テキヤ=香具師のなかにアナーキストがいたことを、少ない資料から浮かび上がらせようとした労作である。しかし、おそらく雑誌に連載したのだろう、重複箇所が眼についた。しかしこの種の研究書はないので、貴重な文献となるだろう。ただ論文ではないので、それぞれの歴史的事実を記述するとき、どのような文献に依拠したのかの記載がないので、後追い的に確かめることができそうもないことが残念である。
ここに記されているテキヤのなかのアナーキスト・高嶋三治に関心を持つようになった。大杉栄らの権力による虐殺、それに対する復讐を図るギロチン社の仲間たち。彼らと連携しながら、たとえば浜松のテキヤから資金を獲得して、活動を続けようとする高嶋。
しかし三宅正太郎判事との出会いから、情勢の悪化も原因となって具体的な運動からは離れるが、しかし心のなかでは生涯アナーキストだったようだ。
ボクは、香具師というと、戦後警察と連携しながら浜松で朝鮮人を襲撃した(「浜松乱闘事件」)香具師集団のことを想起するので、まさか香具師のなかにアナーキストがいたなんて思いもしなかった。
本書では、戦後の混乱期に、香具師などを朝鮮人と分裂対抗させた権力の「罠」にも言及している。
最近、この「浜松乱闘事件」について書いたが、香具師の世界についてもっと知っておけば良かったと少し後悔している。
本書は2000円+悪税である。公共図書館ではきっと買わないだろうと思って購入した。購入する価値はあると思う。あたらしい知見を得ることができる。
ここに記されているテキヤのなかのアナーキスト・高嶋三治に関心を持つようになった。大杉栄らの権力による虐殺、それに対する復讐を図るギロチン社の仲間たち。彼らと連携しながら、たとえば浜松のテキヤから資金を獲得して、活動を続けようとする高嶋。
しかし三宅正太郎判事との出会いから、情勢の悪化も原因となって具体的な運動からは離れるが、しかし心のなかでは生涯アナーキストだったようだ。
ボクは、香具師というと、戦後警察と連携しながら浜松で朝鮮人を襲撃した(「浜松乱闘事件」)香具師集団のことを想起するので、まさか香具師のなかにアナーキストがいたなんて思いもしなかった。
本書では、戦後の混乱期に、香具師などを朝鮮人と分裂対抗させた権力の「罠」にも言及している。
最近、この「浜松乱闘事件」について書いたが、香具師の世界についてもっと知っておけば良かったと少し後悔している。
本書は2000円+悪税である。公共図書館ではきっと買わないだろうと思って購入した。購入する価値はあると思う。あたらしい知見を得ることができる。