浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

非理性的な時代

2013-12-10 10:31:46 | 日記
 安倍内閣の支持率が下がったという。しかしそれでも、まだまだ高い。国民は、アベノミクスということばで、本当に経済が好転していると思っているのだろうか。円安に振れ、株価が上がり・・・こういう現象のもと、人々の生活はよくなっているのだろうか。

 今日の『朝日新聞』に、浜矩子さんの談話がでていた。

 安倍政権は、経済政策のアベノミクスが「富国」を、今回の特定秘密保護法や、国家安全保障会議(日本版NSC)が「強兵」を担い、明治時代の「富国強兵」を目指しているように見えます。この両輪で事実上の憲法改正を狙い、大日本帝国を取り戻そうとしているかのようです。

そしてあらゆる政策が、国民の生活ではなく、国家優先のものだというニュアンスの言葉が続く。

 国家主義的な政策が続いていく。『朝日新聞』は、防衛省が「今後5年間の防衛装備の購入計画を示す中期防衛力整備計画(中期防)で、総額約25兆円を要求する方針」であると報じた。

 社会保障のため、といわれた消費税は、こうした軍事費や不要不急の公共事業に投下されていく。

 しかし、それでも自民党の支持率は高い。

 今日、『中日新聞』に世論調査の結果が報じられていた。その結果は、まさにメディアの報じたことをオウム返しに答えているに過ぎないように思う。メディアが批判的に報道すれば批判的になり、たとえば衆参の「ねじれ」を解消し、「決められる政治」にしようというと、そうしようと国民は回答する。

 考えない国民が増えている、そんな気がする。それはマスメディアも同様だ。自分自身が報じていることが、どういう事態をつくるだすのかを考えないで、そのときの「気分」や「感情」で書いていく。

 日本人の知性が劣化していることは、書店に行けばわかる。根拠薄弱な内容に彩られた本、放言によって覆われた本、知性の「知」の字も感じられない本が積まれている。

 ボクが若い頃は、あまりに反知性的な本は、人の眼に入るようなところにはなかった。今は、勇ましい、無責任なことを書き連ねた本が堂々と売られている。

 それはネットも同じだ。いや、ネットでの主張が、本となってきていると言った方がよいのかもしれない。
理性的な議論こそが求められているのだが、今はそれが流行らないようだ。 

 

コメント
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