矢部宏治の『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)は、現在起きている日本の政治と原発にかかわる問題を、なぜそうなのかを丁寧にかつ虚心坦懐に1945年にさかのぼって検討したものだ。
本を読みながら、線を引き、付箋をつけていったら、いっぱいになってしまった。こんなに多くしるしをつけた本は、久しぶりである。それほど、重要な指摘がたくさんあるということだ。この本は、1200円+悪税、内容から見ればとても安い本である。とにかく読むことを薦めたい。いや、現代日本に生きるものの必読文献である。
本書のスタートは、普天間基地から始まる。世界一危険な基地といわれる普天間基地。基地周辺の住宅や学校などが密集する上空を、米軍機が何の遠慮もなく飛行している。爆音と危険を振りまきながら。
ところが、米軍機が絶対に飛ばない地域がある。米軍住宅のある地域である。
著者は、当然であるがこう断じる。
米軍機は、沖縄という島のなかで、アメリカ人の家の上は危ないから飛ばないけれども、日本人の家の上は平気で低空飛行する。
著者は、それはなぜなのかを検討していくのだ。
「安保条約とそれに関する取り決めが、憲法を含む日本の国内法全体に優越する構造」が、日本に存在することを、著者は指摘し、ではなぜそういう事態があるのかを、日本の敗戦にまでさかのぼって検討していき、その結果日本は独立した国家ではなく、アメリカによる占領状態が続いているという。
またなぜ日本政府は、ドイツのように脱原発に進まないかを考えるとき、そこに「日米原子力協定」の存在にぶち当たる。日本は、原子力に関して自主的に結論を出すことはできないという構造になっているのだ。
基地問題にかかわっての、安保条約とその関連法(安保法体系)、原発に関しての「日米原子力協定」にもとづく無法状態。
なぜそうなのか。
日本の敗戦のありようを、著者は検討し、上記の事態が生じる構造を浮き彫りにしていく。
とにかく読むべきである。書店に、この本は積まれているはずだ。すぐに書店で買い求めよう。そうすると、戦後の日本の構造が目の前にはっきりしてくる。
しかしその後、ではどうしたらよいのだろうか、と考えてしまう。
だがそれでも知っておくべき事柄である。
本を読みながら、線を引き、付箋をつけていったら、いっぱいになってしまった。こんなに多くしるしをつけた本は、久しぶりである。それほど、重要な指摘がたくさんあるということだ。この本は、1200円+悪税、内容から見ればとても安い本である。とにかく読むことを薦めたい。いや、現代日本に生きるものの必読文献である。
本書のスタートは、普天間基地から始まる。世界一危険な基地といわれる普天間基地。基地周辺の住宅や学校などが密集する上空を、米軍機が何の遠慮もなく飛行している。爆音と危険を振りまきながら。
ところが、米軍機が絶対に飛ばない地域がある。米軍住宅のある地域である。
著者は、当然であるがこう断じる。
米軍機は、沖縄という島のなかで、アメリカ人の家の上は危ないから飛ばないけれども、日本人の家の上は平気で低空飛行する。
著者は、それはなぜなのかを検討していくのだ。
「安保条約とそれに関する取り決めが、憲法を含む日本の国内法全体に優越する構造」が、日本に存在することを、著者は指摘し、ではなぜそういう事態があるのかを、日本の敗戦にまでさかのぼって検討していき、その結果日本は独立した国家ではなく、アメリカによる占領状態が続いているという。
またなぜ日本政府は、ドイツのように脱原発に進まないかを考えるとき、そこに「日米原子力協定」の存在にぶち当たる。日本は、原子力に関して自主的に結論を出すことはできないという構造になっているのだ。
基地問題にかかわっての、安保条約とその関連法(安保法体系)、原発に関しての「日米原子力協定」にもとづく無法状態。
なぜそうなのか。
日本の敗戦のありようを、著者は検討し、上記の事態が生じる構造を浮き彫りにしていく。
とにかく読むべきである。書店に、この本は積まれているはずだ。すぐに書店で買い求めよう。そうすると、戦後の日本の構造が目の前にはっきりしてくる。
しかしその後、ではどうしたらよいのだろうか、と考えてしまう。
だがそれでも知っておくべき事柄である。