浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

世論

2013-02-25 15:59:41 | 日記
 世論調査というのは、つかむことができない国民意識を、あたかも少数のサンプル調査の結果で、まことしやかにつかむことができたと宣伝する、悪しき政治的行為である。

 だがこの悪しき政治的行為が、一定の政治的効果を生む。

 今日の朝刊に、共同通信配信記事がでていた。TPP参加に、63%が賛成というのだ。

共同通信社が23、24両日実施した全国電話世論調査によると、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に賛成は、前回1月調査の53・0%から10ポイント増の63・0%に上った。日米首脳会談で「聖域なき関税撤廃が前提でない」と認められたのを受けて賛成論が広がった形だ。反対は24・7%。安倍内閣の支持率は前回比6・1ポイント増の72・8%に上昇。民主党支持率は6・0%で、旧民主党などが合流した平成10年の結党以来最低となった。

 TPP交渉参加に賛成する理由(二つまで回答)は、「貿易自由化は世界の流れで、日本にとっても不可欠だから」の59・2%、「日本企業の輸出機会が増え、韓国などに対抗できるから」の43・0%が上位。反対理由の最多は「農業が打撃を受け、農地が荒れて環境面への影響があるから」の45・4%。内閣支持率の70%超えは平成21年9月の鳩山内閣発足当初以来となる。


 だがTPPについて、どれだけの人が認識しているだろうか。確かに新聞やテレビは、報道はしている。だが、その問題点についてのきちんとした報道はない。したがって、TPPが抱える問題をほとんどしらないから、上記の設問の、下線を引いた部分に着目すれば(ご丁寧に、設問の選択肢はTPP参加に肯定的である)、多くの人は賛成としてしまうだろう。「貿易自由化は世界の流れ」といわれ、「日本企業の輸出機会が増え、韓国などに対抗できる」のなら、賛成しようと思うだろう。

 国民健康保険や農業の問題など、TPP参加によって引き起こされるであろう事態をまず記しておいて、あなたはどう考えるかなら、まだ良い。こうした調査は、きわめて誘導的であるというしかない。

 TPPの問題については、下記のサイトにアクセスして欲しい。

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-9e9b.html

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2013-02-24

http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/tpp51-ad7a.html
コメント
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