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平岩弓枝の御宿「かわせみ」を読む

2011-01-01 18:13:57 | Weblog
シリーズ13「鬼の面」から「夕涼みの女」の冒頭の文章。
「その日、伊之助が大川端の「かわせみ」を出たのは、ぼつぼつ5ツ(午後八時)という時刻、あたりはとっぷりと暮れていた。
といっても、蒸し暑い江戸の夏のこと、往来には縁台が出され、浴衣姿の人々がしきりに団扇を使っていたし、子供は線香花火に興じている。
大川にかかっている永代橋の上も夕涼みの人々で賑わっていた。
深川に入ると人出はむしろ増えた。
茶店はまだ店を開いているし、その他にも屋台の店が並んでいる。
富吉町へ出て、伊之助は湯屋の角をまがった。その路地は表通りにくらべると暗かった。
人通りもない。」
読んでいると伊之助と一緒に道を歩いている感覚になる。しかも文章の切り方、句読点の場所も短く、簡潔で伊之助が歩くのと一緒に読者も同じ様に道をたどるようである。
しかも道々の風情も織り込みその当時の雰囲気を描き読者は道をあるくにつれて風情も感じることができる。
この文章で見習うべきは思いっきり短い文章にしていること、多すぎるのではないかと思うほど句読点を多様していること、それが読む者の想像を容易にしている。
コメント
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