他事業所との連携を図る(配慮する)
今回作成したBCPは当社の居宅介護支援事業所を対象として作成したが、被害想定から業務を継続していく過程を明らかにしていくなかでわかったことの1つに、居宅介護支援事業所単独で災害に対応して業務を継続していくには限界があることが判明した。
先の東日本大震災で被災した居宅介護支事業所並びに介護支援専門員を対象に、被災したことによる居宅介護支援の業務への影響を区分限度額変更(区変)の割合から調査したところ、被災が少ないか受けていない介護支援専門員での区変を行った割合は多くなったが20%、変わらないが87%、減ったが2%であったのに対し、被災をした介護支援専門員では多くなったが57%、変わらないが43%で、区変が増えた割合で3倍近くの差が見られ、被災の有無により居宅介護支援の業務への影響が伺われた。
災害の被害にあった場合、介護支援専門員も被災していることが想定され、調査で明らかになったように、被災により財産や家族、友人、知人の喪失が予想されることからも、単独で利用者の所在、安否確認や居宅介護支援の業務をいつも通りに継続するのは難しい。
洪水でも土砂災害でも川の対岸や道路をまたいだ地域では被害は少ないことはよくあることなので、日常生活圏域の居宅介護支援事業所は連携して業務継続を図ることが望ましい。
連携型業務継続計画は作成していないので、実際にどのような内容にするか明確につかんでいないが、利用者、介護・医療・保健サービス事業者、保険者のリストをお互いに作成し共有しておくことだけでも有効だと思われる。