グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

数10万年の上の、つかの間の春。

2014年04月11日 | 今日の大島
今日は午後の空き時間を使って、乳が崎の崖を観察しに行ってきました。
台風26号後ずいぶん崩れているという話しを聞いていたし、遠目に見てもいたからです。

乳が崎は数10万年前に活動していた古い火山が、波に削られて急な崖を作っています。
この細い道を下りていくと、丸い石がゴロゴロ転がっている「碁石浜」に出られる…はずです。

はず…というのは、台風後行っていなかったので、道が崩れていないか自信がなかったからなのですが…

ところどころ“えぐれ”が深くなっているものの、道は無事でした。


雨が削って、芸術的な模様の道になっている所もありました。

(道というより、溝かも…)

海からは「ゴロゴロゴロゴロ」ひっきりなしに、石が波で転がされる音が響いて来ます。

“丸い石”の生産工場~。

そして、問題の崖は…

しっかり崩れていました。
台風前は緑に覆われていたところが、中の地層が見えています。

赤やグレーや黄色など、様々な色の混ざった崖。

色が違うということは、それだけ色々な出来事が、ここで起こったということですよね。
しかも、数10万年前に…。

遠目の景色だけでなく、自分が歩いている細い道の脇も、何も無くなっていました。


しっかり凹凸があって、急に崩れた感じではない気もしますが…

6~7年前は、よくここに植物の写真を撮りに来ていたのですが、まったく見当たりません。

崖を近くで観察すると、頭上にあるのは皆、こんな質感のツブツブでした。

三原山で見慣れたものとなんだか雰囲気が違うのは、溶岩年齢の違い?それとも出来事の違い?

観察を終えて崖の上までもどると、そこにはタンポポが元気に花をつけていました。

もうタネになっているものもあって「早いなぁ」と、ビックリしました。

ピンクからブルーに色が変わる“ホタルカズラ”の花も咲いていました。
実際の色はもう少し淡いブルーですが…とてもキレイです。

私はこの花と、この場所でしか会ったことがありません。
今年も出会えてうれしいです。

アマドコロの花のツボミ。

新しい葉も薄く、ツボミ共々透明感があって若々しい感じがします。

お!
緑色のカーネーション?

って、これ何でしょう~?

実は“アキカラマツ”という、夏から秋に花を咲かせる植物の、若い葉っぱです。

左に先輩の葉がでています。

ウグイスがすぐ近くでさえずり、風で笹がこすれる音が私を取り囲むように響いていました。

崖から数mしか中に入っていないのに、波で石が転がる音はまったく聞こえて来ませんでした。

数10万年前にできた溶岩の崖の上で、つかのまの春の風景が輝いて見えました。

(カナ)
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