浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

内田樹氏が望む「杞憂」

2013-12-12 19:34:22 | 読書
 内田氏の意見にボクは同感だ。安倍政権は「権力」というものを十分に知った。「何でもできる!」という自信を持った。「特定秘密保護法」を制定できたのだから・・・なんでもできるよ、と。「特定秘密保護法案」は、その力を試すアドバルーンだったのではないか。

 ボクは国会の脇で「ハイアン(廃案)」を叫びながら、この法律の成立阻止のために、反対する政党政派は全国動員をかけ、1960年安保闘争並みに国会を包囲すべきだと思っていた。しかし、そうではなかった。安倍政権に確信を与えてしまった・・・

 大きな歴史のターニングポイントを、みすみす見逃してしまったのだ。

http://blog.tatsuru.com/
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地域福祉のあり方

2013-12-12 18:51:11 | 日記
 この11月で民生委員をやめた。今日午前、新しい民生委員の方と町内をまわり、一人暮らしの老人家庭などを訪問した。

 ボクは、老人や子どもを含めた福祉は地域で展開されるべきだと思っている。

 現在民生委員は一人暮らしや高齢者世帯を「元気ですか」などと訪問して、いろいろな話をし、相談にのっている。ボクが担当した地域の高齢者はみんなとても元気だ。ボクは、こういう高齢者の力をなぜ活用しないのかと思う。

 実は高齢者のほとんどは在宅している。もちろん外出してばかりいる人もいるが、多くは在宅だ。在宅している高齢者を、ただ年齢を重ねるだけにしておくべきではない。

 ちょうど、テレビで江戸川区の学童保育のことを放映していたが、そこでは小学校全体を学童保育の場として設定し、その指導員は地域のボランティアが担っているという。ボランティアには高齢者も、もちろんいる。「江戸川方式」は、とてもよいと思った。

 日常的に、小学校を舞台にして、地域の人たちが放課後集まる、これって素晴らしいことではないか。地域の人々が、日常的に集まるということにしておけば、子どもたちを指導する人が足りないということもなく、用事があったら気兼ねなく休める。校外で出会ったとき、みんな知り合いだから、校外の道ばたでも話しがはずむことだろう。これこそ町を明るくする方法ではないか。

 高齢者は、介護施設に集められているが、そうではない方法を、そろそろ打ち出すべきではないか。

 ボクは、行政の担当者は「余分なことはしない」、「国や県からいわれるまでは、新しいことをしない」という不文律を持っているのではないかと思っている。だから公務員は「攻撃」されるのだ。

 福祉の担当者と話をしていても、自分なりのビジョンを持っている人には出会わない。何らかの施策をするときには、国や県から下りてきたことを基本に、あとは「学識経験者」という権威の影に隠れて、カタチだけの施策(何とか計画)を作成する。

 「地域見守り安心ネットワーク」というものも、市では整備したといっているが、これもカタチだけ。実質的には機能していない。そういう「図」を作成しただけで終わり。それが機能しているかどうかは、担当者の視野の外だ。要は「机上の空論」を作成しました、というだけ。

 超高齢社会が迫っているのだから、どうしたら元気な高齢者をたくさんつくりだすか、を考えるべきだし、高齢者や大人だって、子どもたちとの交流のなかで元気をつくりだすし、子どもも高齢者に対する見方をかえるだろう。たとえば「今までうちのじいちゃん、水戸黄門ばかり見ていたけど、今は学校でボクらと遊んでくれる」とか・・・

 高齢者を家の外に連れだそう、そのために集まる場をつくろう。小学校なんて、最適の場だ。残念ながら、最近浜松市では学校の統廃合を推進していて、そういう場をなくそうとしているが、小学校というのは子どもたちが学ぶだけの施設ではない。地域の拠点なのだ。財政が、歳入が・・・・というが、元気な高齢者が増えれば、医療や福祉にかかるカネは減っていくはず。

 いずれにしても、トップがダメだと行政は動かない!!

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結局、規制が始まる

2013-12-12 17:38:30 | 政治
 石破が何を言おうと、法律は報道の自由を規制する役割を果たす内容だ。処罰する、処罰しない、そのいずれかは石破が決めるのではない。処罰する可能性が明らかである以上、自主規制を含めて何らかの規制が働くのは明確であるといえよう。

 権力者が短期間で全く反対のことを語る法律、これが秘密保護法なのだ。いかに不明確でいい加減なものであるか。まさに廃止されるべき法律であるというしかない。

「処罰」言及の石破幹事長 秘密報道自制求める

2013年12月12日
 自民党の石破茂幹事長は十二日、ニッポン放送のラジオ番組で、特定秘密保護法に基づいて指定された秘密情報を報道機関が報じることに重ねて疑問を呈し、自制を求める姿勢を示した。報道は処罰対象にならないと断った上で「外へ出すと国の安全に大きな影響があると分かっているが報道する。(その結果)大勢の人が死んだとなれば『それはどうだろう』というのはある」と述べた。


 石破氏は十一日の会見で、漏えいが禁じられる「特定秘密」を報道機関が報じた場合に処罰されることもあり得るとの見解を示し、その後に撤回している。


 これに関連し公明党の山口那津男代表は会見で「著しく不当でない取材活動は罰しない。そうしたルールの下で得た情報を報道するのは自由なのが基本だ」と述べ、石破氏の発言への評価は避けた。
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在日外国人

2013-12-12 17:17:09 | 日記
 少し反省するところがある。ボクは、静岡県における在日コリアンの歴史を調べ、自治体史にも書いたことがある。大日本帝国の植民地支配との関わりで、在日コリアンの研究を行ってきた。在日外国人一般ではなかった。

 さて今、浜松市にはブラジル人がたくさん居住している。長女が小学生の頃、娘の友達にエリザーナというブラジル人の友人がいて、よく我が家にも来ていた。両親は日本語が話せないので、彼女が通訳をしているのだと聞いていた。
 今エリザーナ一家はどうしているのだろうか。

 日系ブラジル人をはじめ、日本が日系の外国人に門戸を開いてから、もうかなりになる。1989年12月に入管法が改正され、翌年6月から施行されたのだが、外国人を「就労可」と「就労不可」と明確に分け、日系人は前者としたのである。それだけではなく、日系人については一切就労に制限をつけない、という扱いにした。その結果、かつて日本人が多数移住したブラジルやペルーから、日本で就労するために多くの外国人が入ってきた。そして自動車産業が発達している浜松にも、非熟練労働力として雇用される外国人が増えていった。

 だからボクの近所の公営住宅にも、ブラジル人家族が多数居住している。隣家の娘さんの夫も、ブラジル人である。

 そのような環境にいながら、ボクはブラジル人とのつきあいはほとんどない。したがって、彼らがどのような問題を抱えて生活しているのか、まったくわかっていない。

 これではいけないと思った。

 今日、それに関わる話を聞き、ボクが事務局長をしている市政懇話会で取り上げていこうと思った次第である。

 やることはたくさんあるが、この問題も地域で考えるべきものとして、位置づけていきたいと思う。



 
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ネルソン・マンデラ

2013-12-12 16:37:54 | 日記
 ネルソン・マンデラが亡くなった。

 南アフリカ共和国、人種差別がもっとも激しい国だった。過去形で記したが、未だ人種差別はなくなってはいない。「もっとも激しい国」というところが、過去形になっているからだ。

 南アフリカ共和国といえば、アパルトヘイト(人種隔離政策)で名を馳せたところだ。徹底的な人種差別、白人と有色人種は完全隔離され、有色人種は激しく差別された。この人種差別、インドの独立運動の父・ガンジーも、弁護士としてインド人がたくさん住むこの国にやってきて、そしてその差別に遭遇した。ガンジーは、ここでも差別と闘い、そしてインドで独立運動を闘った。非暴力・不服従を貫き、インドを独立へと導いた。

 ネルソン・マンデラも、黒人として生まれ、激しい人種差別のなか、何度投獄されても反人種差別の運動を続けた。彼の刑務所生活は27年間に及ぶ。しかしその投獄生活の中でも、彼の人間性は揺るがず、出獄してから後、大統領になった。

 おそらく白人から激しい肉体的・精神的苦痛を受けたのだろうが、しかし彼は「復讐」という思考は持たず、大統領に就任すると「虹の国」づくりに励んだ。人種の融合を模索したのだ。

 確かに激しいアパルトヘイトはなくなったが、経済的格差は依然として強くある。もちろん貧困は、今まで差別を受けてきた黒人をはじめとした有色人種に付随している。だからまだとても平等な社会とは言えない。道はまだ半ばである。

 マンデラは、しかしその解決を進める道筋をつくった。

 今年『新・現代アフリカ入門』(勝俣誠・岩波新書)が発売された。著者の勝俣氏は、このような本を時々書き、アフリカの事情を報告しているが、本書にも「ポスト・アパルトヘイトの今」という章がある。ボクはずっと前からアパルトヘイトに関して関心を向けてきた。

 もう何年前かは忘れた。ずっと前のことだ。『静岡新聞』の論説委員が、南アフリカ共和国では日本人は「名誉白人」とされ、白人並みに扱われているとし、それがうれしいというような文章を書いていた。ボクはそれは「うれしい」と言えることなのか、と思った。その問題について考えようと、その頃静岡で結成された「アフリカを考える会」に参加したことがある。それが、ボクが南アフリカ共和国に関心を抱いたきっかけである。

 今のところ、南アフリカ共和国で「虹の国」は実現していない。だが、いずれ、マンデラの遺志を継ぐ者がたくさんでて、素晴らしい国作りをしていくことだろう。とにかく、ネルソン・マンデラを一人生み出した国なのだから。
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