「小西真奈『どこでもない場所』」 ARATANIURANO

ARATANIURANO中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3階)
「小西真奈『どこでもない場所』」
10/27-12/1



実際の光景を絵画化する過程において「どこでもない場所」へと転化させているという、小西真奈(1968~)の個展です。エッジも利いた、面を強く感じさせる颯爽としたタッチにて、海辺の光景などをどこか寂し気に表しています。



展示では、横2メートルの大作ドローイングと、それにモチーフを借りた小品など数点が紹介されていますが、とりわけ惹かれたのはグレーを基調に海岸線をまとめた「Movie.2007」でした。一本の道が三角形を描くように曲がって海へと伸び、その向こうには、まるで氷山のように白んだ岩場に遮られた海が広がっています。印象的なのは、浜辺で佇む数名の人間の様子です。場違いなスーツ姿の男性などが傘をさしながらぼんやりと歩き、また立ち止まっていますが、それらはあたかも体だけがそこに映し出され、実際の人間は全く別の場所にあるかのような空疎な気配を漂わせているのです。海辺も人間たちもどこにでもありそうな景色ではありますが、不思議と両者を組み合わせると非現実的な、全く奇怪で夢のような心象風景へと変化していました。

ここアラタニウラノと同時に、有楽町の第一生命ギャラリーでも彼女の作品が展示されています。そちらも拝見出来ればと思いました。

12月1日までの開催です。(11/9)

*関連リンク
projectN(オペラシティアートギャラリー) 小西真奈
VOCA2006:VOCA賞を受賞しています。
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