浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】玉川しんめい『エコール・ド・パリの日本人野郎』(朝日新聞社)

2021-04-26 11:35:57 | 

 1989年刊。むかし読んだ本だが、もう一度読み直した。静岡県の引佐町金指出身(現在浜松市)の松尾邦之助のフランスでの生活を綴ったものである。

 松尾がフランスにいたのは、1920年代から30年代前半である。良い時代である。日本も第一次大戦で儲けて、日本からフランスへ渡る人も増えた。藤田嗣治、武林無想庵、辻潤、石黒敬七などなど。松尾はこういう人物らと交遊し、まさに遊んだ。カネがなくてもパリで生きていた日本人のひとりとして、自由に奔放に生きた。

 この本に登場する人々は、まさに自由人である。自由気ままな人たちである。私には、とうていこういう人生は送れないなと思うような、どこでも生きていけそうな人々であった。「日本人野郎」といったことばがふさわしい人々だ。

 これらの人々は、パリで、アナーキーに生きた。日本にいたときからそういう生き方をしていたのだろうが、アナーキーということばが似合う。

 パリでの生活は、裸一貫、生活のためのカネは自分で稼ぐしかない。国家的庇護はない。カネを借りたり、極めて低賃金で働いたり、その日その日をただ生きる。そしてフランス女性と恋をしたり、ワインを飲み、深夜まで遊ぶ。

 こういう生活ができるようにならなければいけないような時代に、今からはいっていくような気がする。

 10時頃、友人から電話が入った。この本を読むのを中断してでたところ、広島、長野、北海道の選挙結果のことであった。野党が勝ってよかったという話であった。しかし私はこの話にのらなかった。勝ったからといって何が変わるのか。変わりはしない。

  COVID-19の猛威はとどまるところをしらない。他国は、政府が戦闘となってウィルスと闘っているが、日本ではwith coronaなどといって、国民を感染させ、死に追いやり、飲食店を困窮させ、人々の自由を奪うことに何の痛痒も感じない者たちが政治に携わっている。自民党・公明党政権はいうまでもないが、維新であろうと、立憲民主党であろうと、議員がいようといまいと、他国でやっているような COVID-19との闘いを放棄したままの状態が続く。

 何もしない、まったく無為無策の政府や自治体に、いったいどんな期待を寄せられるか。私の気持ちは、政府も何もいらない!というものだ。

 国家は、国民の生命や健康を守ることが第一の使命である。その使命を一切果たそうとしない、ただ国民にむかって「自粛」を求めるのみ。いらないだろうこんな政府や自治体。

 私の気持ちは、いよいよアナーキーになっていく。

 

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明るいニュースが・・・

2021-04-24 21:13:30 | 社会

汚染水からトリチウム水を取り除く低コストな除染技術、近畿大学が開発していた

 しかしおそらく政府や東電は利用しないで海洋放出に舵を切るだろう。なぜか。近畿大学とは利権関係にないからだ。

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もう狂っているとしか言えない

2021-04-24 21:11:05 | 社会

 これもだめ、あれもだめ・・・・と国民に犠牲を強いる一方で、オリンピックはやるつもりだって?!狂っているよ、日本の支配層。

ビッグサイトいきなり使用禁止で大炎上、23日夜告知の24日からNGで「Japan IT Week」も延期

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IOCにも賢明な人がいた

2021-04-24 20:58:37 | 社会

 スカ=自民党・公明党政権は、オリンピックの開催についての判断はIOCが決めるものだという。日本政府は国民の命や健康を守るのが第一の仕事。なのにまったくの責任放棄。カナダの委員は、まあ正常。

東京五輪、開催可否は医療専門家が決めるべき IOC委員

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【本】チママンダ・ンゴズイ・アディーチェ『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』(河出書房新社)

2021-04-24 10:17:57 | 

 フェミニズムとはどういう考え方かを日常生活の中から描いた本。

 著者はアフリカ・ナイジェリア出身の作家である。日々の生活で彼女が気付いたジェンダーに関わることを例に挙げて、なぜ私たちは、男も女もみんなフェミニストでなければいけないのかをさらっと語ったものである。

 私はこの本を読むまで、アディーチェという作家を知らなかったが、すばらしい作品を発表しているようだ。是非とも読んでみたいと思った。

 アディーチェは、フェミニズムの必要性をこう語る。

ある男性がわたしに「なぜあなたが女性としてでなければならないの?なぜ人間としてではないの?」と言いました。この種の質問はある人の具体的な経験を沈黙させる方便です。もちろん私は人間ですが、この世界にはわたしが女性であるがゆえに起きる個別の出来事があるのです。

 彼女はこう語る。

 なかには「なんで『フェミニスト』って語を使うの?なぜ人間の権利擁護が重要だと思う、とか、そういうふうにいわないの?」という人もいます。理由は、それではごまかしになるからです。フェミニズムはもちろん一般的に言えば人権の一部ですが、漠然とした表現である「人権」を使うと、ジェンダーという個別の限定された問題を否定することになります。何世紀もその人権から排除されてきたのが女性であることに気づかないふりをする方便になります。ジェンダーの問題が女性に的をしぼっていることを否定する方便になってしまう。つまり問題は人間であることではなく、具体的に女という人間であることだったんです。何世紀ものあいだ、世界は人間を二つのグループに分けておいて、一つのグループを排除し、抑圧してきました。それを認識するのがこの問題の解決法だというのは全く正しいことです。

 その通りだと思う。女性というだけで、進学の機会を奪われたり、様々な不利を強いられてきた。そうではいけないのだというところからフェミニズムが発生した。

 男性の中には、フェミニズムというと眉をしかめる人もいる。

 男性の中にはフェミニズムと聞いただけで脅威を感じる人もいます。これは男の子がどう育てられるかに起因する不安感、つまり「彼らが」男として「生来」生まれついていないとすると、どれほど自尊心を軽視されたと感じるかという不安感によるものだと思います。

 アディーチェは、こう語っている。

 わたし自身の、フェミニストの定義は、男性であれ女性であれ、「そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよね、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という人です。

 フェミニズムを具体的にやさしく説明してくれる本。とにかくとても短いから読みやすい。アディーチェが語ったことを文字化したもの。

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バカ!!

2021-04-24 09:38:55 | コロナ

運行ダイヤ変更、鉄道会社「混雑が増して密を招き逆効果」

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「官」がやることは・・・

2021-04-24 09:19:36 | コロナ

 「官」がやることは、理解できない。そんなことより広汎な検査を実施した方がほよど効果があるだろうに。

 都の職員もこんなことをして感染を減らすことができるとは考えていないだろう。上からの命令に粛々と従う。誰が言い出したかわからないが、「やってるふり」でしかない。

都職員、「路上飲み」に初の自粛声かけ 効果を疑問視も

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日本の劣化はここまできている

2021-04-24 09:19:36 | 社会

 かつては日本は造船大国であった。それはもう完全に過去の話だ。

山口・萩の新定期船、船体重すぎ就航白紙 「前代未聞」再発注へ

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「恕」はありや否や

2021-04-24 07:22:12 | コロナ

 為政者の心得というものは、今はひとかけらも見られない。その為政者の小間使いとして存在している役人にも、である。

 「恕」。「恕」とは、「他人の立場や心情を察すること。また、その気持ち。思いやり。」であるが、とりわけ為政者や役人に欠けているものだ。新自由主義の思考が、私企業だけではなく、自治体や学校にまで浸透し、エゴを満開させる社会とは成り果てた。「恕」は、消えてなくなってしまったのである。

 

大阪市職員の1000人超が多人数や深夜会食 市長が陳謝

 この記事に対するコメントがあった。コロナ禍、医療従事者への敬意をもてない役人はいらない。

 大阪府内の感染症指定病院で働く現役看護師です。 職場の仲間達とはこの1年3ヶ月…一回も食事会や飲み会はしてません。 退職する恩師の送別もできずストレス解消の飲み会も無し。 昼休憩は横並び、間隔をあけて、黙って食べるだけ…正直味気ないです。 深夜会食…いいご身分で羨ましいです。 「今が頑張り時!」「皆で協力して乗り越えよう!」は聞き飽きました。 フェイスシールドは透明といえどずっと着けてると目がとても疲れます、アルコールで手はガサガサ、医療用ガウンはサウナスーツと一緒で汗だくになります。 スタッフ全員がいつ誰がダウンするか分からない中で協力しあって何とか1日1日を乗り越えてる感じです。 早く皆でお酒のんで、旅行に行ける日常が戻りますよう頑張ります。

 

 

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畳もうとしている日本

2021-04-23 21:49:34 | 政治

 スカ=自民党・公明党政権はじめ日本の支配層は、日本を畳もうとしている。日本に住む人々のいのちを守ろうともしない。そんな日本には、何の期待もなくなった。

 上先生の正論。

緊急事態宣言でも「コロナ感染の再拡大必至」コロナ敗戦の真相

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【本】暉峻康隆『日本人の笑い』(みすず書房)

2021-04-23 08:10:55 | 

 暉峻先生は、近世文学の研究者である。とりわけ井原西鶴の研究をされていた。されていたというのは、もうお亡くなりになったからである。人間いつまでも生きてるわけにはいかないからさ・・・という声が聞こえてくるようだ。

 さて本書は、近世の川柳を集めて解説を加えたものである。どんな川柳かと言えば、セックスにかかわるものが多い。それを先生は学問的に(と一応書いておかなければ)、そして軽妙洒脱に説明していく。 COVID-19がまん延する中、少しは笑いたいなあと思う方には、最適の本である。とにかく各所で笑わざるを得ない。おそらく先生も笑わせるぞという強い意図を持って書かれたはずだ。

 しかし川柳であるからとバカにしてはいけない。川柳の中には、漢文の知識、それ以前の古典文学や歴史を背景にして書かれたものが多い。あなどるべからずである。

 近世は読書文化が花開いた時代でもある。字を覚えた庶民は、本を読んだ。字を覚えなくても、絵が描かれていた。貸本屋もあんがいあったし、出前してくれる本屋もあった。今どきの本を読まない若者よりもよほどたくさんの知識を持っていただろう。

 さて、先生は銭湯について蘊蓄を傾ける。まず川柳をあげる。「入込みはぬきみはまぐりごったなり」。言うまでもなく、近世の銭湯は混浴であった。混浴がなくなったのは1885年。明治の時代に入ってからだ。となると、この川柳は、そうした混浴の状態を活写したものだ。混浴の銭湯がなくなったので、ストリップなどが始まったのだと、先生はおっしゃる。

 川柳とは無関係であるが、紹介されていたので書き留めておかねばなるまい。かの本居宣長先生であるが、彼の屋号は鈴の屋である。その理由を、暉峻先生はこう記している。

 先生は二階に住んでおられて、机上に鈴をおき、もよおされた時に、それをチリンチリンと二ふりされると、奥方が上がってこられる。チリンチリンチリンと三ふりされると、おめかけが上がってくる、という仕組みになっていたことは、知る人ぞ知るである。(143)

 川柳について、先生はこう書いている。

 川柳を愛する庶民は、史書に登場する人物や事実だけに着目し、いかなるプロパガンダもいっさい受けつけない。それは匿名という絶好のかくれ蓑を着た彼らが、本来の庶民精神を発揮し、神さまであろうと、貴族であろうと、英雄であろうと、政治家であろうと、ひと皮むけば、「なにいってやがんだい、おれたちとおんなしことをやったんじゃねえか。」という信念にもとづき、その権威をみとめないからである。史上の人物にさまざまな制服を着せる史家に対し、その制服をぬがせ、人間として対等におつきあいを願うというのが庶民の史眼である。(145)

 権威を、今風のことばでいえば、「脱構築」するのが川柳なのだ。権威とは、まわりの人間が権威と認めるから権威となるのである。そうなると権威は威張り出す。権威に威張らせてはならない、それが庶民の心意気というもんだ。

 この本を読んでカラカラと笑い、コロナ禍の一服の清涼剤としたい。

 

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テレビに出てさえいれば・・・・

2021-04-23 06:19:03 | 社会

 日本の有権者で投票行為を行うのは、テレビを見る人びと。だからテレビに屢々出ていれば、選挙では安泰なのだ。それを大阪の首長たちは知っている。何もしなくても、ただテレビに出てさえいればいいのだ。それに応じて、テレビも彼らを何度も、あるいは恒常的に出演させる。

 そういう構図が、とりわけ関西では続いてきた。

大阪で救急拒否が相次ぐ危機も吉村知事は…滋賀県の看護師派遣を回答前に公表、滋賀知事への要請電話を後回しにしてテレビ出演

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「上級国民」は何をしても起訴されない

2021-04-23 06:12:38 | 政治

 検察は完全に「上級国民」のシステムの一員と化し、「上級国民」の利益を守る組織として確立した。

関電前会長ら立件見送り 大阪地検が最終協議 報酬補塡・金品受領問題

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カネまみれのIOCもでたらめ

2021-04-22 20:56:57 | 社会

「膝つき」禁止、変更せず 選手委の提言受け―IOC

緊急事態宣言「五輪と無関係」 バッハIOC会長

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東京オリンピック・パラリンピック開催期間中のCOVID-19感染者数の予測について

2021-04-22 20:48:04 | コロナ

【翻訳】

Prediction of COVID-19 cases during Tokyo's Olympic and Paralympic Games

 

この論文はプレプリントであり、査読による認定を受けていません。

 

 2021年7月下旬に開催される東京オリンピック・パラリンピックは、海外からの観戦者がいない状態で始まるが、日本では他の先進国に比べてワクチンの展開が遅れている。本研究では、2020年1月23日から2021年4月16日までの週次報告データに基づいて、東京におけるCOVID-19の流行曲線を作成した。2021年8月の東京における1日あたりの最大感染者数は、現在の接種ペース(1日あたり1000人)であれば7991人となる。この1日あたりの数は、2021年1月7日に記録した1日あたりの最高感染者数(2447人)よりも多い。しかし、展開ペースを2倍(1/500/日)にすることができた場合、1日の新規患者数のピークは8月の4470人となる。4倍(1/250/日)になれば、7月の2128人がピークで、8月は1977人が最高となる。ワクチンの接種量を増やすことができないのであれば、オリンピック選手にとって健康は最も大切なものであるため、中止もやむを得ないかもしれない。  (以下略)

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