グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

怪しげな空

2014年04月06日 | ツアー
「今日は突風や雷などの天気の急変に気をつけてください」
…という朝のニュースを聞きながら、ちょっと心配していました。

6月の旅行の下見に来たお客様とマンツーマンで、三原山に登ることになっていたからです。
火口を一周するつもりだったので“急な突風や雷”は困ります。安全な場所がないですから…。

今日のツアー開始の時の天気はこんな感じ。
なにやら怪しげな空模様でした。

でも、お客様はなんと、三原山の山肌に黒々と見える溶岩と“同い年”でした!
噴火の年の生まれか!それは三原山も歓迎してくれるはず。

そして期待通りに三原山は、今日もたくさんの「!」を用意していてくれました。
最初の「!」は、水たまりから長くのびたヒキガエルの卵でした。

水中で渦を巻いた後、舗装道路を横断し草むらに向かってにびていました。
「長い~!」「スゴイ~!」と2人で大興奮です。(笑)

「よくこんなに、お腹に入ってましたね。」とお客様。
「確かに。」と、お客様の発想に感心する私。

その後、縄もようの溶岩地帯を探険し…


“溶岩の流れに乗っているポーズ”で記念撮影。


ハチジョウイタドリの芽生えは、ますます増え…

みずみずしいアシタバの新芽や、満開のシチトウスミレの花など、春を楽しみつつ山を登りました。そしてほぼ山頂一周コースまで、たどりついた時のこと…

白い雲がやって来て、あっという間に周囲の景色を隠してしまいました!

この写真の後さらに白くなり、周囲はほとんど何も見えなくなりました。
突然の変化に驚いて、写真も撮り忘れました(笑)。

「火口は諦めて戻りましょうか?」そんな話しをしていたら、今度は突然雲が動いて火口が見えて来ました!

「おおお~!」
全く何も見えない状態から、火口が見えてくる感激!

「すげ~!」

そうそう、三原山は時々こういう演出をしてくれるんですよね。

めでたく火口は見られたけれど、東側はなかなか雲がとれないので西側に下ることにしました。

青空がちょっとしか見えません…

でも足もとには、ハチジョウイタドリの赤い若葉がたくさん成長中でした。

溶岩をおしのけて地中から出てくる姿を見ると、毎年のことながら「たくましいなぁ」と感心します。

赤い葉が小山を作り、それが何重にも重なっています。

この景色こそ、まさに“三原山の春”!
大島らしい景色だなぁ~と思います。

この、デザイン&色使い!

素敵すぎる…。

シマタヌキランも若葉と花茎を伸ばしはじめました。

20日ほど前に火山の研究者が「火星みたい」と語った風景は、緑と赤の色がついて「地球の風景」になっていました

そして、雨の後だけ現れる「幻の湖」まで下りて来て、水面を見ていた時のこと…
どこかから「オーイ!」と声がしました。

「あれ?ここには誰もいなかったはず?」
不思議に思って前方を見たら、山の稜線に人が立っていました。

おお~!
素敵な場所に立ってますね~!!

気持ち良さそうですね~。

こうして今日も、三原山が用意してくれたたくさんの「!」を楽しみました。
歩き終わった時の三原山の風景です。

相変わらず“怪しげな空模様”は続いていましたが、無事歩けて安心しました。
三原山さん、ありがとう!

ところでツアーは無事終了しましたが、「不安定な天気」は午後も続き「近くで落雷発生」のメールが届いたり、雨がパラついたりしていました。

そして、今日の夕焼けです。

なんだか…迫力でした。

今日は1日、本当に“怪しげな空”だったなぁ~。

(カナ)
コメント
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