共同通信が下記のような記事を配信した。これについてはすでに報じられていたことであるが、参戦法案が国会で議論されているとき、もう一度確認する必要があろう。
海外派遣の自衛官54人自殺 インド洋、イラクで活動
2015年5月27日 20時55分
防衛省は27日の衆院平和安全法制特別委員会で、特別措置法に基づいてインド洋やイラクに派遣された自衛官のうち、54人が自殺していたことを明らかにした。防衛省によると、インド洋が海自25人で、イラクが陸自21人、空自8人の計29人。
同省は「自殺はさまざまな要因が複合的に影響して発生するので、派遣任務と自殺の因果関係を特定するのは困難」としている。
自衛隊の海外派遣をめぐっては、2001年10月、2年間の時限立法としてテロ対策特別措置法が成立した。政府は海自隊員延べ約1万3千人をインド洋に派遣。また04年1月からは、陸自隊員延べ約5500人をイラクに派遣。
さて最近『帰還兵はなぜ自殺するのか』(亜紀書房)という本が刊行された。実はこの本はまだ買い求めていないのだが、是非読みたいと思っている。その本の内容については、こう紹介されている。
本書に主に登場するのは、アダム・シューマン、トーソロ・アイアティ、ニック・デニーノ、マイケル・エモリー、ジェームズ・ドスターの五人の兵士とその家族。そのうち一人はすでに戦死し、生き残った四人は重い精神的ストレスを負っている。妻たちは、「戦争に行く前はいい人だったのに、帰還後は別人になっていた」と語る。戦争で何があったのか、どうしてそうなったのか…。イラク・アフガン戦争から生還した兵士200万のうち、50万人が精神的な傷害を負い、毎年250人超が自殺する。戦争で壊れてしまった男たちとその家族の出口なき苦悩に迫る衝撃のレポート
戦闘に従事した兵士たちが、生きて帰ってきても強いPTSDに苦しむという事態は、すでに第一次大戦の頃から報告されている。しかし、これが大問題となったのは、ベトナム戦争の時だ。
そしてその後の戦争でも、多くの兵士の「心」が破壊された。戦闘は、肉体を破壊するだけでなく、「心」をも破壊するのだ。
そうした戦争に、日本の自衛隊を派遣させたい安倍政権。今国会で議論されているが、議論している人々は誰一人戦争場面には立ち会わない。だから肉体も「心」も破壊されない。
ベトナム戦争の時には、多くのカメラマンが戦場に赴き、戦場のナマの写真が新聞やテレビで報じられた。しかしその後の戦争、湾岸戦争あたりから戦場取材が統制されるようになり、戦場の生々しい場景が報じられなくなった。だからか、戦闘とはいかなるものかを想像する力が減退している。
戦場でどういうことが起きるのかを、ボクらはきちんと想像しなければならない。
海外派遣の自衛官54人自殺 インド洋、イラクで活動
2015年5月27日 20時55分
防衛省は27日の衆院平和安全法制特別委員会で、特別措置法に基づいてインド洋やイラクに派遣された自衛官のうち、54人が自殺していたことを明らかにした。防衛省によると、インド洋が海自25人で、イラクが陸自21人、空自8人の計29人。
同省は「自殺はさまざまな要因が複合的に影響して発生するので、派遣任務と自殺の因果関係を特定するのは困難」としている。
自衛隊の海外派遣をめぐっては、2001年10月、2年間の時限立法としてテロ対策特別措置法が成立した。政府は海自隊員延べ約1万3千人をインド洋に派遣。また04年1月からは、陸自隊員延べ約5500人をイラクに派遣。
さて最近『帰還兵はなぜ自殺するのか』(亜紀書房)という本が刊行された。実はこの本はまだ買い求めていないのだが、是非読みたいと思っている。その本の内容については、こう紹介されている。
本書に主に登場するのは、アダム・シューマン、トーソロ・アイアティ、ニック・デニーノ、マイケル・エモリー、ジェームズ・ドスターの五人の兵士とその家族。そのうち一人はすでに戦死し、生き残った四人は重い精神的ストレスを負っている。妻たちは、「戦争に行く前はいい人だったのに、帰還後は別人になっていた」と語る。戦争で何があったのか、どうしてそうなったのか…。イラク・アフガン戦争から生還した兵士200万のうち、50万人が精神的な傷害を負い、毎年250人超が自殺する。戦争で壊れてしまった男たちとその家族の出口なき苦悩に迫る衝撃のレポート
戦闘に従事した兵士たちが、生きて帰ってきても強いPTSDに苦しむという事態は、すでに第一次大戦の頃から報告されている。しかし、これが大問題となったのは、ベトナム戦争の時だ。
そしてその後の戦争でも、多くの兵士の「心」が破壊された。戦闘は、肉体を破壊するだけでなく、「心」をも破壊するのだ。
そうした戦争に、日本の自衛隊を派遣させたい安倍政権。今国会で議論されているが、議論している人々は誰一人戦争場面には立ち会わない。だから肉体も「心」も破壊されない。
ベトナム戦争の時には、多くのカメラマンが戦場に赴き、戦場のナマの写真が新聞やテレビで報じられた。しかしその後の戦争、湾岸戦争あたりから戦場取材が統制されるようになり、戦場の生々しい場景が報じられなくなった。だからか、戦闘とはいかなるものかを想像する力が減退している。
戦場でどういうことが起きるのかを、ボクらはきちんと想像しなければならない。