浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「法治国家」?

2015-03-24 18:22:54 | 政治
 翁長沖縄県知事が、辺野古沖での作業中止を指示し、従わない場合は、岩礁を破壊する許可を取り消すとした。それに対し、政府は翁長知事の指示に対し「法治国家」を否定するもの、と批判している。

 しかし政府に「法治国家」を云々する資格があるのだろうか。日本国憲法の平和主義を踏みにじる「集団的自衛権行使の容認」という日本国憲法に対する破壊行為を行っている政権が、翁長知事の決断を「法治国家を否定するもの」なんて言えるわけがない。

 だいたいにして、翁長知事の行動には、正当性があり、「法治国家を否定するもの」とは決して言えない。その理由を、『琉球新報』社説で説明する。

国は新基地建設に抵抗する市民を排除するため、埋め立て海域を取り囲む臨時立ち入り制限区域を設けた。その上で、埋め立てを承認した仲井真弘多前知事から昨年8月に岩礁破砕の許可を得た。
 広大な臨時制限区域を示す浮標灯を固定する重りとして、沖縄防衛局は海底に最大160キロの鋼板アンカー248個を設置したが、大型台風で120個が流出した。
 消えたアンカーの代わりにしたブロック塊の重量は10~45トン、低く見積もっても当初のアンカーの62~280倍に及ぶ。環境保全に背を向けた常軌を逸した対応だ。
 埋め立て海域とは関係ない海域で巨大なブロックがサンゴ礁を無残に押しつぶしている。「無許可行為」が確認されれば、岩礁破砕許可取り消しなどを命じることができる。知事の作業停止指示には環境破壊を防ぐ法的正当性がある。
 一方、県は臨時制限区域内で、サンゴ礁の破壊の有無を調べる立ち入り調査を申請したが、米軍は「運用上の理由」を挙げ、不許可にした。
 だが、沖縄防衛局は連日、潜水調査を実施しており、運用上の理由は成り立たない。防衛省や外務省は県の調査実現の仲介さえしようとしない。狭量な二重基準が極まっている。
 安倍政権と米軍が気脈を通わせた県排除の構図だ。日本国内の環境を守るための調査さえかなわないなら自発的な「主権喪失」と言うしかない。安倍晋三首相が国会などで連呼してきた「主権」は沖縄では存在しないかのようだ。


 安倍首相は、20日の参院予算委員会で、自衛隊を「我が軍」と呼んだ。憲法9条には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めている。

 これこそ、「法治国家」を否定するものではないか。憲法は、国家の最高法規である。
 
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みんな、みんな国民負担!

2015-03-24 09:12:32 | 政治
 さあさ寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。日本というところの住民はいい人ばかりだよ。そこで企業活動すれば大もうけできるから、来なさいよ。

 日本という国では、1000万円以上の収入がある人には、残業代を払わなくていいんだよ。それにさ、内緒だけど、今は1000万円だけど、今後はどんどんその基準を下げていくから、美味しい話しだよ。それにさ、日本には労働組合があっても労働者を守らないし、労働者も経営者に文句も言わない、だって、労働者は残業しても残業代の請求はしないから。

 ほら、あの東京電力を見てごらん。原発事故の収拾のために政府からカネを借りている。でもそのカネにつく利息は、国民に負担させるんだってさ。それにね、だいたい借りたカネだって、電気料金から返せばいいんだから。要するに、企業がカネを借りても、すべては国民や利用者に負担させるんだ。こんな美味しい話しはないだろう。

 安倍首相も言っている、日本を世界でいちばん企業活動がしやすい国にする、って。つまりは儲けやすい国だってことだ。労働組合が経営者に賃上げを求めても相手にしないけど、政府が要請すれば大金が眠っている「内部留保」から少しは出してくれる。つまり、政府の方だけ見てればいいんだ。政府はもちろん企業の味方だから、この国はいいよ!


除染費と東電損賠費の利息 最大1200億円超国民負担に

2015年3月24日 東京新聞朝刊

 会計検査院は二十三日、東京電力福島第一原発事故で、国が税金で負担している除染や、東電の被害者への損害賠償費の利息が、最大で千二百億円を超えるとの試算を明らかにした。

 試算では、国が肩代わりしている除染や賠償の資金援助額が上限の九兆円となった場合、返済を終えるまでに最長三十年間かかり、その間の金利負担が最大で千二百六十四億円に上る。国は金融機関から資金を調達して東電に援助しているが、利息分は返済を求めず、国民の税負担となる。

 また、検査院は福島第一原発1~4号機の廃炉・汚染水対策に国が投じた費用が、これまでに総額千八百九十二億円に上ったことも明らかにした。

 検査院によると、国は廃炉・汚染水対策として、1~4号機の建屋周りの地盤を凍らせて壁をつくり、地下水の流れを止める「凍土遮水壁」の建設に三百十九億円をかけた。汚染水からほとんどの放射性物質を取り除けると期待される高性能の除染装置の開発には百五十億円を投じた。

 このほか、原子炉格納容器の水漏れ場所を特定する技術開発(十六億円)をはじめとした補助金事業や、研究委託費などに支出された。汚染水対策は問題が次々と起きているほか、原子炉から溶け落ちた核燃料の状況も不明で、今後も研究開発などの財政負担が増す恐れがある。

<福島原発事故の賠償制度> 政府は2014年1月、東京電力への新たな支援の枠組みを決めた総合特別事業計画を認定。約2兆5000億円の除染費用などを見込み、東電への資金援助として原子力損害賠償・廃炉等支援機構に交付していた国債の上限を5兆円から9兆円に拡大した。資金回収には東電を含む電力各社などが機構に支払う2種類の負担金に加え、機構が保有する1兆円分の東電株の売却益や、国が機構に交付する中間貯蔵施設関連費用約1兆1000億円を充当。各社の負担金は、国民が支払う電気料金などで賄われている。

<会計検査院の検査対象> 内閣から独立した地位で国の予算が適切に使われたかどうかチェックする会計検査院は、国の機関や、国が2分の1以上を出資する法人、国の出資法人がさらに出資した企業などを検査対象としている。国から財政援助を受け、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からも出資を受けている東京電力は対象となる。民間企業ではほかに日本郵便やJR北海道なども含まれる。
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国民だけが素直でいる

2015-03-24 08:37:23 | 政治
 消費税増税。消費税は、相対的に貧しき者の支出に占める割合が高い、逆累進性の高い税だ。つまり大衆課税。消費税が導入されたときも、増税されたときも、その金は福祉につかうなどと政府はいう。しかしいずれのときも、法人税などがさげられ、消費税はその補填としてつかわれてきた。政府に入るカネに、これは消費税からのもの、なんていう区別はされない。

 日本国民は素直なので、政府の借金がすごいからということで、消費税の増税も仕方がないよ、などという。だが、そうした税金がどうつかわれているのか、日本国民には興味はない。できるだけ税金はだしたくないという気持ちが強く、出した後の支出明細なんか目もくれない。

 だが、ボクはいつも思う。確かに政府は国債を発行して借金をしている。だが、国民が借金をしたわけではないのだ。赤の他人がした借金を、あなたは返済してあげますか?おそらくノーと答えるだろう。政府は借金をした、だが、借金をしたのはボクでも、あなたでもない。借金を返さなければならないのは借りた人だ。なぜそうなったか、収入に応じた政治をせずに、放漫な財政の支出をおこなったからだ。借金をしたときの官僚や政府、そしてその借金を認めた議員が払うべきではないか。国民に責任はないのだ。

 さて安倍政権。しばしば外国に行く。安倍首相は日本を欧米の「列強」のなかに押し込んで、「一等国」になりたいのだ。国連の常任理事国に入りたくて仕方がない。だからどこかの国を訪問すると、巨額のカネをばらまく約束をする。日本の常任理事国入りを支持してもらおうという魂胆だ。政府がカネがないから節約しようなんてことは考えない。

 また自衛隊という組織がある。軍隊というのは、「国防」型の装備と「外国侵略(外征)」型の装備とは異なる。日本は基本的には前者の装備だ。しかし今、自民党公明党が画策している「集団的自衛権」行使というのは、海外で活動することとなり、外征型の装備にしていかなければならない。ここでも多額のカネが必要となる。
 ちなみに、どこかの国からミサイル攻撃を受けてはならないということでPAC-3という装備があるが、それらは米軍基地や自衛隊基地の周辺にあり、原発についてはまったく無防備である。日本を攻撃する場合、原発にミサイルを撃ち込めばいい、しかしそれについて何らかの防備をしようという声はない。

 また原発事故で多額のカネが費消されている。今日の新聞報道に以下のようなことが載っていた。ここでも節約しようという姿勢はない。要するに、政府や地方公共団体に集まるカネは自分のものではないので、節約するという発想はなく、「このカネつかっていいよ」などと渡されれば、どんどんつかうのである。
 要するにあぶく銭。パチンコでもうけたからといって、おごってくれるひとがいるが、あれと同じ。自らの労働で稼いだカネではないし、思わぬところからのカネなので、パーッとつかうのだ。でも本当は、そのカネはその人が今まで「投資」してきたカネでもあるのだが。

 
汚染水対策700億円無駄に 東電 除染装置不具合など

2015年3月24日 朝刊

 東京電力が福島第一原発事故の汚染水対策に投入した一部の除染装置などが十分に機能せず、約七百億円が無駄になっていたことが、会計検査院の調査で分かった。 

 検査院によると、東電は二〇一四年三月までに廃炉・汚染水対策として三千四百五十五億円を支出した。東電はこれまで対策費用の内訳を「個別の契約内容」として明かしていない。

 最も多額なのは、一一年四月に仏アレバ社など六社と三百二十一億円で契約した除染装置。汚染水の放射性セシウムを薬剤で分離して濃度を下げる。だが処理効率が悪く、高濃度の汚泥が発生する問題もあり、三カ月動いただけだった。

 日立GEニュークリア・エナジーや東芝などと百八十四億円で契約した、処理水を蒸発させて塩分を取り除く装置も問題視された。水漏れが相次ぎ、五~四十四日しか動かなかった。

 処理水をためるため百六十億円かけて設置したボルト締め型タンクは一三年八月に三百トンの水が漏れた。二十一億円をかけ整備した地下貯水池も一三年四月に処理水漏れが起き、使えなくなった。海側の地下トンネルにたまった高濃度汚染水の抜き取りに向けた実証実験を、子会社の東京パワーテクノロジーに一億円で委託。汚染水を凍らせて止水する狙いだったが、実験のようには凍らず、作業員が手作業で氷を投入した。

 東電は一二年七月に実質国有化され、会計検査院が国会の要請で東電の経営合理化の状況などを調べた。調査結果の公表は一三年十月に続き二回目。

 東電の小林照明原子力・立地本部長代理は「設備は事故発生以降、発電所を安定的に保つためのもので、不要とは考えていない。機能は発揮していたのではないか」とコメントした。



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