながら「ここへ行きたいんですけど、何処だか分かりますか?」と言った。私はその画面を見たが、よく分からなかった。そこで、自分の地図を出して調べようかとも思ったのだが… いかんせん、その男性は“耳栓そのまま男”だったので、私は「ちょっと分からないなぁ~」と言いながらエンジンを掛け、バスは再び2分遅れで発車したのであった…